Windows 3.1は、1993年5月18日に出荷された。秋葉原の大型コンピュータ店では、発売初日に、約900本を売り尽くしたという話もある。その前の週には、日本電気のWindows 3.1が出荷され、一週間でWindows 3.0の一年分を売り尽くしたとも言われる。
昔も今も、新しいWindowsは新規のインストールであれば、ほとんどトラブルなくパソコンに導入できた。しかし、当時もWindows 3.0をインストールしていたパソコンへの重ね書きには、注意が必要だった。
例えば、Windows 3.1は、インストールする先のディレクトリに古いwin386.exeがあると、Windowsの起動時にエラーメッセージを表示した。なぜなら、Windows 3.1のwin386.exeが、systemディレクトリにインストールされるようになったからだ。この問題の回避方法はとても簡単で、windowsディレクトリの方にあるwin386.exeを削除すればよかった。
A>del \windows\win386.exe
この他にも、DOS/V用のWindows 3.1をインストールすると、作業の途中でMS-DOSに戻ることもあった。Windows 3.1のインストールが、MS-DOS上でファイルのコピーを完了して、Windowsを起動しようとする直前で、起きる可能性が多く、「カスタムセットアップ」でディスプレイ解像度を指定することが原因と考えられていた。
ちなみに、当時のWindows 3.1が利用したハードディスクは約25MB。隠しファイルのスワップファイルが約15MB。今から考えると、信じられないくらいコンパクトなOSだった。
(著者:田中亘 wataru@yunto.co.jp)