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<プレス・コンファレンス>

●マイクロソフト 1999.6.30

「Microsoft R WindowsR2000記者説明会」

 6月30日、WINDOWS WORLD Expo/Tokyo 99の初日に幕張プリンホテルにおいて、マイクロソフト株式会社によるWindows 2000記者説明会が開催され、報道関係者約250名の出席がありました。はじめに常務取締役阿多親市氏による「Windows 2000製品戦略」、続いてシステム製品統括部デスクトップOSグループ プロダクトマネジャー 用瀬晃一氏、システム製品統括部Windows 2000 Serverプロダクトマネジャー 黒崎純一氏より「Windows 2000製品紹介」、システム製品統括部部長 江端忠志氏より「Windows 2000 Beta 3ご評価のお願い」、最後にQ&Aがありました。また、「Windows 2000 Beta Corporate Preview Program」として「Windows 2000日本語プレリリース版(Beta 3)」が配布されました。
 同説明会から阿多常務による「Windows 2000製品戦略」を中心にお伝えいたします。

■「Windows 2000製品戦略」(阿多親市 常務取締役)


 「本日WINDOWS WORLD Expoの初日にWindows2000のBeta 3の発表をさせていただけることは非常に私どもにとってありがたいことでございます。また、本日のキーノートでOffice 2000について米国本社より副社長が参りましてお話いたしました。そのあとOffice 2000のBeta 3ユーザーの方に集まっていただいてさきほど打ち上げが終了したところでございます。それに引き続いてWindows 2000についてお話できることは、誠にありがたい良い日だと思います。」とのご挨拶のあと『Windows 2000製品戦略』についてのお話がありました。

○ Windowsのロードマップ
 93年にWindows 3.1、94年にはWindows NT3.5、95年にはWindows 95、96年にはWindows NT4.0、98年にはWindows 98、そして今年99年を迎えた。私どもはサーバー、ビジネスクライアント、ホームユーザー向けという3つのカテゴリーでOSを提供させていただいている。サーバーに関してはWindows NT5と言っていたものが昨年10月以降Windows 2000と改名させていただいた。サーバーに関しては従来のように1本のものだけではなくて、これからは3本(普通のサーバー、Advanced Server、Datacenter Server)とそれぞれ規模・用途に合わせて3つのラインアップを用意していく。ビジネスクライアントに関しては、今までNT Workstationと言っていたものをWindows 2000 Professionalという名前で出荷させていただく。ホームユーザー向けのOSとしてWindows 98を出荷してほぼ1年になるが、これの機能拡張をNTカーネルに統合していく前に2回行いたい。まず1回は今年の秋にWindows 98 Second Editionという名前で出荷させていただく。そのあと来年2000年にもう一度機能拡張を行って、21世紀になるかと思うが2001年以降にNTカーネルを使ったWindows 2000としてのホームユーザー向けのOSを提供させていただきたい。

○Microsoft Windows 2000日本語プレリリース版(Beta3)、6月30日より提供開始
 本日6月30日にやっと(本当に“やっと”という思いである)長い間お待たせしたWindows 2000のプレリリース版、全ての機能を含めたBeta版を出荷させていただくことになった。もちろん、本日お集まりの皆様にもお持ち帰りいただき、また、私どものパートナー各社、販売各社に本日より出荷させていただいて評価をいただく。また7月の中旬には企業のユーザー様にお配りして評価いただく、8月の下旬には実際に一般公募をさせていただいて一般のユーザー様にもご評価いただく。配布総数は4万になろうと思われれる。Beta 3は非常に高い品質であると思う。今までBeta 2を出してから長い時間が経っているがBeta 2のテストをしていただいた皆様のおかげで非常に高い品質でBeta3を出せることになり、本当に感謝申し上げる。

○Windows 2000の意義
 何故Windows 2000なのか? 従来、DOSの上にWindowsがある、これがWindows 3.1の時代である。それを一つのものに統合していく、Windows 95そして98という流れの中でそれらが持っていた役割、成し得てきた役割というのは、従来の16ビット環境でスタートしたPCを32ビット環境にスムーズに移行できることが主眼である。今やほとんどのお客様が32ビットの環境でPCをお使いになっている。Windows 95もしくはWindows 98の役割として以前持っていたもの、DOSとの互換性も含めたそのスムーズな移行が間もなく終了にさしかかっており、今後はNTカーネルをベースにしたWindows 2000にすべてのものが集約される、これは従来申し上げてきたことであるが本日もまた重ねて申し上げたい。これからのPCが32ビットの時代になってきて多くの人や多くの企業によって普通に使われるPCビジネスの基盤テクノロジーは何かというと、信頼性であり、TCOの削減であり、優れた操作性であり、これらの提供する先進的アプリケーション、ハードウエアのプラットフォームである。これはお客様の声であると私どもは認識している。また、実際にアプリケーション、ハードウエアを作られる開発者の方々からは、USB、IEEE1394、DVDといった先進のテクノロジーを是非自分の製品に埋め込んでお客様に満足を与えたい、という声がある。その両方の声が聞こえるもの、それがWindows 2000によって実現されていくものであると確信している。
 私どもは恐らく世界でも有数の開発企業であるが、その中でもWindows 2000にかけた開発の費用は過去最大と言える。全力を上げてこのWindows 2000を成功させていきたい、良いものに仕上げていきたい、21世紀につながるものに仕上げていきたい、そういう感じでやっている。

○ Windows 2000、出荷に向けての最重要課題
 それは、この一点『開発者支援』にたどり着いた。どんなに良いOSであっても「このOSはこんなに良いですよ」と、いくら巨額の宣伝費をかけてもそれは無意味なことである。そうではなくて、このOSのプラットフォームの上でどんなに良いアプリケーションが、どんなに良いソフトウエアが、どんなに良いハードウエアがこれから提供されていくのか、全ては開発者の方々のご努力、もしくはご協力によるものであると考えている。もちろん、Windows 2000の出荷に当たり、過去最大のマーケティングディスペンスを用意しているが、その中でも最も注力したいのは開発者に対する5つの支援、@技術サポートの提供(開発者向け専従窓口の設置)、A技術セミナー開催(Microsoft Tech・Ed 99 Yokohama開催)、B開発者用のニュースグループの開設、Cアプリケーションポーティングラボの開設、D対応製品情報Webの公開、である。これらを積極的にやっていきたい。本日お集まりいただいた皆様にも是非このWindows 2000の上で一体何ができるのか、ということについてご協力をいただきたい。

○ Windows 2000に対応表明されたハードウエア、アプリケーションメーカー
 既に200社を越えるハードウエア、アプリケーションメーカー様からWindows 2000の対応表明をいただいている。これらの各社様がこれから出荷されるハードウエア、アプリケーションにWindows 2000のテクノロジーを使って新しい21世紀のPCのソリューション、PCのライフサービスといったものを出していただけることに違いないと期待している。

○ 開発のスケジュール
 Windows 2000のProfessional、Server、Advanced Serverについては英語版が本年中に開発完了の予定であり、日本語版はそれに遅れること30日ということで進めている。また、Datacenter Serverについては、英語版が来年の第1四半期(3月末)までに開発完了の予定であり、日本語版はそれに遅れること30日で出荷できるよう現在準備を進めている。
 ただし完成度が高いといってもBeta版であり、プレリリース版である。これから皆様のお声をいっぱい頂戴して、より完成度の高い、より安定した状態のWindows 2000に仕上げていきたい。あくまでも最終製品版の出荷スケジュールは、Beta 3リリースに対するユーザーとパートナーの皆様からのフイードバックによって決定されるものであると思っている。

○ 最後に
 本日お持ち帰りいただくWindows 2000の Beta 3は是非皆様のお使いのパソコンに入れてお試しいただきたい。私は先週自分のデスクトップにインストールしたがインストールも非常にスムースに終わり、何度かOKボタンを押すだけであった。大変幸せな環境である。166MHzのパソコンで、Windows 2000 Beta 3の上にOffice2000が動いている。今日、実は99年度の最終日にあたり明日からの2000年度の事業計画も全てその上で作成している。非常に安定したOSであると私、身をもって皆様にお薦めすることができる。是非お試しいただきたい。今後出荷に向けて数々の施策を行いたいと思っているが、どうか皆様のお力を借りしたい。社内のスタッフには皆様に対するリレーショナルシップが非常に重要であり、皆様からのお問い合わせ、皆様に対するご協力を最重要視するように申しつけてある。不明な点、ご要望などは、いつにでもご連絡をたまわりたい。


 続いてデスクトップOSグループ プロダクトマネジャー 用瀬晃一氏から「Windows 2000製品概要」と「Windows 2000 Professional製品概要」、Windows 2000 Serverプロダクトマネジャー 黒崎純一氏から「Windows 2000 Servers製品概要」についてそれぞれの位置付けや機能についてデモンストレーションをまじえての説明が約1時間半に渡って行われました。

■Microsoft Windows 2000製品概要(用瀬晃一氏)


@ 私どもは、幅広いユーザーのニーズに対応するためにそれぞれ最適な4つのWindows(組込み機器・情報家電向け、ホームユーザー向け、ビジネスユーザー向け、サーバープラットフォーム向け)を提供してきた。共通のコンセプトは、共通の操作性と共通のAPIとエンドユーザーと開発者のメリットその両方向を同時に位置付けするものである。
A Windows NTの進化としては、93年に3.1でマイクロカーネル、94年に3.5でサイズと性能のチューニング、95年に3.51で相互運用性と互換性、96年に4.0でUIの刷新、97年にEnterprise Editionで基幹業務対応、98年Terminal Serverで端末への対応があり、Windows 2000に引き継がれた。
B Windows 2000の位置付け
・Windows 2000 Professionalは、全てのビジネスに最適な最も信頼性の高い、デスクトップ/モバイル用のWindowsである。
・ Windows 2000 Serverは、高い信頼性とセキュリティの基盤の上にあらゆる用途と規模に最適なソリューションを提供するサーバーOSである。
・ Windows 2000 Professionalと Windows 2000 Serverは、Webワークスタイルとディレクトリベースコンピューティングを最小の運用コストで実現するベストプラットフォームである。
C Windows NT/2000アーキテクチャで信頼性の向上を実現するものとして、カーネルモードとユーザーモードの分離、アプリケーション間のメモリ保護がある。
D OSの信頼性に影響を及ぼす主な要因は、システムファイルの不整合、周辺機器・ドライバの品質、アプリケーションのメモリリークである。
EWindows 2000における信頼性の向上のためDの原因に対して、システムファイル保護、ドライバの品質向上、メモリ管理機構などの改良を行った。

■Windows 2000 Professional(用瀬晃一氏)
 全てのビジネスに最適な最も信頼性の高い、デスクトップ/モバイル用のWindowsである。特長は、Windows 98の機能の取り込みと拡張、Windows NTの利点の継承と強化、導入/運用コストを抑えTCOを削減していることである。
@ ハードウエアサポートとして、先進のハードウエア・マルチメディアに幅広く対応している。
・ 幅広いPCスケーラビリティ(ミニノートからハイエンドエンジニアリングワークステーションまで対応、SMP対応、Alpha対応)
・ 新しいデバイスのサポート(USB、IEEE1394、IrDA、DVD、デバイスベイ)
・ マルチメディア機能の強化(DirectX7.0 OpenGL 1.2、AGP、VPE)
・ 旧世代のアーキテクチャへの対応は縮小化(ISAデバイスサポート)
A 操作性の向上として、Windows 98よりもさらに優れた操作性を実現している。
・ より簡単で、洗練されたユーザーインターフェイスを採用
・ 複数言語のサポート
B ベストモバイルサポートとして、Windows 98より優れたモバイルサポート機能を提供している。
・ ハードウエア対応として電源管理、Plug and Play
・ ソフトウエアの対応としてオフラインフォルダー、ネットワーク接続のダイナミックな切替え

 デモとして、マウス、デジタルカメラを接続したPlug and Play、ユーザーインターフェイスの改良、電源管理の例などが示されました。


■Windows 2000 Servers(黒崎純一氏)


 Windows 2000 Serverは、高い信頼性とセキュリティの基盤の上にあらゆる用途と規模に最適なソリューションを提供するサーバーOSである。
@ サーバーOSの要件は次の4つである。
・ Webベースの情報共有とアプリケーションの基盤
・ 24時間x365日、システムを稼動させる信頼性と可用性
・ ビジネスの拡大に対応できるスケーラビリティ
・ 小規模システムから大規模ネットワークまでTCOを最小化する管理性
A Windows 2000 Serverファミリー
・ Windows 2000 Serverは、標準ビジネスサーバー、Active Directory、ターミナルサービス、部門単位のWeb/ファイル/プリントサーバーに適している。
・ Windows 2000 Advanced Serverは、強力なミッドレンジソリューション、より多くのCPUとメモリに対応、クラスタリングによるフェイルオーバーと負荷分散、データアクセス/アプリケーションサーバーに適している。
・ Windows 2000 Datacenter Serverは、最高の性能と可用性、最大32-way SMP、最大64GBメモリ、クラスタリングによるフェイルオーバーと負荷分散、OLTP・大規模データウエアハウス、シミュレーションに適している。
B 現行製品との関係
・ NT Server4.0がWindows 2000 Serverに対応。
・ Enterprise EditionがWindows 2000 Advanced Serverに対応。
・ Terminal Server Editionの機能は、Windows 2000 Server、Windows 2000 Advanced ServerおよびWindows 2000 Datacenter Serverに標準機能として搭載される。
C Webベースの情報共有は、ユーザーの生産性を向上するもので、インターネットインフォメーションサービス、インデックスサービス、Windows Media Servicesがある。これについてのデモが行われました。
D Webアプリケーションサーバーは、最も充実した分散アプリケーション環境を提供するもので、CPM+コンポーネントとActive Server Pageスクリプトにより、Webベースのビジネスロジックサーバーを作成可能とする。COM+は、分散ソフトウエアコンポーネントの標準となる。
E 可用性とスケーラビリティの向上として、リブートが必要な設定作業の数を大幅に減少し、高いパフォーマンスの要求に対応する。
F Windows 2000 Serverクラスタリングは、スケーラブルかつ可用性の高いアプリケーションサーバーである。クラスタリングの強化として、フェイルオーバークラスタリング、動的負荷分散がある。
G Active Directoryは、Windows 2000 Serverに統合されたディレクトリサービスでネットワーク管理を簡素化する。ユーザーの利便性を向上し、セキュリティの強化と拡張、オープンな標準である。
H IntelliMirrorは、クライアントを集中管理と設定の自動化を行う。
I ソフトウエアインストレーションは、ポリシーに基づく集中管理と自動化をを行う。Active Directoryに設定を格納、インストールサービスとの統合を図る。
J ターミナルサービスは、集中管理とThin ClientによってTCOを削減する。
K 管理機能の向上として、管理者作業を軽減する機能(容易な設定、リモート管理、Windows Scripting Host)によってTCO削減が図れる。

デモとして、Active Directory、Smart Card、IntelliMirror、ターミナルサービスの例が示されました。

■「Windows 2000 Beta 3ご評価のお願い」(システム製品統括部 部長 江端忠志氏)
@Windows 2000 Beta3日本語版の位置付け、Aご評価に際して、Bご評価の資料、C依頼事項の説明がありました。


 互換性リストにあるハードウエアを使うこと、Beta3ではパフォーマンステストやベンチマークテストは行えないこと、Microsoft Tech-Ed 99 Yokohama(7月28〜30日 パシフィコ横浜)に是非参加して欲しい、などが要点です。

Windows 2000プロジェクトメンバー



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