Oracle Power Objects Ver2.0 "Dynamic" にリリース!
〜OPOV2機能紹介〜

日本オラクル株式会社 マーケティング本部 ビジネスシステム部 関 真夕美


 
 今年11月22日、遂にOracle Power ObjectsVer2.0が発売されました。昨年初めてV1.0が市場にでてから、約一年という時間をおいての待ちにまった出荷です。
 今回のバージョンは、従来のC/S型開発ツールの機能に加え、Webアプリケーション構築を可能とした機能が追加されて登場です。V1.0の機能をベースとし、ますますオープンかつパワーアップしたバージョンになっております。
 それでは、 "Dynamic" に成長したOracle Power Objects Ver2.0(以下OPOV2)の機能をご紹介していきましょう。

「対応プラットフォーム」
 まずは、OPOV2が稼動する環境についてです。V1.0でもオープンな環境を提供してきたOPOですが、V2.0では更にオープンに拡大した開発環境を提供します。対応するプラットフォームは以下のようになります。
−Windows環境
Windows3.1, Windows95, WindowsNT
−Macintosh環境
Macintosh 68K, Power Macintosh
16Bit環境に加え、32Bit環境もサポートしています。

「データベースアクセス」
 OPOV1.0からの特徴の一つとなっているデータベースアクセス。この機能もOPOV2から、更にアクセス可能なデータベースが拡がりました。
−Oracle7アクセス
まず、V1.0でもサポートされている、Oracle7データベースネイティブアクセス。OracleV7.3の出荷に伴いV7.3対応用のドライバー(POD)を提供。従来のOracle7から最新のOracle7までネイティブに接続可能です。
−ODBCアクセス
ODBCドライバーを搭載し、ODBC経由で様々なデータベースに接続することが可能となりました。この機能により接続可能になったデータソースには、
- Sybase System10
- Microsoft SQL Server
-Microsoft Excel 4.0/5.0
- dBase, FoxPro
- Paradox
などが挙げられます。
また、テキストファイルへの接続も可能です。

 

−Blazeからの移行ツール
OPOV2では、データベースの移行ツールが標準搭載されます。これにより、BlazeデータベースからOracle7へ、ODBCデータソース からOracle7、あるいは異なるODBCデータソースへといったように、 自由にデータベースを移行することができます。また、Wizardによってひとつひとつ順を追っていく形式ですので、非常に簡単に移行を行うことができます。

「イントラネット対応機能」
OPOV2の最も進化した新機能がこのイントラネット対応です。クライントサーバーシステムとWebシステムのそれぞれのメリットを取り入れ、より快適なイントラネット環境を確立することができます。
−Netscape Plug-in
Webシステムの中にC/Sシステムを構築します。
Netscape Navigator, IE, Power BrowserをはじめとするPlug-in対応のWebブラウザ中に、OPOV2で作成したアプリケーションを組み込むことが可能になります。C/Sシステムが得意とするトランザクション管理や定型処理を、そのままWeb上で利用することができます。この機能を利用することにより、既存のリソースを再利用しイントラネット環境を実現することができるのです。

 

−Power Browser ActiveXコントロール
C/Sシステムの中にWebシステムを実現します。
弊社が提供しているWebブラウザ、Oracle Power Browserへ対応したActiveXコントロールを用意しました。このコントロールを使用し、C/Sシステムとして構築したアプリケーション内に、Webシステムを組み込むことが可能になります。これにより、Webシステムが得意とするビジュアルドキュメント、サーバ間ハイパーリンク、メンテナンスの円滑などのメリットを得ることができます。
このように、存在する2つのシステムの融合−イントラネット環境を実現することにより、システム運営の円滑化、コスト削減を図ることが可能になります。

 

「開発環境」
環境設定をはじめとし、幅広い開発環境を提供します。
−SDIモード
従来までのMDIモードの環境に加え、SDIモードもサポートします。開発するデザイナー環境だけでなく、作成したアプリケーションもSDIモードのアプリケーションとして稼動します。これにより、メニューやツールバーを持たないSDIアプリケーションを作成し、ランタイム配布することができるようになります。
−環境設定シート
デザイン時の環境を設定できる“環境設定シート”を用意しました。
4つのカテゴリーに分かれており、格子の間隔や、プロパティシートの位置、保存パターン、コードのフォントなどを容易に変更することが可能になっています。
−プロパティシートの設定
各オブジェクトが持つプロパティ、メソッドを表示しているプロパティシートですが、このシートも様々なモードで設定することができます。 OPOV2から追加となったモードでは、複数オブジェクトの共通プロパティのみを表示する設定や、複数オブジェクトの全てのプロパティを表示する設定などがあります。この設定により、複数のオブジェクトの設定変更などを、よりスムーズに行うことができます。
またその他V1.0からのモードとして、メソッドとプロパティを分けて表示したり、記述されていないメソッドの非表示などもあり非常に使いやすくなっています。
−検索 / 置換
アプリケーション内の検索 / 置換が可能になりました。
使用している変数やオブジェクトを、全てのメソッド中検索し、置き換えすることができます。検索範囲の指定も可能です。変数名やオブジェクト名の変更に役立ちます。
−ソースコード出力
作成したアプリケーションをテキストファイルへ変換し、出力することができます。全てのコントロールのプロパティ、メソッドの値やコーディングが出力されます。
紙への印刷出力も可能になりますし、ビジュアルなデザイナー環境でのデバッグだけでなく、テキスト上でのデバッグも行うことができます。

「GUI」
ユーザインターフェースも拡張され、より快適な環境を提供します。
−オブジェクトブラウザ

 

作成したアプリケーション、ライブラリなどのオブジェクト全体を、アイコン形式の表示に加え、ツリー形式でみることができます。使用しているオブジェクト、コントロールなどの階層化がビジュアルに表示されます。
−コードエディタ
コードエディタが新しくなりました。プロパティシートから独立したウィンドウを使用し、コードを記述することが可能になっています。プロパティシート内へそのまま記述する、従来からの形式もあります。

 

−グリッドコントロール
標準コントロールにこのグリットコントロールが加わりました。データベースバインド可能なコントロールとして提供されます。V1.0から提供されております繰り返し表示コントロールと同じような機能を持ちますが、そのコントロールよりも更に機能を追加しています。垂直方向、水平方向のスクロール、実行時のダイナミックな列幅変更などが加わりました。ドラッグ&ドロップにてデータベースバインドする点なども、引き続きサポートされております。

 

「ActiveXコントロール」
V1.0ではOCXとよばれていたコントロールが、OPOV2からActiveXコントロールと呼び名を変え、更に数を増やして搭載されました。これらのコントロールを使用し、多彩なアプリケーションを構築することが可能になります。ここでは、代表的なコントロールをご紹介します。
−ファイルダイアログコントロール
ウィンドウの共通ダイアログ・コントロールに単純アクセスできます。
Windowsの共通ダイアログはファイルのオープンと保存に使われ、プログラマはどのダイアログをオープンするのか、どんなダイアログ・タイトルやフィルタを使うのかなどを選択できます。ActiveXにより、ダイアログの外観を完全にコントロールすることができます。
−通信コントロール
このコントロールを使うと、プログラマはCOMポートを通じてデータを送受信できます。
−タイマーコントロール
OPO内でイベントのタイムアウトを設定できます。タイマーは、事前定義済みの期間を経過すると起動され、定義されるまで動作します。また、一定回数だけ起動するようにタイマーを設定できます。
−デジタル・ビデオ(AVI)コントロール
このコントロールではWindowsのAVIファイルだけが再生され、定義済みのフレーム数だけ再生および停止、一時停止、再開、シークできます。
−MCIコントロール
このコントロールを使うと、プログラマはWindowsのマルチメディア・コントロール・インタフェース(MCI)にアクセスできます。ActiveXの制御を通じて、CDAudioやAVIVideoなどの各種デバイスを駆動できます。

その他のコントロールには、ツリー表示コントロール、Power Browser ActiveXコントロール、Crystal Reports ActiveXコントロールなど数種類のコントロールが用意されております。
製品版では、各コントロールを使用したサンプルアプリケーションにて紹介しています。

「レポーティング機能」
Crystal Report 4.5Jを搭載し、従来のレポート機能よりさらに機能を拡大しました。
サマリー・クロスタブ・ラベル・定型フォームの形式とり、容易にレポートを作成することができます。レポートのデザインをデザイナー上で設計し、ダイナミックに編集することが可能です。グラフも様々なパターンが用意されており、多彩なグラフを作成することができます。ドリルダウン形式も可能ですので、より詳細なデータまでもグラフ表示することが可能になります。
また、Crystal Reports ActiveXコントロールを使用し、OPOからの呼び出しを行うことも可能です。
その他、メールでの送信機能や実行形式のサポートなど、作成したレポートを幅広く活用できる機能も持ちあわせております。

「アプリケーション間連携機能」
−OLE Automationサーバ機能に対応
OLE Automationサーバに対応することにより、OLE Automationクライアントである他ツールからの利用ができます。現在、米Oracle社では、この機能を用いてOracle社のCASEツール、Designer2000からOPOアプリケーションを生成させることを計画中です。これにより、データオリエンテッドなシステムを、OPOアプリケーションで構築できます。
−外部プログラム起動
Shell, AppActivateコマンドがサポートされました。
外部プログラムの起動およびフォーカス設定用のコマンドを拡張サポートしました。従来は、WindowsAPI, CodeResourceを使用して実現していた機能ですが、標準コマンドとして提供されます。
「メソッド、プロパティの追加」
OPOV2ではV1.0をご使用頂いているユーザ様からの声を反映し、いくつかのメソッド、プロパティを追加いたしました。ここではその一部をご紹介します。
−パスワードフィールドテキスト
フィールドのプロパティに、Password, PasswordChrの2つのプロパティが新たにサポートされました。これにより、テキストフィールドにパスワード機能をもたせることができます。
−印刷時のダイアログボックス表示
印刷要求時に常時表示されていた印刷設定のダイアログを非表示にする、OpenPrintSilentメソッドを追加しました。レポート及びトップフォームの印刷用メソッドである、OpenPrintの拡張メソッドとして提供されます。
OpenPrintSilentはメソッドの引数に、必要な情報を指定することにより、プリンターへの直接印刷が可能になります。
−コントロールへのNULL値セット
IsNullableプロパティが追加され、Null値に対応するか否かを設定できるようになりました。
例えば、ラジオボタンフレームでこのプロパティをTrueに設定しておくと、中に含まれるラジオボタンのどれもがチェックされていない状態が選択可能です。
このプロパティが使用できるコントロールには、ラジオボタンフレーム,リストボックス,ポップアップリストが挙げられます。

その他にも、様々なメソッド、プロパティが拡張、追加されております。
「Oracle Power Objects Ver2.0 新製品版」
OPOV2の製品版は、プラットフォーム別に2種類の形態でご提供いたします。
−プロフェッショナル版
・Oracle Power Objects Ver2.0 for Windows (95/NT/3.1) 
 プロフェッショナル版
・Oracle Power Objects Ver2.0 for Macintosh(PPC/68K) 
 プロフェッショナル版
価格:\49,000
−デベロッパー版
・Oracle Power Objects Ver2.0 for Windows 95
   デベロッパー版
・Oracle Power Objects Ver2.0 for Macintosh
   デベロッパー版
*デベロッパー版には、PersonalOracle7が含まれます。
価格:\79,000

「OPOについての情報は...」
日本オラクル株式会社では、Oracle Power Objectsに関する情報をホームページをとおしてご案内しております。最新情報をはじめ、Q&A、トライアル版のダウンロード、Internet Journalなど、様々なOPOについての情報を取得することができます。
次のURLよりアクセスしご利用ください。
 【http://www0.oracle.co.jp/opo】


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