活動報告


● 第101回セミナー実施報告 (マルチメディア委員会主催)

日 時:平成11年12月9日(木) 14時00分〜16時30分
会 場:東京工科専門学校ICA/テラハウス・テラホール(東中野)
出席者:38名
テーマ:『IEEE1394のパソコン搭載の今後と周辺機器開発技術と応用ソフトウェア製品』
構 成:
 ご挨拶 住友金属システム開発株式会社 商品事業部長 達脇 正雄 様
 第1部 基調講演 「IEEE1394の世界と今後」
     富士フィルムマイクロデバイス株式会社 取締役 益金 和行 様
 第2部 技術講演 「IEEE1394技術説明と周辺機器への応用」
     富士フィルムマイクロデバイス株式会社 設計部
     IEEE1394プロジェクト システムサポート 西川 哲夫 様
 第3部 応用ソフトウェア製品説明
     (1) 「VideoWaveを利用したデジタルビデオ編集」
      MGI Software社
      VideoWaveプロダクトマネージャ デビッド・ルビンスキー 様
     (2) 「VideoStudio3 DVを利用したデジタルビデオ編集」
      ユーリードシステムズ株式会社
      システムサポート マネージャ 松延 俊英 様
     (3) 「高画質MPEG2ソフトウェア・エンコーダ」
      カスタム・テクノロジー株式会社
      マルチメディア事業部 取締役事業部長 大田 明 様
     (4) 「IEEE1394SDKキットの利用と販売について」
      住友金属システム開発株式会社
      ソフトウェアプロダクト部 プロジェクト担当部長 平里 守人 様

 今回のセミナーは、第11期セミナー開催希望募集に対し住友金属システム開発株式会社が応募・企画して開催されたものです。Windows 98 Second EditionがIEEE1394に対応したことにより今後のIEEE1394の世界は大きく広がろうとしており、そのハードウェアとソフトウェアに焦点を当てて、技術的内容、背景、応用例をそれぞれ専門に開発・担当している各社からご説明いただきました。特に、住友金属システム開発株式会社の平里守人様には、企画全般をご担当いただき、このようなIEEE1394に関する総合的なセミナーを開催できましたことに感謝申しあげます。

第101回セミナー会場

 総合司会は住友金属システム開発株式会社の山本様により行われました。
 はじめに、住友金属システム開発株式会社の達脇正雄様から次のご挨拶がありました。


 本日のセミナーでは、高速のシリアルバスインターフェイス規格であるIEEE1394について、まず、富士フイルムマイクロデバイスの益金取締役から基調講演をいただき、その後、技術講演ならびに1394に関係する商品説明を各社からしていただく。私どもは1394の今後の発展性に注目しており、富士フイルムマイクロデバイスさんの協力を得て、SDKの販売等を手がけている。そういうこともあって本日のセミナーを企画させていただいた。セミナーの最後には、質疑の時間を設けてあるので、ご感想または忌憚のないご意見等を聞かせていただきたい。

 第1部の基調講演では、富士フイルムマイクロデバイス株式会社の益金和行様から 「IEEE1394の世界と今後」についてお話いただきました。


 ここにおられる多くの方が、どうして富士フイルムマイクロデバイスがIEEE1394の基調講演をするのか、というところについて疑問に思われると思うが、これから「1394の歴史的な背景」、「USBとの比較」、「今後の展開」、そして最後に「私が考えている夢のようなもの」をお話する中で我々のポジションについてもお話したい。

○歴史的な背景
 この1394は、当初P1394という形でApple社を中心に規格が練り始められた。今から4、5年前になるが、従来のAppleTalkの高速シリアル版という位置付けで、マイクロティーナが中心になり開発を進めていた。当社のメインのビジネスは、現在市場が立ち上がってきているメガピクセルのデジカメのCCDや、信号処理、メモリ書込みのデバイス、デジタルサラウンドのデコーダのIC、DVDのデコーダのICなどを扱ってやっている関係で、マルチメディアを進行する中でどうしても簡便なインターフェイスが欲しいと探求していた。そういう中で、たまたま当時Appleの研究室の片隅でまだ日の目を見ない状態で開発を進めていた技術を見て、これは話通りであれば、夢のインターフェイスになるなということに着眼した。かれこれ一番最初から開発しているので長い年月かけて、今日Macでも採用され、Windows 98 SEでも標準サポートされるという、いよいよ本格的に夢に見たアプリケーションの使われ方ができるようになってきたというところで、私自身非常に感極まる思いである。
 一番最初にAppleTalkの関りという形で始まったが、業界で最初にこれを実用化したのがソニーさんであり、DVでのダビング端子的な使い方として採用されたのが一番最初である。これがあったからこそ、今の1394が発展をとげてきたと思う。その後、ビル・ゲイツ会長がWindowsでUSBと並んで1394を今後の標準のインターフェイスであると明言して、PC業界でも1394に対して真剣に取り組んできた次第である。
 PCと別にこの1394の特長は、最初のアプリケーションはデジタルカムコーダーのところからスタートした。我々にとって、マルチメディア、AV関係のお客さまが大変多く、PCを全然使わないところで独自に1394が使われ始めているという立ち上がりも見せている。一つの例が、mLANあり、もう一つの例が今、衛星放送が始まっている中でセットトップボックスとデジタルでのストレージ、この辺のところで1394の採用が進んでいる。今後はDVDオーディオでも採用が進んでいく、という形で必ずしもPCおよびPC周辺だけでなくマルチメディアのところで発展をとげてきている。最近はPCでも1394を搭載したハードディスクという形で、真のPlug&Playができるような形になってきている。

○これからのPC周辺
 現行のUSB、今後入ってくるUSB2で高速化する中で、USBは基本的にはパソコンに直結した周辺機器という切り口で今後も発展していくと思う。1394は、共有するプリンタ、共有するスキャナ、共有するハードディスクなどはバスにつながって共有できるリソースという形、それからDVD、セットトップボックス、MIDIのオーディオというAVとパソコンの接点としてのインターフェイス、それからゲーム、ビデオを扱ったドアホンとかセキュリティ、こういうものをネットワークとしてサポートできる高速のシリアルバスと位置付けできると思う。

○富士フィルムマイクロデバイスにおけるシステムICの設計指針
 当社では今までどういう方針でやってきたか、今後どのように進めていくかというと、我々のところはベーシックにはシリコンのデバイスメーカーである。ただこの1394を普及させる中で我々は1394に必要なファームウェアを自社開発してお客さまに提供してきている。また、いくつかのアプリケーションの雛型を作ってお客さまに提供してきている。一般的なデバイスメーカーよりは1394にかける意気込みというか、夢に基いて進めているので、いわゆるシリコンメーカーよりは一歩踏み込んだところで進めている。今回住友金属さんといろいろ協力させていただいているのも、シリコンのデバイスだけではなく、パートナーを組みながらソリューションの普及のために役に立っていきたいというところで進めている。
 一つはPCの周辺機器としてリソースをシェアするプリンタ、カメラ、スキャナ、ストレージというところに向けたデバイスを開発しており、既に商品化しているものもある。
 コンシューマ用途としては、デジタルのミュージック、セットトップボックス、それから所謂コンシューマレベルでのカメラ、プリンタに向けたデバイス開発を進めている。
 非常に馴染みが少ないところでは、特殊分野(業務分野で一般のお客さまにはほとんど使っているのが解らないという部分)では既にゲームショップで一部のメーカーさんがアーケードゲームで使っていたり、対戦型のゲームに使っているものがある。また、機器の中でクローズした形でスキャナとプリンタがつながれている、これがオフィス用のプリンタであるとか、デジタルの写真ラボシステムであるとか、そう中でクローズドした形で、いつでもPC環境につなげられるような形で準備した形で使われ始めている。
 それから各デバイスに関しては、上にあげたようなアプリケーションではPhy(物理層)の分離するか一体化するかというところで、今業界がいろいろなアプローチをとっているが、これは我々サイドから見るとケースバイケースということで、電源分離、破壊の問題がないものについては一体型、非常にそういう心配ある場合には分離型、コストの点に関しては物理層のデバイスはアナログの高周波のデバイスでなかなか新しい最先端のプロセスにポーティングしていくことは非常に手間がかかる。ポーティングしたとしても接続性のチェックを全部していくということには非常に時間がかかるので、システムLSI的なものは最先端のプロセスで作り、アナログは別に残しておくというアプローチも一つの考え方であると思っている。
 我々が今までやってきたことは、各社の1394 OpenHCIというのは最先端に立って各メーカーさんと接続性のテストをやらせていただいている。そういう意味では非常にご安心いただける。もう一つは物理層のデバイスに関しては、コンプライアンステスト、プラグテストにも積極的に参加して、その中でほぼ業界における標準的なデバイスという位置付けで評価いただいている。

○1394の今後
 一つの大きな流れとしては、AV分野ではデジタル放送の追い風があると思う。デジタルTVになってくると、ストリームが全てMPEG2という形で入ってくるので、それで中でどう配信するか、どうストレージするか、どうエアチェックするか、というところでもう既にセットトップボックスで進み始めているものがより有機的な結合という結果が一つの追い風である。
 もう一つは、現在の1394の規格は、もともとあったレガシー1394規格の次の1394a規格で、200Mbps、400Mbpsという形できている。来年度は我々もサンプルを出していくが、いわゆる1394b規格という形で一番低い所で800Mbps、その次にはギガのタイプになってより高速化していく。それから1394の場合、今400Mbpsで4.5mとケーブルの長さが制限されているが、長距離間のリクワイヤメントに対しては既にプラスチック光ファイバー(POF)用のアプリケーションでいくつかのトライアルもしてきている。今後は光ケーブルでロングディスタンスということで、来年あたりから800Mbpsという形が準備されてくる。こういう形を経ていわゆるSOHOから一般家庭の中に1394インターフェイスが当り前のように使われる時代がくると思っている。
 また、1394の特長として、Macでも採用され、Windowsでも採用され、新しいOSでも採用されているようにOSにインデペンデントであると、それとOHCIを含め非常に標準化されているというところで今までのインターフェイスの中では極めて稀なインターフェイスだろうと思っている。
 1394の特長を活かしたパソコンでのリソースの共有という点では、ビデオランとかビデオメールという形で、個々のPCについているカメラは1394でパソコンに接続されているというイメージであり、パソコン側について一切新しいことは何もしなくてもいいという、1394のコネクタの上でカメラをつなぐだけでよいし、電源ももらえる。新しい別のPCIのブリッジ、或いはビデオは一切いらないと、という形である。
 PCとPCをつなぐのは1394でもいいし、既存のLANでもいいし、外に持っていくときはイントラネットでなくインターネットでつなぐという形で、これはオフィス内で考えるとビデオのランになってくるわけであり、オフィス間で考えればリアルタイムであればテレビ電話、リアルタイム性を無視すればいわゆるビデオのメールになり、JPEGのファイルを添付する代わりに気軽にビデオのメールを添付した形で使えるようになる。
 我々はこのようなところのデバイス開発をこれからいろいろなメーカーさんと協力して進めていこうと思っているが、デバイスは一つの解であり、もう一つはソフトウェアがここに介在することによってあるアプリケーションがより具体的により高速にエフェクティブになってくると思っている。
 将来は、家庭間がビデオだけでなくこのようにつながっていろいろなアプリケーション、いわゆる家庭と家庭がつながる、老人の在宅のところが、例えばナースステーションから必要なときに安全性をチェックできるとか、ICUのモニターをナースステーションでチェックできるとか、いろいろ世の中に役に立つアプリケーションの方につながってくるのではないかと思っている。私自身がそもそも富士フイルムで画像を扱っている関係上どうしてもアプリケーションが画像よりになっているが、このようないろいろな使われ方がこれから出てくると、従来あるいわゆるアナログのビデオカメラ、PCカメラ、USBのカメラに対して、1394というカメラが普及してきた時にどういうアプリケーションが考えられるかというところで、一つの例として紹介した。

○最後に
 1394について既に使っておられる方、まだこれからという方もおられると思うが、とにかく非常に可能性を持ったインターフェイスなのでとにかく一度使ってみて欲しい。我々サイドもいろいろサポートできますし、今回のキットを使ってみるきっかけになればと思う。いろいろなものをとにかくつなげてみて、アプリケーションをいろいろと考えていただきたい。ロングディスタンスでない、いわゆるネットワーク、インターネットなり、イーサネットなどいろいろある中で、こういうものが(某メーカーさんは1394がグループネットワークであると言っているが)短距離におけるネットワークとして非常に高速なものが簡便に使えるというところで、短距離のイントラネット用と考えていただけるのではないかと思う。

 第2部の技術講演では、富士フイルムマイクロデバイス株式会社の西川哲夫様から 「IEEE1394技術説明と周辺機器への応用」と題し、デバイス設計の立場から1394の技術説明と、パソコンを中心とした周りに実際に周辺機器を作られているお客さまの方で現在どのようなアプリケーションの展開が進んでいるかについて動向的なお話がありました。
 お話の内容は、(1)IEE1394の特徴、(2)AsynchronousとIsochronous、(3)IEEE1394の応用範囲とプロトコル、(4)1394 OpenHCI、(5)各周辺機器説明、(6)1394周辺機器のねらい、(7)当社の取り組み、(8)今後、についてです。


 (1) 現在、正式にIEEEにて承認されている規格は1394-1995であるが、よりパフォーマンスを向上したIEEE1394aに機能拡張されている。現時点では400Mbpsまで製品化されており、今後800Mbpsへと展開され、高速/シリアル通信である。通信にはAsynchronousとIsochronousの2種類の異なる手段を持っている。これにあったアプリケーションの製品化が行われ、またパソコンの介在しない世界(DVCRとDVCRでコピーするなど)でも1394が使えるメリットもある。

 (2)Asynchronousは、非同期転送と呼ばれ一般的なデータ転送を行うためにデータの保証を行うモードで、1対1の通信で相手方とデータの受取りを確認しながら通信する。Isochronousは、定期的(125μsec)にブロードキャスト的にデータを行うためのモードで、データにチャンネルの識別子を付けて送り、受信側は希望するチャンネルを選んで受信できるが、TVの放送と全く同じでデータは送りっぱなしである。受け側がエラーになったらエラーのままでどうしようもない状態になっている。

 (3)Isochronous の応用範囲としては、mLAN(電子楽器関係)、DV、デジタルカメラ、MPEG2、SetTopBoxがデータを使ってデータを転送し、コマンド系は通常のAsynchronousであり、メインのファンクションはIsochronousである。Asynchronous系がメインと考えられるのは、HD、CD-RW、MO、プリンタ、スキャナである。
 また、Isochronous系のプリンタ、スキャナもある。どちらかというと、Asynchronous系はコンシューマ、Isochronous系はパソコン系に分かれる形になっている。
 Isochronousプロトコルとして、 DV、MPEG2、mLAN、Digital Camera Spec.、また、Asynchronousのプロトコルとして、SBP-2、DPP(Direct Print Protocol)、IICP(Industrial and Instrument Control Protocol)についての説明とその応用のお話が動向をまじえて行われました。

 (4)1394 OpenHCIは、PC上での1394インターフェイスの標準化であり、IEEE1394-1995 and P1394a準拠、プロトコルに依存したハードウエアは実装していない。

 (5) では各周辺機器としてストレージ、AV、SetTopBox/D-VHS、電子楽器、プリンタ/スキャナ、その他(GI-IBで構成されるような工業計測に用いる装置の1394、Repeater/Hub:1394のリピィーティングする装置)について、図解によるデータとコントロールの流れ、プロトコルの説明が行われました。「プリンタ/スキャナ」では、SBP-2を実装したものが開発されており一部商品化されている。また、DPPの実装も商品化されている。プリンタ/スキャナをWindowsパソコン接続して通常使うものは、SBP-2のプロトコルを実装してデータ、コントロールともにAsynchronousで行われる。また、一部プリンタとスキャナだけで動く(スキャナからプリンタにデータを送る)ダイレクトプリントのもの(パソコンにつないで制御もできる)は、DPPプロトコルを実装しデータがAsynchronous/Isochronous、コントロールはAsynchronousで行われる。

 (6) 今1394が動いているのはAV系、ストレージ系、工業計測などであるがどうしても1394はUSBとの比較になる。USB2.0で480Mbps、1394で400Mbps次が800Mbpsであるが、その住み分けをどこにもってくるかによって周辺機器にどう応用されていくかになる。デバイスを開発している私自身の立場としてお話するが、次の3つとも1394とUSBはやれることは同じである。
 ・ つなげたい時につなげ、終わったら外す。
 ・ 面倒な設定は不要。
 ・ 電源もものによってはケーブルから給電してもらって動くので、余計な電源は要らない。
 どこでUSBと住み分けしなければいけないかというと、1つは1394の400MbpsはいずれUSBの480Mbpsに抜かれるが将来800Mbpsと高速な転送が可能なことと、一番大きなところはパソコンだけでなく民生機器との融合であると思う。民生機器をUSBで全てつなぐということは聞いていないので、どちらかと言うと1394でデジタルTV関係、SetTopBox、DVDなどの民生機器とつなぐ手段として1394の部分が出てくると思う。スタンダードで動くプリンタ/スキャナのようなところに1394が残り、単純な普通のプリンタなどはUSBでまとまっていくのではないかと考えている。

 (7)富士フイルムマイクロデバイスでは、Phy向けに3製品(1394-1995 200Mbps 3-portPhy、P1394a 400Mbps 3-portPhy、P1394a 400Mbps 2-portPhy)、Link(周辺機器向け)に、3製品(Isochronous の機能重視形、Asynchronous/Isochronous機能の汎用形、Responder機能の特化形)+カスタムチップを出している。どちらかというと、周辺機器のスキャナ/プリンタ、カメラ、電子楽器といった方面でのPhyとLinkといった形で取り組んでいる。

 (8)IEEE1394の今後として、高速化/高機能化(800Mbps、1.6Gbps、3.2Gbpsは避けられない。銅線、光ケーブルによる長距離化。Bridge、Routerの製品化が進む)、民生機器としてさまざまなデジタル家電と呼ばれる部分に浸透、また、パソコンベースでは単純なI/OではなくてAsynchronousの部分でリアルタイム対応のデータを送るとか民生機器とつながった実作業の特長を生かした周辺機器が今後出てくるだろう。それがUSBとの住み分けになるのではないかと考えている。
 周辺機器の部分で今後どうなっていくかはかなり難しいものもあるが、DVのカメラが実際に世の中にあるからその部分での編集とか、今後マスストレージ関係、スキャナ、カメラ、音楽関係とパソコンで扱うデータが益々増えていくと思われるので1394を使った製品も増えていくだろう、と結ばれました。

 第3部 応用ソフトウェア製品説明では、各製品について、4社の方から説明がありました。

セミナー会場(2)

 (1)「VideoWaveを利用したデジタルビデオ編集」では、トロントから昨日深夜に着いたばらりのMGI Software社VideoWaveプロダクトマネージャのデビッド・ルビンスキー様からVideoWaveソフトについて、デモをまじえてお話いただきました。MGI社の紹介と通訳はライブピクチャージャパン株式会社の田口様により行われました。


 MGI社はトロントに本社があり、フォトレータッチソフトPhotoSuiteを販売しており、世界でのシェアがOEMも含め約40%である。本日は画像処理ソフトVideoWaveを紹介する。VideoWaveはコンシューマサイドのマーケットでは世界でもっとも大きなシェアを持つ。
 VideoWaveは軽快・簡単操作のPCビデオ編集ソフトであり、ビデオ編集の初心者でも操作がしやすいインターフェイスを持ち、パワーユーザーでも満足できる豊富な機能を備えて。パーソナルビデオ編集ソフトとして利用できる。特にIEEE1394対応によるデジタルカムレコーダーのPC上でのコントロール機能を標準添付しており、最先端であるデジタルソースの編集が簡単に行える。本日のセミナーではVideoWaveの持つ2つの点、「簡便性」と「非常に強力」についての説明と、セミナー会場をビデオ撮影した画像をもとにさまざまな編集のデモが行われました。

 (2)「VideoStudio3 DVを利用したデジタルビデオ編集」では、ユーリードシステムズ株式会社松延俊英様から、プラットフォームに依存しないVideoStdio3 DVを利用してのデジタルビデオからのキャプチャ、編集、カメラへの書き戻し作業とその可能性について、デモをまじえてお話いただきました。


 (3)「高画質MPEG2ソフトウェア・エンコーダ」では、カスタム・テクノロジー株式会社大田明様から、マルチメディアの素材保存に欠かせないMPEG2エンコーダー、当社独自のアルゴリズムに基づき、高速処理・高画質化をソフトウェアで実現した画期的な製品の紹介とデモがありました。


 (4)「IEEE1394SDK(System Development Kit)キットの利用と販売について」では、住友金属システム開発株式会社の平里 守人 様から、今後急速な広がりを促進するためにSDKキットの提供とTCP/PIドライバーなどの各種ドライバー提供についてお話いただきました。


 IEEE1394SDKは、1394の持つ高い技術要求をリファレンス・デザインにて実現・具体化するものであり、既に機能が実証されている回路データ、物理的基盤レイアウトが添付されているため、より確実に1394-PCIボードの開発・設計を行うことが可能である。本キットからOEM/ODMでの商品提供プログラムも各種用意している。

 ここで出席の方々からのアンケートによるご意見を紹介します。
 第1部では、「もう少し飛躍したアイデアが見たかった」、「タイトルにあるような大きい枠の話をうかがいたかった」、「ありきたりな内容で、多少物足りなかった」。
 第2部では、「うまくまとまっていて理解しやすかった」、「解りやすい説明であった」、「時間が予定より短かったのが残念。話の内容は満足できた」、「予めある程度の技術知識を要する」、「1394をもっと全体的に平易に説明していただきたい」、「もう少し技術的な説明が欲しかった」。
 第3部では、「何ができるのか一覧が欲しかった」、「ビデオ関連ではコンテンツ制作会社に有用と思う。一般にはまだ敷居が高いか」、「いろいろな製品を見ることができてよかった」、「SDKキットは有用と思う」。 セミナー全体としては、「全体的に解りやすく、とても聞きやすい内容だった」、「技術的内容、背景、応用例とバランスがよい。応用例がビデオに偏っているのはIEEE1394の現状を示している気がする」、「個人的には技術情報を期待していたので製品説明は満足、面白かった」、「もう少し技術的な話(DVのコントロールなど)が聞きたかった」。
 今後の希望するセミナーとしては、「引き続きこの分野の情報を入手したい」、「この分野でもっと技術的な部分に突っ込んだセミナー」、「PCIバス、FPGA、ASIC等」、「USB、USB2も1394同様なセミナーを」、「IEEE1394、USB等のソフトウェア開発、ドライバー開発」。
 多くの有意義なご意見をいただき、ありがとうございました。