第2回交流会開催される


 第2回交流会が「七夕交流会」と銘うって7月7日午後4時から東京マリオットホテル錦糸町東武2Fレストラン「ベルカント」(東京墨田区)において28名の出席者により開催されました。常日頃より会員会社様から会員会社相互の情報交換の場を設けて欲しいとのご要望を多々いただいており、それにお応えして情報交換および親睦を深める場として第1回(4月28日)に引き続いのて開催となりました。松倉会長のご挨拶、乾杯のあと、Windowsコンソーシアム顧問の高橋三雄教授による「七夕交流会 パソコンソフトとともに」をテーマに教育、個人生活を豊かにする情報技術等のお話をお聞きし、またそれぞれ情報交換などが行われました。後半では、出席の方々が日頃からのWindowsに対する要望や質問を投げかけ、マイクロソフトの御代部長がそれにお応えする形でのかなり白熱した有意義な議論が行われました。

 出席された会社は、株式会社インタフェース、株式会社クレオ、株式会社翔泳社、総合オフイスサポート株式会社、ソニー株式会社、株式会社タジマ、蝶理情報システム株式会社、株式会社日経BP社、富士ソフトABC株式会社、マイクロソフト株式会社、リコーシステム開発株式会社、ロータス株式会社、株式会社ワコム、和田特機株式会社の各社です。 また、Windowsコンソーシアム理事・顧問として、松倉会長(富士ソフトABC株式会社)、大森副会長(株式会社クレオ)、高橋顧問(麗澤大学)の出席がありました。



■ 松倉会長ご挨拶


 今日は高橋先生のお話を交えながらの交流会ということですが、さきほどセミナーをしていただいたマイクロソフト様の講師の方もいらっしゃいますので、是非ともこういう時にいろいろな情報交換をしまして、是非とも皆さんのビジネスにプラスになるようなことをどんどんやっていただければと思います。
 さきほどのセミナーでビジオ2000の話がありましたが、私の会社でもネットワークの図を作るのに旧版のビジオを使っています。ビジオ2000の新しい機能として18000種類ものネットワーク機器図形の搭載があるということですが、旧版にはそんなにもなかったので、やたら探しながらやっていました。今度のビジオ2000には便利な機能がたくさんあり、使い慣れると非常にいいツールです。技術者の方は意外にこういうツールのあることを知らないので、是非普及させていきたいと思います。
 Windows ME関係では、今私が個人的に凝っているのはWindows Mediaプレーヤー7.0があり、ビデオをエンコードしてディスクに入れて映画を見ています。7.0から性能が大変よくなり、映像関係には非常にいいビジネスチャンスになるのではないかと思われます。Windows Mediaプレーヤー7.0は7月19日からWebからダウンロード開始ということですが、たまたまこの日は私の誕生日であり、そういう時に出るということはWindows Mediaプレーヤー7.0というのは私と非常に縁が深くなるのではないかと思います。
 昨今いろいろなテクノロジーが増えてきますが、そういうものをビジネスモデルを上手く利用して是非とも商売の一端を担ってもらえれば幸です。今日はいろいろなビジネスチャンスとなるいろいろなお話ができればと思いますのでよろしくお願いいたします。

■ 高橋顧問のお話

七夕交流会:パソコンソフトとともに

「教育、個人生活を豊かにする情報技術」というテーマで次のようなお話がありました。


 私はWindowsコンソーシアム顧問としてパソコンソフトの啓蒙普及にボランティア活動で貢献しており、広がりを見せるパソコンソフトの世界について毎月Web版Windows Viewに「最新Windowsソフトウェア事情」なる記事を書かせてもらっている。皆さんにはあまり読んでもらっていないと思うが、いつの間にか64回となり、いまも継続中であるのでこれを機会にPRしたい。今日取り上げる話題も「最新Windowsソフトウェア事情」の中からいくつかを私独自の電子ファイリングから取り出してお話したい。この電子ファイリングには私の関心のある記事なりWebなりの情報が入っている。


● シニアのパソコン活用
 最近の6月号では「シニアのパソコン活用」のテーマで図版を多く入れて書いている。

(第64回 http://shop0.fsi.co.jp/wincons/view/vol72/page06.html

 この中でパソコンの世界で話題になっているMP3をとりあげている。MP3はビデオ動画圧縮方式の一つであるMPEG1の音声部分を指す用語であり、ファイルサイズが小さいことから広く利用されている。このMP3とシニアとをいかにしてむすびつけたらよいかということで、そろそろ「人間の生き死に」に多少の関心をもたなければならないシニアにとって、最近のベストセラーCD付きの「瀬戸内寂聴著、痛快!寂聴仏教塾」(集英社、1,700円)を取り上げてみた。このCDには寂聴師が唱える「般若心経」と「特別法話」の実況が入っている。たえずパソコンと接していることが長寿の秘訣と信じている私にとって、寂聴師の「般若心経」そしてありがたい法話をパソコンで聴きたいと思うのは当然である。パソコンでどこででも「般若心経」が聴きたい、その願いをかなえてくれるのがMP3である。若者以上に老年者にとってこそ、MP3が大いに役立ってくれるのであるが、CDをMP3に変換するためにはCDフォーマットをMP3フォーマットにエンコードしなければならない。それがMP3エンコーダソフトの役割であり、今回はMP3 BeatJam(ジャストシステム社)によって「般若心経」をMP3にエンコードしてみたので、実際にパソコンで再生してみるのでお聴きいただきたい(「ゴーン、ゴーン」という鐘の音のあとに寂聴師の「般若心経」朗詠が始まる)。会場の外の人は何の集りかと思うかもしれないが、音楽「feel」にも直ぐ切り替えられる。MP3 BeatJamにはアルバム機能がついており、収録したMP3ファイルのリストから曲を選択して聴いたり、リストの中から好きな曲を選択したりして新たな曲集を定義できるので、私のアルバムには「般若心経」の他に、「feel」、「English Network」、「ピアノの練習」などが収録されている。「feel」はNHK特集『世紀を超えて』の主題曲や、同じく私の好きな番組、TBSの「神々の詩」の主題曲など、いわゆるリラクセーション用の曲が収録されたCDタイトルである。また、「English Network」は当然のことながら、いまなお修練を怠らない私の英語学習のCDであるし、「ピアノの練習」などはマスターしていつか皆さんの前で披露したいと思っている。

ここまでの、ポイントは、
 ・いかに老後を過ごすか
 ・いかに病気を克服するか
 ・そのためにパソコンは如何に役立つか
 ・何で英語が必要か
である。そういう意味で今日は役たつセミナーだと思う。

●私の電子ファイリング
 私は仕事柄、さまざまな情報を収集しようと努力している。最近では情報の多くはインターネットやCD-ROMデータベースから得られるが、新聞や雑誌記事もまだまだ無視できない。そこで電子ファイリング装置を利用していたのがVisioneer社のPaperPortである。この装置は2年前の時点でMPEG-1のビデオキャプチャーをかなり高画質で音もクリアに取り込む製品としてCOMDEXで賞をもらったりしていたので、非常に興味を持って、その帰りに早速CompUSAで購入したが、日本に帰ってきたら各社から同種の装置が発売されていた。これをパラレルポートにつなげて取り込んだのが先ほどのようなビデオムービーであり、今まで3台使いこなしたが今は使っていない。今は、IOデータのUSB対応のビデオキャプチャーMPEG-1とPCカードでノートブックに外付けハードディク27GBでDVをキャプチャーしている。

 米国COMDEXで「Tech B・ING(テックビーイング)」という雑誌に2年前からCD-ROMが付き、ハイテク分野の転職情報として技術系やコンサルタントのキャリアプランを支援する就職雑誌である。面白いのはアメリカで今どのような科学技術が進展しているかがMPEG-1のムービーで撮った数ヶ月遅れの動画情報がデモバージョンとしてそれぞれ3、4分入っていることである。290円の価格でしかもCD-ROMがついていたので、書店で手にしてしまった。CD-ROMにはキャリアシミュレータと称してみなさんの経歴を入力すると「いくらで買ってもらえるか」のシミュレーションができるソフトも入っている。最初に購入した98年11月号には「シリコンバレーのヘッドハンターが語る私が狙う日本人エンジニア」と題する特集記事が掲載されていた。皆さんにも興味のあることであろうが、その中で「秦社長」が狙われた一人として登場する。事前にさまざまな形で秦社長そしてFutureTel社について聞いたり読んだりしていたところに、COMDEXツアーの帰途、同社を訪問するという予定を見せられたのであるから、またまたの偶然に驚かされた次第である。なお、同社はCOMDEXにかなりの大きさのブースを開いていた。

(第47回 http://shop0.fsi.co.jp/wincons/view/vol55/page35.html

 私にとって先ほどの「般若心経」を含め、興味があるいろいろな情報が電子ファイリングに入っている。今日の話題はシニアであるから、シニアで頑張っていて、なおかつパソコンの世界に関係のある人としてノエル・マッキントッシュさん65歳を紹介したい。

●現在をいかに後世に伝えるか

(第45回掲載 http://shop0.fsi.co.jp/wincons/view/vol53/page35.html

 マッキントッシュさんはシドニーで「タイプクイック」という入力ソフトを作っている。趣味はテニス、1000本以上のワイン貯蔵とクラシックカーであり、1998年に来日して1933製のロールスロイスで3週間かけて東京を出発して、北海道、下へ下がって九州、四国へ渡って神戸からシドニーへ帰るすべてをこの古臭い車でできた。その様子をビデオムービーで見て欲しい。マッキントッシュさんのお土産として1830年3月23日付けの豚皮紙に印刷した契約書をいただいたが、何と170年前に作成された物でも十分に読めるのである。また、1933年のロールスロイス車も立派に走っている。彼が言いたいことは、古いものが今でも読め、走るということである。それにひかえ、今のものはどうであろうか、20年前のフロッピーディスクは読めるであろうか、また現在のCD-ROMが50年後に読めるかという保証はどこにもない。古いものをどんどんバージョンアップしながら古いものを捨てていっていいのだろうか。そういうことを彼は言いたかった。

1830年作成の豚皮紙の契約書

 彼はそういう話を全国の行き先々の学校で若い人に伝えるためにボランティアで講演して歩いた。「古いもの」と「ハイテク」の出会いということで、私が持っていたパソコン、プロジェクタ、GPSと地図ソフト、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、CD-R、DC/ADアダプタ、その他一切合財を3週間貸して古い車に積んで全国を行脚した。彼はそれを大変よろこび、それをシドニーに帰ったら「日本はこんなに進んでいる国である」ということを紹介したいということで、私が日頃から聞いている「English Network」をもとに英語で説明したのでそれをお聞きいただきたい。

●英語は大事である

(第61回 http://shop0.fsi.co.jp/wincons/view/vol69/page08.html

 私は大事な記事は絶えず電子ファイリングに収録しており、最近では4月16日の週間朝日に「英語力で出世が決まる」という大事な記事が載っていた。「トヨタは600点取らないと係長になれない。また、また2月22日の朝日新聞では「英語ダメなら昇進もダメ。日本IBMは来年3月から英語検定試験TOEICで600点以上取っていないと課長相当職に昇進できなくする。次長相当職になるには730点以上が必要だ・・・4−6月からはインターネットを活用した社員向け英語教育も始める・・・TOEICを実施している国際ビジネスコミュニケーション協会によると、600点は多くの企業が戦力とみなす英語力で、730点はどんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている水準。大卒新入社員の平均点は440点といい、600点に達するには相当の努力が必要になりそうだ」と。
 今まで私は何度か英語力の重要性を強調してきた。しかし、それでもなかなか語学力の重要性について理解を得ることができないので98年8月の週刊朝日の雑誌記事を紹介して「21世紀に向けて、パソコン、英語そして統計学」が勝ち組になるための必須の条件であることを強調したのであった。ということで、今回もあらためて英語学習や英語の情報に対処するためのパソコンソフトを話題にしたい。語学学習の出発点は「聞く」と「話す」であろう。日本人の多くは10年間も勉強しているのに、どうして英語を聞くことも、話すこともままならないのだろう、まさに世界七不思議である。


● 110年の歴史を手のひらに
 パソコンがあるおかげで過去の歴史を振り返ることもできる。一つの例として第50回で書いたが1997年のCOMDEXの帰りに購入した「National Geographic Magazine」があるので紹介したい。

(第50回 http://shop0.fsi.co.jp/wincons/view/vol58/page09.html

 「National Geographic Magazine」の創刊は1888年創刊であり、延べ1500冊の月刊誌のすべて(広告ページも含めて)がCD-ROMに収録されている。これが何と2万円の価格であり、多くの人が共有するから可能となった。1193年のアイスマンがアルプスの山中で見つかった記事がCDに入っているので雑誌記事とともに参照して欲しい。
 また、2000年版「知恵蔵」の付録にCDがついており、百数十件の記事が入っている。この中には、建国記念日2月11日の意味や関東大地震で朝日新聞の臨時発行態勢のニュースなどが収録されており、過去の記事を振り返ることができる。最近、インクリメントP社から出たパッケージ「朝日新聞で読む20世紀」、「らくらく自分史」を使ってパソコンによる個人生活を豊かにすることができる。
皆さんからソフトをご提供いただければ、このような形でどこにでも紹介することができるのでよろしくお願いしたい。

●最後に
 6月25日の日経新聞に「転職市場常識のうそ」という記事があった。
転職に際して、何を身に付けたらよいかということで、人事部門の人が重視する項目と言っているのは、
1位 コミュニケーション、
2位 特化した専門知識、
3位 新しい技術への対応能力、
4位 自己投資能力・学習意欲、
5位 責任能力、
6位 技術分野
であって、重視しない項目として、最終学歴、専攻学科をあげている。

 松倉さんがおっしゃったように、皆さんは「ビジオ2000」を使ってコミュニケーション能力の不足をコンピュータで補うという恵まれた道具をまわりにお持ちなので、素晴らしいプレゼンテーションをしてもらえると思う。次回には聞く一人として是非皆さんのお話を聞かせてもらえることを期待している。