Windows よもやまばなし

富士ソフトABC株式会社 厚木事業所
主任  田頭 喜登



ポストY2KはWindows 2000・Linux!!

○Windows 2000・Linuxで仕事は増える?(うれしい悲鳴?!)
 西暦2000年問題(Y2K)対応でパソコン業界は少なからず潤っている昨今、急激な円高による不況も予想されポストY2Kとして何にターゲットを絞るか各社いろいろな思惑を持たれている事と推察します。
 このような状況下でWindows 2000とLinuxはもっとも期待されるポストY2Kだと個人的には思っております。Windows 2000についてはNT3.51からNT4.0への移行時のように簡単ではなくWINSからDDNSへの移行をどのように客先に提案するべきか、旧ドメインから新ドメインへの移行や共存ポリシーをどう提案するかなど商売ネタには困りません、Linuxについてはインターネットの普及でサーバ需要が期待されています。
 ついでに政府が2000年にサマータイム導入を決めてくれれば内需拡大で良いことずくめかな??。

○Windows 2000ドライバの新機能は結構便利、だけどまたまた階層が複雑になった!
 これはWMI(Windows Management Instrument)のことを指しているのですが、WSHスクリプトでドライバ階層にアクセスできるという点ではシステム管理者に強力?な武器が備わったというべきかでしょう、なにせNT 4.0時代にはDriver階層の発する意味不明のシステムエラーイベントに泣かされ続けたわけですから。
 気になる点はこの機能は各ドライバにWMIクラスがインプリメントされている場合にだけ利用できる機能だという点です、なるべく多くの周辺機器/ボードメーカがこれをサポートしてくれるとありがたいですね。
 逆説的な表現ですが、ドライバ開発会社はこれで商売ネタが1つ増え業界としてはWelcomeだと思います。
 ドライバについてはこのほかにWin32 Driver Model(WDM)構想というのがありますね。WDM方式を採用する事でWin98とWindows 2000の両対応Driver開発が可能です。今までは別々に開発する必要があったものですがこれで開発費用は半分ですむ、その分仕事が減ってしまいうれしいような悲しいような・・・。

 少し前にLinuxのDevice Driver構造について調査した事があるのですが、Windowsと違いLinuxのDriver階層は極めてシンプル、このような構造では多くの場合これを利用するアプリケーション開発に負担がかかってしまう恐れがある点とデバイス操作を共通化するインターフェイスを統一する事が難しくなるものと感じています。(みんなが勝手にインターフェイスを作ってしまい収拾がつかなくなるかも)
 たとえばLinuxの印刷処理においては、PSプリンタを設置してしまう方法とゴーストスクリプトを利用する方法が一般的です、しかしこのゴーストスクリプトの規格策定は誰が責任を持つのでしょう?
 Linux上のアプリケーション開発者は印刷処理設計を決める場合ポストスクリプトレベル2にすべきかレベル3にするのか、フォントはだれが作るのかなど決めにくい点も多いようです。(最近はPSレベル3と言う表現はしない事になったのですね)
 階層が複雑化しどうにもならなくなる可能性を持つWindows系と構造は簡単だけど何でもかんでも一から決めないといけないLinuxは本当に対照的ですね。
 Linuxについては幸いなことに各種コンソーシアムや個人・団体が率先して協調しあう雰囲気がありますからあまり心配は要らないかもしれませんね。

○ダイナミックディスクについて
 UnixやLinuxに昔からシンボリックリンクという機能がありましたが、Windowsにはありませんでした、今回Windows 2000に織り込まれたこの機能により、HDDの各パーティションはドライブ/ボリュームのフォルダとしてマウントできるし、マウントするパーティションのファイルシステムはNTFSでもFAT32でもOKという具合に利用者にはかなりフレキシブルで便利ですね。
 このようなボリュームをバックアップしクラスタリングするシステムの設計構築方法は当然従来と違ったものとなるでしょう。

○Active Directoryについて
 ディレクトリサービスについては何かと貧弱感のあるWindows NTですが、Active Directoryの出現でやっと一人前?になったかなとの感想です。
 ノベルのNDSなどと比較するとまだまだ改良の余地も多いものですが、今までのNT 4.0でも十分にNDSに対抗しシェアーを伸ばしたMS社ですから、今後製品化までにBug Fixを十分に実施していただきたいものです。
 私的には、NDSだろうがActive Directoryだろうが何でもかまわないわけです。
 客先の要件を満たすことができればそれでいいと考えています。バグのお陰で苦労だけはしたくないとの思いはどなたも同じだと思います。(といってもまだ私自身、Active Directory構成は試しておりませんので大きな事はいえませんが・・・)

○Windows 2000 RC1(Professional英語版)導入失敗事例
 IOI-9200UWRというSCSI-RAIDコントローラは比較的安価に入手できる製品なのですが、これはWindows 2000 HCLリストにも記載の無いサードパーティ製品です。
 ”何とかならないだろうか”という思いでNT 4.0版ドライバのinfファイルをWindows 2000形式に書き直して導入実験したのですが結果は"NG"でした。
 その後のDDK資料調査からNT 4.0 DriverをWindows 2000 Driverとしてそのまま利用することはできず、たとえソースコードをNT 4.0のまま何の変更もしない(つまり新機能はサポートせず)としてもカーネル自体かなり大幅変更されているので、ソースコードを再コンパイルしWindows 2000用に作り直す必要があるとの結論に達したわけです。
 当然手元にそのようなソースはありませんので、当分このカードはNT 4.0でしか生きていけないものになるわけです。NGついでにRAID関連コントローラを中心に調査してみると、Windows 2000ドライバが無く動作しないRAIDカードがかなりたくさんあるようです。SCSI業界は今Ultra WideからUltra2Wideへの移行時期ということもあり、新製品も結構発表されています。LVD-HDD、IDE型RAIDコントローラ、高速IDE-HDDが安価に入手できる状況下、この新しい流れをWindows 2000で試したいという方も数多いと思うのですが、現状ではRAIDについてはIBMやCompaqなど大手サーバー機メーカーが標準搭載するボード以外はサポート状況が極めて悪いとの印象です。

○Windows 2000に日本語版は必要か?
 Local設定を日本語にすると106キーボードも使えるし、IME2000も動きます。英語版のOffice 2000でもちゃんと日本語が使えるのですから縦書きなんてめったに使わない人は英語版でいいのじゃないかな?
 <デスクトップやメニューが全部英語になるけど”英語の方が今っぽい”といってかえって好評だったり!!>
 日本語Office 2000を入れるともちろんOfficeの各メニューは日本語です。個人的に期待しているのは、私の愛用するMusic Match Juke Box 4.0(英語版MP3エンコーダソフト)で日本語が使えるかもしれない点です。(まだ試してないのですが・・・)

○Windows CEとドリームキャスト
 子供がインターネットをやりたいというのでドリームキャストとドリキャスキーボードを買ったのです。テレホーダイ時間帯ならじゃんじゃん使えって言ったら、夏休み中ジャニーズ系URLを漁り、教えもしないのにMailやChat、ネット検索などマスタしてしまい、ヤフーはヒット率低いなどと言い始めたのには驚きでした。
 無料プレゼントコーナーにアクセスし、なにやらいっぱいもらっているようです。
 アメリカで好評のドリキャスですが”中身はWindows CEだよ”っと教えても”ふーん”という返事、子供にとってはどうでもいい事、要するに操作が簡単であれば中身は関係なし。本当はゲーム機なのだけどうちにはゲームソフトがありません、安いインターネット端末としては大変好評なドリキャスです(我が家では)。


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