Windows よもやまばなし

富士ソフトABC株式会社
 技術調査室 室長 山本 淳(yamamoto@fsi.co.jp)



 年度末のゴタゴタとゴールデンウィークを挟んで、ちょっとした手違いから原稿を書いてくれる担当者が見つからなかったので、久しぶりに最新動向について書くことになってしまった。すでにいくつかの技術系雑誌では大きく取り上げられているし、Windows View誌にも関連する情報が掲載されているのだが、マイクロソフトのWindows製品戦略に新しい動きが生まれてきている。


●Windows 2000 Beta 3

 待望のWindows 2000 (旧称Windows NT 5.0)のBeta 3版 (Build 2031)が、米国でようやく製造工程に入ったという。65万人に及ぶベータテスターに3週間以内に配布されるとされている。すでにベータテスターにはその旨メールが届いており、限定サイトからのダウンロードも可能になっている。ただし1つのバージョンでも数百MBに及ぶディスクイメージであるため、よほど勇気がない限りCD-ROMの到着を待つことになるだ。
 ご存知のようにWindows 2000ではシングルバイナリーが実現されており、英語版製品であってもLocaleを選択することで日本語の入力・表示が可能になっている。この原稿を執筆しているマシンも、Beta 3版の1つ前のWindows 2000 Beta 3 Release Candidate 1 (Build 2000)の英語版に日本語のLocaleを選択して動作している。昨夏にリリースされたWindows NT 5.0 Beta 2版と比べると、安定性が飛躍的に向上している。日常業務で使用していても、以前に比べるとシステムをリセットする回数が劇的に減少している。細かな問題は多いし、Windows 2000の新機能についての検証は済んでいないが、ひとまずデスクトップOSとしては十分に実務に耐えられるレベルに達してきていると考えている。
 Beta 3版では製品版で提供を予定しているすべての機能が提供されており、Windows 2000に対するビジョンを体験できるようになっている。Windows 2000ではActive Directory、IntelliMirror、COM+、管理サービスをはじめとするさまざまな機能を通じて、大企業による所有コストの削減を可能にする、とされている。通常のベータテスターだけでなく、OEMメーカーを通じたWindows 2000 プレインストールマシンの販売、Corporate Preview Program (CPP)による大企業ユーザーによる先行導入、Beta 3版の有料販売など、さまざまなアプローチが用意されている。今後も5〜8週間に1回新しいビルドをRelease Candidate (製品候補)版としてリリースしながら、未だに正式発表されていない製品出荷に向けた準備を進めていく。
 英語版の上に日本語リソースを置いているため、「Start」ボタンをはじめ標準のメニューやヘルプファイルはすべて英語のままである。個人的には見栄えがいいので結構気に入っているのだが、一部の日本語版アプリケーションではプルダウンメニューやタイトルなどが文字化けしてしまっている。もちろんアプリケーション側の問題と言えるのだが、マイクロソフト製品でもOffice 2000 Beta版の一部のアプリケーションですらこうした問題が発生している。すでにWindows NT 4.0やWindows 95/98を対象としたアプリケーションを開発している技術者は、早めに動作確認を取った方がいい。もちろん後述するWindows 2000 日本語版での動作確認は当然だが、Windows 2000 英語版+日本語Localeという環境はいろいろと問題が発生しそうなので、忘れずにチェックしておくべきだ。
 メニューやヘルプファイルを日本語化したWindows 2000 日本語版は、英語版の出荷から1ヶ月以内にリリースされることになっているので、日本語版 Beta 3版についても6月末までに提供されると聞いている。日本語版 Pre-Beta 3版 (Build 2015)なる中間バージョンも存在しているが、夏前には日本でも米国と同様にさまざまなプログラムを通じたBeta 3版の評価環境が登場するはずだ。
 米国では5月21日〜28日にテキサス州ダラスで恒例の「Tech Ed 99」が開催されるが、日本でも7月28〜30日にパシフィコ横浜で「Tech Ed 99 Yokohama」が開催される。すでに早期割引受講登録がスタートしているが、ホームページも毎週更新され、最新のセッションスケジュールも公開されているし、ぜひ内容を確認の上受講していただきたい。
 http://www.asia.microsoft.com/japan/developer/events/teched99/
 当社も出展のお手伝いさせていただくべく準備を進めているのだが、Windows 2000 Beta 3版を自由に触れることができる環境を提供する予定である。横浜で皆さんにお会いできるのを楽しみにしている。

●Windows 98 Second Edition (Windows 98 Service Pack 1)

 Windows 2000が製品出荷に向けた新たなステップに進んだのに対して、もう1つのデスクトップOS、Windows 98も次への流れを加速している。Windows 95においては、いくつかのService Packがリリースされ、バグフィックスとともに新機能が追加されていった。さらにOEM Service Release (OSR)と呼ばれるバージョンも存在し、OEMメーカーからプレインストールされて出荷されるWindows 95にはいくつかの亜流が存在した。Windows 95 OSR版は一般ユーザーがパッケージとして入手できなかったため、不満が溜まっていた背景がある。
 Windows 98では、こうしたWindows 95の失政 (?)を排除するために、新たなアプローチを取ろうとしている。まず2000年問題対応を含む多くのバグフィックスに対して、Service Pack 1をリリースする準備が進んでいる。さらにそれに加えていくつかの新機能のモジュールをWindows 98 Second Editionとして有償で提供する。NetMeeting 3.0、Internet Connection Sharing、Internet Explorer (IE) 5.0、USBデバイス用などの新ドライバなどが新機能として提供される。Windows 95/98の製品版をすでに使用しているユーザー向けにはWindows 98 Second Edition Updatesと呼ばれるバージョンが提供されるが、こうした新機能版を有償で提供することの是非が問われている。
 当初Windows 98に続くコンシューマー向けのOSはWindows NTをベースに開発されるとされていたが、4月上旬に米国で開催されたWinHEC 99 (Windows Hardware Engineering Conference)で明らかにされたように、2000年にWindows 9xコードをベースにしたOS (Windows 2000 Personal ? / Consumer ?)が提供される。Windows NT/9xの統合は2003年ごろまで先送りされ、その間に36ビット版Windows 2000や64ビット版Windows 2000、Windows NT Embeddedなども提供されていく。Windows CEの改良と合わせて、Windowsファミリーはさまざまな進化を続けていくことになる。

●Windows NT 4.0 Service Pack 5と2000年問題対応 ほか

 2000年問題を巡る各ソフトウェア製品の問題対応については、各社からさまざまな情報が氾濫して整理するのが大変だが、Windows製品に関しても対応モジュールが提供されている。「ホット・フィックス」として提供されている修正モジュールも順次公開されているが、Windows NT 4.0ならばService Pack (SP)ごとに、SP 3用、SP 4用と個別に提供されているので、マイクロソフトが公開している2000年問題対応ガイドラインを見ながら注意深く対応しなければならない。Windows 98対応のモジュールなども提供されているが、こうした情報を整理した「西暦2000年対応 情報開示リソースCD-ROM」も用意されている。
 そうした中、米国ではNT 4.0のダイアルアップ・ネットワーキング、インストール、セットアップなどの問題の修正モジュールを含んだWindows NT 4.0 Service Pack 5の提供が開始された。マイクロソフトのWebサイトには「2000年対策のためにSP 5に移行することは求めない。SP 5に含まれている2000年問題関連のアップデートの内容を調べた上で、SP 5を導入するかどうかを決めることを推奨する」と書かれている。これまでマイクロソフトは、Windows NTのService Packに新機能を盛り込んできたことで批判を受けてきたが、今回のSP 5には新機能は含まれていない。2000年問題対応にはSystems Management Server (SMS) 2.0が有効であるというアナウンスを含め、日本版として提供される製品やService Pack、修正モジュールを見極めることが大切である。

 今年はマイクロソフトだけでもSQL Server 7.0、Internet Explorer 5.0に続き、Office 2000も出荷が待たれている。他社製品でもLotus Notes/Domino R5.0、Oracle8iなど、重要製品が目白押しである。2000年問題対応にも精力を割かねばならないが、新製品の動向にも注意を払っておく必要があるだろう。



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