松倉会長の
業界キーマン 直撃インタビュー


 
ソフトバンク・エキスポ・ジャパン代表
新堀 進氏を訪ねて

 今回は、日本橋箱崎ビルにソフトバンク・エキスポ・ジャパン代表 新堀 進氏をお訪ねして、12月10〜12日に開催されるWindows NT INTRANET Solutionsを中心にソフトバンク・エキスポ・ジャパンの企画する各種展示会やコンファレンスについてお聞きしました。なお、セールス・ディレクターの属 正明氏も同席されました。
 

属ディレクター  新堀代表  松倉会長
 

松倉 まずソフトバンク・エキスポ・ジャパンさんの概要をお聞かせください。
新堀
 ソフトバンク・エキスポ・ジャパンには大きく四つの柱があります。一つ目の柱は、7月に行われましたNetworld + Interop(N+I)です。二つ目は、この12月に行われるWindows NT INTRANET Solutions(WNISと呼んでいますが)、三つ目は同じく12月の始めに初めて日本で行われるSEYBOLD、最後が来年4月に行われるCOMDEXです。
 年間を通じますと今年から来年にかけては大きく四つの展示会およびコンファレンスの柱があることになります。
 N+Iは、今まで3回行いまして日本でネットワークのインターオペラビリティ(相互運用性)を築き上げ、非常に社会に貢献したショウです。この7月も成功裡に終わりました。
 SEYBOLDというのはDTP関連のショウであり、米国ではもう13年位前からスタートしています。このショウではDTPやフォントのさまざまな標準が決まるという技術的にも新しいトレンドという意味でも先駆的な展示会でした。今後はDTP、フォントグラフイックだけでなくて、現在はインターネットがこれだけ出てきていますのでWebパブリッシングという所に重きをおいたショウになりつつあります。
 Windows NT INTRANET SolutionsはWindowsがこれだけ伸びていますので、ショウ自体も大きくなろうとしています。
 COMDEXは米国でもそうですけれど、非常にフォーカスされたショウです。コンピュータの流通チャネルに携わっている方々、或いはコンピュータインフォメーションテクノロジーを企業の中で決定する、或いは購入を考えられている方々、これら二つの層に焦点を当てた展示会です。どちらかというとフェスティバル的な展示会でなくて、ビジネスtoビジネスに重きをおいており、米国では大きなショウになっています。日本では4月にソフトバンク・エキスポ・ジャパンが開催するということで準備を進めています。

松倉 今年から名前がWindows NT INTRANET Solutionsと名前が変わったのですが、12月はどういう規模でやるのでしょうか。
新堀
 規模的には幕張メッセの三つのホールを使います。主に中味はイントラネット中心のビジネス展開になるだろうと思います。日本の市場でイントラネットが盛り上がるのは今年暮れから来年前半とよくいわれています。先立って米国で行われたWindows NT INTRANET Solutionsでもイントラネットが中心になって展開されていました。Windows NT INTRANET Solutionsだけでなく、アトランタで行われましたN+Iでもやはりイントラネットが非常に増えてきていました。
 従いまして、今度のWindows NT INTRANET Solutions Tokyoにおいては、ネットワークのインフラをイントラネット中心のビジネス展開という形でいかに見せるか、それとプログラミングの問題をいかに解決するか、これがまさしく提案できるショウではないかと思います。多くの企業がそこにフォーカスしてコンサル化した出展を企画しており、また、金融、製造、流通など産業別の事例紹介を紹介していただくような形になっています。
 目玉としてはWindows NTとイントラネット、この二つに焦点をあてたまさしく国内の今年最後のショウではないかと思います。

松倉 Windows NTという固有名詞があるのですが、顧客層から見たときに狭いイメージがあるのではないでしょうか。
新堀
 狭いというか、フォーカスしたショウにします。どちらかというとWindows 95で動くゲームとか、コンシューマ的な商品やソフトは対象としていません。といいますのは、今年のショウは、昨年のショウとは若干変えまして、クライアント/サーバー或いはBackOffice、或いはイントラネットというようなセグメントからの観点にフォーカスしたショウにしようとしています。その背景は、マイクロソフトさんのWindows NTが予想以上に出荷が伸びているということです。マイクロソフトさんの発表ですとWindows NTが毎月1万数千本出荷されており、企業の中でNTサーバーの占める位置というのがものすごく大きくなって、また重要な位置付けとなっています。我々もいろいろな企業さんに聞いてみますと、今後NTサーバーでのシステム構築というのが会社の中のIT部門やミッションクリティカルな部門では、基幹業務システムとして重要な位置付けになってきているということです。 我々としましては、Windows NTの今後或いはNT上でどうシステムが展開されるのか、更にインターネットの関連でイントラネットをどう企業の中で構築していくのかがお見せできる、あるいは将来像が見えるようなショウにしたいと思っています。
 米国で9月のはじめ、サンフランシスコのモスコセンターで、Windows NTとイントラネットに焦点を当てはめたWindows NT INTRANET Solutionsを開催しました。キーノートスピーカーとして、インテル社のアンディー・グローブ会長、Next社のスティーブ・ジョブ会長、それからマイクロソフト社のスティブ・バルマー上級副社長 、この3氏が講演されて、非常に好評でした。
 話の内容も今後のインターネット上での企業のビジネス構築、すなわちイントラネットということで、やはり米国もそういうトレンドに完全になっていますので、日本のお客さんもそういう話を是非聞きたいということで、我々も急遽今回の12月のショウではNT、イントラネットというところに焦点をフォーカスしてまいりたいと思います。

松倉 そうしますと、ターゲットはもう完全にビジネス情報部門の方ということですか。
新堀
 そうです。

松倉 今年の12月の方の日本の場合のキーノートの目玉はいかがですか。
新堀
 日本の場合の目玉はビル・ゲイツ会長にご登場頂くことになっています。講演場所は展示会場隣接のイベントホールで4000人を収容して行います。

松倉 Windows NT4.0の発表もこの時期と話を聞いていますが。
新堀
 マイクロソフトさんでも最大規模の発表と出荷をこの展示会に合わせていく予定だと聞いております。

松倉 今年は昨年と比べ出展社さんの層というのは変わっていますか。
新堀
 基本的には変わっていません。新しい顔ぶれといたしましては、財務系の企業さんがいらっしゃいます。そこでは、金融関係の部門で非常に面白い事例を発表していただけるのではないかと期待しております。それから、この業界の中でもインダストリー別の協議会の協力を頂き、インダストリー別にソリューションコーナーを設けWindows NTをベースとしてソリューションを提示していただきます。

 

松倉会長        新堀代表
 

松倉会長
 

松倉 出展社さんの数はどの位になりますか。
新堀
 昨年の場合はWindows 95の発表ということで、来場者の層が広すぎてしまったことも一部にありました。今年はシステム関係の方とか、ビジネスの方とかでフォーカスしていく予定です。今年は100社をこえる出展社になることと思います。また、4万人以上の方が来場することと予想されます。
 イントラネットの部門が急速に市場などでも興味が高まってきており、多くのビジネスユーザーは既存のネットワーク環境及びサーバー環境をどのように構築するか、プログラミングはどうするか、セキュリティーはどうするか、昨今のインフラ環境の伸びを考えますと、4万人という数字は全く現実ばなれした数字ではなかろうかと思います。

松倉 米国ではセミナーが中心で、展示との比率は6:4位と思うのですが、日本の場合は5:5位でしょうか。
 セミナーもやはり昨年同様にトラックを走らせております。展示会場の中でも教育的な観点からいくつかプレゼン的な場所、ないしはクラスルーム的な場所が数多く作られており、来場された方々はイントラネットの構築の仕方から様々な教育を体験することができるものと思います。WNTIS の会場ではソリューションというその名に相応しい展示会の展開になるであろうと思います。
新堀 セミナーの内容につきましては、米国でも人気のあったプログラムの中から特に人気のものを日本でも予定しています。従って、こういうところでもホットな話題が皆さんに提供できるのではないかと思います。講師の半分以上は米国の方を予定しています。今やはりWindows NTから見た話ですとか、イントラネットがらみのテクニカルな話ということになりますと、米国の情報というものが非常に重要になってきますので、そういうものも考慮したプログラム、セミナーの内容にいたします。

松倉 ソフトバンク・エキスポ・ジャパンさんのポジションは国内なのだけでしょうか。アジア圏での開催の予定はあるのでしょうか。
新堀
 日本のみです。日本だけで精いっぱいです。今まではN+IとWindows Solutionsが中心でしたが、それにSEYBOLD、COMDEXですとか、又いくつか予定されているものがあります。日本で開催されるイベントというのが多くなってきています。今後イベント自身が一般的な広く消費者を対象としたフェスティバル的なものも大切です。我々はもっとビジネスのあるセグメントにフォーカスしたショウというのもやっていきたいと思い、この一つがWNTISであり、COMDEXです。これらではそういうチャネル関連の方々或いはITの投資に係っている方々を対象としています。それからアメリカで非常に好評なJava(まさに開発者のためのコンファレンスですけれど)を多分来年位には日本でやると思います。
 それぞれのセグメントに合った一番適した方々が満足されるようなショウというものを展開していきたいと考えています。最終的にはその展示社さんに新しいビジネスチャンスというものがそこから出てくるのではないかと思います。

松倉 最近、各社さんイベントが多いですよね。一年通してずらっと並んで、その中で特色というのは先程お話されたターゲットを絞って、それを中心としてやるということですか。
新堀
 フォーカスしてやるということで、こういう展示会にはどういう人達がくるとか、こういう人達を呼ぶのでこういう展示をしませんかと、そうするとこういうビジネスチャンスが生まれますよ、ということを出展社の方々にお話しています。ただ単に5万人来ます、10万人来ます、或いは何百社出します、というような展示会はある意味で出展社さんが名刺だけもらって、じゃどれだけビジネスの話が次のステップに通じるの?ということになってしまいます。そうでなくて本当の次のビジネス展開に役立つような展示会にもっていきたいというのが、我々の役目だと思っています。

松倉 COMDEXはまだ先ですけれど、近くになりましたら別途お伺いします。SEYBOLD の方をもっと詳しく説明をお願いします。コンソーシアムの会員さんも多分聞いていないと思いますので。
新堀
 歴史的には、元々Jhon Seyboldという方が元々DTP、フォントの世界ではインフルエンサーというか、影響が大きかった人で、この人が主催をしたSEYBOLDコンファレンスというのが元々の始まりでして、それをソフトバンク・エキスポが3年前から担当することになりました。
 内容としてはDTP関係、グラフイックス関係、プリンティング、パブリッシング、最近ではインターネット上のWebパブリッシングという所が対象になっています。こういうコンファレンスの中で次世代のフォントの話などが議論されています。マルチメディアとかある意味では印刷プリントメディアに大きな影響を与えてきた技術的な先駆的なコンファレンスで、米国で13年くらいやってきて今回日本で初めて開催されることになりました。SEYBOLDニュースも発行しております。今年は有明で12月2日〜5日(展示会は12月3日〜5日)で行われます。

松倉 アメリカから見て日本のWindows Solutionsはどうですか。
新堀
 非常に高い評価を受けています。といいますのは、Windows NTは最初の頃は米国は静観し、日本ではかなり出ていたため日本のWindows Solutionsは昨年は盛り上がってきていました。今度は逆に今は米国の方がNTが実際じわーと盛り上がってきたという感じがします。日本では月1万数千本出荷されていますが、まだまだポテンシャル的には大きいと思いますし、今後NTが日本語での開発環境が整ってきますと、もっともっと大きくなるというふうに思います。

松倉 マイクロソフトさんもツールが遅いから困っていますよ。
 94、95年のWindows Solutionsは日本の方が非常に盛況で内容がむしろ充実していました。私もそれが念頭にあったもので、今年3回目を迎えるにあたり、今年はすごく場面が変わってきました。今回はインターネット、Windows NTと180度変わっていったといっても過言ではないと思います。
新堀 米国でのWindows Solutionsは非常に盛況であったという写真があります。米国の方は日本と違って最初の日が混むのです。日本では金曜日の3時過ぎには混雑しますが。驚いたのは、金曜日の3時過ぎまで人が来ていてそこは盛況だと思いました。スティブ・バルマー上級副社長のキーノートは非常にエキサイティングであのエネルギーにはびっくりします。

 

新堀代表
 

松倉 最後になりますが、会員の方へのメッセージをお願いいたします。
新堀
 まだご参加いただいてない会社さんはブースが足りなくなりますので、是非ご参加いただきたいと思います。コンソーシアムさんの送るWindowsキットにカタログを入れてご案内しております。
 今や世界中がWindows NTとイントラネットにフォーカスして、それぞれのOSがいかに共有、共生できうるかを立証する唯一の展示会ということですので、是非ご覧になっていただきたいと思います。

松倉 いろいろとありがとうございました。

 

*事務局より
秋日和の朝、日本橋箱崎の交差点に聳える箱崎ビルにお訪ねしました。
“Well Come Back”という業界の反応を受けて、ハードウェア、ソフトウェア、フットウェアと歩んだ経験をショウウェアでも生かしたいとおっしゃる新堀代表でした。



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