Windows よもやまばなし

富士ソフトABC株式会社 鎌倉事業所
技術調査グループ 課長 猿渡 隆史(saruwa@fsi.co.jp)



「私とWindowsとのおつきあい」

 私とWindowsとのおつきあいは約10年前のWindows3.0から始まる。2.Xはちょっと使った程度で、本格的に使いだしたのはWindows3.1からである。当時は、現役のプログラマーとしてOS/2のソフトを開発していた。今と違ってVBとかVCがまだ無い時代だったのでSDKを使用してC言語での開発であった。ちょうどそのころ3.0がリリースされ、その後3.1がリリースされた。
 最初は、モノクロのラップトップ(今はまったく見かけない)パソコンに入れて使っていた。ディスク20MBでメモリも1MBというのが標準の頃のことである。それに飽きたらず、ちょうどその頃出荷されたPC-9801NCという、たしか最初のカラーノートパソコンを購入した。メモリが4MB、ディスクがたしか40MB(20だったかな?)買ってすぐ増設しメモリ8MB、ディスク80MBにした記憶がある。その後、NAからNeへと暫くは、NECのノートパソコンを愛用していた。Windows自体も、NEC用のもので、その頃はマイクロソフトが出していたNEC用WindowsとNECが出しているWindowsがあり、ソフトを開発する立場からすると、2つのOS(ほとんど一緒なのだが...)で動作確認をする必要があり非常に手間がかかった。
 当時は、OS/2派で3.1よりはOS/2のほうが好きで、会社で使うマシンではOS/2を愛用していた。3.1はDOSプロンプトから起動するもので、OS/2に比べるとひ弱な感じであった。ところが、ご存じの様に、Windows95で大ブレークし、Windowsの天下となってしまった。Windowsの普及速度は目を見はるものがあり、私の作業環境も大幅に改善されていくこととなる。私が参加していたプロジェクトもOS/2対応からWindows3.1対応へと移行していった。ワープロ/表計算も、一太郎/123からWord/Excelへと変わって行った。Office製品も4.3から95、97、2000とバージョンアップしていく。
 現在、会社のマシンでは、テスト用のPCに、NT4.0サーバーとWindows2000、仕事用のWindows95マシンにOffice95とOffice2000、仕事用のノートPCには、Windows98とOffice2000、自宅では、Windows95とプリインストールされていたExcelとWordの97といった環境である。
 まだ社内の標準ソフトはOffice95であるが、たまに97フォーマットのファイルが送られてくることもあり、95と97の両方をインストールしていた時期があった。97はもっぱら読込専用で使用していた。なぜかというと、97でファイルを作ると、95フォーマットで保存したつもりが97になっていたり、「読込専用で開いて下さい」というメッセージが出るようになったりしたためであった。当然マニュアルとかヘルプにはちゃんと記述されていることであろうが、元来ヘルプなどよっぽど困ったときくらいしか読まない私としては、なんか気に入らないのであった。
 今回は、Office97からOffice2000へ移行したのであるが、慣れのせいもあるのか、快適に移行ができた。

 この辺で、最近のOfficeからOffice2000についての感想を少しお話したい。
 Officeといってはずせないのは、ユーザーが自由にマクロやVBAを組める仕組みが盛り込められていることであろう。VCやVBを使わなくても簡単な処理なら作れてしまう。バブルがはじけた直後は、Excelのマクロを使って簡単なアプリケーションを作る作業が増えた(仕事として)。また、これがある為にウイルスの潜伏先として、ウイルスを作っている人たちにとっては、すばらしいプラットフォームになってしまっている。従来、実行モジュールに感染して増殖していくものであったのが、ExcelやWordファイルを介して増殖している。便利になった為の弊害と言えよう。
 正直いってWordはあまり好きになれない。Excelはすばらしいソフトだと思っているが、Wordについてはやはり英文ワープロ的な感覚で作られており、日本語ワープロに慣れ親しんだ人間としては許せないところが多々ある。

今回のOffice2000でもExcelに大きな期待を持っていた。

・Office2000の目玉?
 2000を出荷するために、3年前から延べ1万時間のユーザーリサーチを行ったと言われている。
 個々の新機能については、各種雑誌で紹介されているので、私の独断と偏見で評価してみた。

(1)Web機能の強化
  HTML形式を共通フォーマットにしたということで、インターネットとの親和性が増した。
  Excelを起動しておいて、Wordで作ったHTMLをただExcelで開くだけだとWordが立ち上がる。
  開くのオプションでExcelを開くを指定するとそれなりに開いてくれる。
  図形とかは、ずれる場合が多く、○Xや抹消線なんかを図形で作成していると本来意図した内容と違うことになる可能性がある。
  Netscape4.6Jで見ると、それらしくは見えるが図形の位置があわない。IE5.0でみると、Wordで作ったものをExcelでみた時と同じ様な感じである。
  PowerPointで作成したHTMLを読み込んで見ると、Netscape4.6Jでは、ぐちゃぐちゃ(何もわからない、もちろん内容にもよるが)になってしまう。IEだと圧縮又は拡大されてウインドウいっぱいに表示される(スクロールできない)。また、2ページ以上の場合Web上でもPowerPoint上と同じ様にマルチフレームの見え方になってしまう。
Office2000を使う場合IE5.0が必須であるとつくづく感じてしまった。

(2)MDIからSDIへ
 Excel:見た目ではわからない、今まで通りメニューの「ウインドウ」からファイルの切り替えができる、違いはEXCELがファイルの数分タスクバーへ登録される。
 Word:Wordが複数立ち上がる、もちろんタスクバーへも数分登録されている。
 同じファミリー製品なのに、なぜこんなところで違いがでるのかな?

(3)Excelだけの機能シースルービュー
  選択した範囲が今まで反転だったのがシースルービュー機能で文字やパターン
  がよく見える。なぜWordではこの機能がないのだろうか。

いつも感じていたことであるが、Officeファミリーといってもそれぞれの製品に個性(?)があるため、仕様的に異なるところも多い。「なんでこんなところで仕様が違うの...」というところもあるが、おそらく今後もOfficeを使い続けることであろう。
その後、メールソフトのOutLook2000をインストールしてみた、するとExchangeの設定がぐしゃぐしゃになってしまった。元々は、OutLoockExpressとExchangeの両方を使っていたのだが、Expressから2000に変えて見ようと思ったのが間違いだった様で、デスクトップから受信トレイのアイコンは消えるは、立ち上がらなくなるはで、アンインストールと再インストールの繰り返しとなってしまった。ここでも、ちゃんとマニュアルを読めばいいのであろうが、読まないものはしょうがない。
こうやって、ぶつぶつ文句いいながらWindowsとOfficeを使い続けるユーザーである。




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