活動報告


● 第84回セミナー <Java委員会主催>実施報告

日 時:平成11年1月13日(水)13時30分〜17時00分
会 場:ICA/テラホール(東中野)
参加者:25名
テーマ:Java開発ツールの紹介
構 成:
 第1部「インプライズのJavaソリューション」
     インプライズ株式会社 マーケティング部 プロダクトマネージャー 藤井 等 様
 第2部「VisualCafe Version 3」
     株式会社シマンテック IT推進本部ITマーケティング部部長 小橋 輝雄 様

 今回は『Java開発ツールの紹介』ということで、インプライズ株式会社、 株式会社シマンテックの2社から講師をお呼びして、最新のJava開発ツールについてお話いただきました。

セミナー会場

 第1部では、藤井講師からワールドワイドでスタンダードの地位を獲得したJava開発ツールJBuilderとCORBAによるエンタープライズソリューションについてお話いただきました。


 前置きとして、Javaに関する技術 ― インターネット技術、Java実行環境、分散オブジェクト技術CORBA ― の発展についてと、Javaソリューションに関するインプライズのミッションについてお話されました。ンプライズのミッションは、既存システムを包括したオープンソリューションを提供し、システムの開発・運用・管理を完全にサポートすることにより、エンタープライズシステムの開発・運用・管理の簡素化を図ることであり、その構築のためにインプライズは、開発用としてJBuilder、Delphi、C++Builderを、運用にはVisiBrokerを提供する。
 Borland JBuilderの概要では、デモを交えながらその機能についてのお話がありました。@Pure Java開発を強力にサポートするもので、ビジュアルJava開発ツールとしてワールドワイドでスタンダードの地位を獲得。AJavaBeansのビジュアル開発が可能で、再利用可能なプログラム部品により開発効率を飛躍的に向上。BPure Javaデータベースシステムを効果的に開発可能とするとのことで、DataExpressについてのデモが行われました。CサーバーサイドJava開発にも対応し、再利用性の高いPure Javaサーバーアプリケーションが構築できる。D分散オブジェクトシステム開発が可能。EJavaアプリケーションの自動配信システムを構築可能とする。
 Java(Borland JBuilder2) + CORBA(VisiBroker)は、既存システムを包括した次世代エンタープライズシステムを実現するものである。
 VisiBrokerは、業界標準のCORBA ORB製品であり、効率的な開発、堅牢なシステム運用、容易なシステム管理ができ、オープンなシステムインフラを構築する。
 実際の開発例として、大和証券、日本ユニシス、他についての説明がありました。

 第2部 では、小橋講師からJFC/Swingとデータベースソリューション開発にフル対応したNo.1 Java統合開発ツールであるVisualCafeの機能概要についてデモを交えてお話いただきました。


 VisualCafe Version 3は、Java2のVMに対するNo.1 Java統合開発ツールであり、RAD(Rapid Application Development)による効果的な開発と工期短縮を行うものである。VisualCafeは全世界で53%シェア、日本では52%がVisualCafeなどシマンテック社のJava開発ツールであり、VisualCafeはもっとも使用されている市販Java開発ツールであって、シマンテックはJava開発のリーダーとして活躍している。
 VisualCafeの機能では、@ビジュアルJavaツールとして編集面では、定評あるドラッグ&ドロップによるフォーム作成に加えてコード入力支援機能を強化、単純な作業を自動化するウイザード、Web編集/管理ツールのVISUAL PAGE2.0をバンドル、バージョン管理の組込(Starbase Versionをバンドル)、Aデバッグ面では、最速のJust-In-Timeコンパイラ3.1の装備による高速コンパイル、Javaソースをx86ネーティブコンパイル、高速なデバッグ、B最新Javaのサポート面では、プラグインJDK(Java VM)、サーブレット開発/デバッグ、JFC/Swingのサポート、ソースを含む200以上のJavaBeans、JavaBeansの高速開発、C堅牢なソリューション構築をサポートする面では、各社のJDBCドライバーに対応、データベース ウイザード、データベース ブラウザdbNAVIGATOR、JFC/Swingのデータベース連携、についてお話がありました。
 製品体系は、ユーザーの目的に応じた3エディション、スタンダード版(SE)、プロフェッショナル版(PE)、データベース版(DE)がある。
 また、デモとしては、VisualCafeの編集、DBソリューションについて行われました。
 本格的分散オブジェクト開発とチーム開発用のVisualCafe Enterprise Suiteは、分散Java開発ツールの新分野をなすもので、1999年第1四半期に発売予定(日本では4〜6月頃)、米国での予定価格は$2795(日本では40万円前後)。特徴として、エンタープライズ初のRAD、分散環境を単一マシンイメージで表示するシングルビュー、標準オブジェクト技術(RMI,ORB)サポート、複数のVMを同時に分散デバッグ機能を持つ、とのことです。
 同社のインターネットツールのWebサイトは、http://itools.symantec.co.jp/(日本語)、http://visualcafe.com(英語)です。

 ここで、ご出席の皆様のアンケートからのご意見を紹介いたします。
 第1部では、「使いやすそうな印象を受けた。ウイザードが充実しており、VBより簡単かもしれない」、「分かりやすい内容でよかった。分散オブジェクト開発事例がもっと具体的に触れられていればなお良かった」、「Javaだけを見ると大分こなれた感があって使いやすそうである。が、Java + CORBAの開発環境としては、まだJBuilder + VisiBrokerでは取ってつけたような感じがする。インプライズApplication Serverの方に期待でしょうか?」、「実際に作られたもののパフォーマンス比較も見てみたかった」、「具体的な例がもっと多く見たかった」です。

 第2部では、「さすがトップですね。完成度の高さが感じられた」、「デモが多くてよい」、「モデルを中心としたアプリ開発の環境には大変興味が持てた」、「データベースアプリケーションの作成デモを見て、使用してみたいと思った」です。
 セミナー全体としては、「製品の比較ができるのは面白い」、「最新の動向が把握できてよかった」、「Javaツールを選ぶ参考になるので新しいツールがあれば、またこのようなセミナーに参加したい」、「Javaツールの主要会社の話でそれなりに有用であった。Java + CORBAに関する各社の今後の動向が聞きたかった」、「Javaについては今後もウオッチしたい」、「デモが中心の説明であった点がよい」です。

 今後希望する関連セミナーとしては、「開発者向けにJavaの基礎となるもの」、「より多くのJavaセミナー、低レベルから高レベルまでのもの」、「EJB、CORBAに関するものをもっと多く」です。また、ご意見としては、「最近はどこのメーカーもエンタープライズ指向で、単体アプリケーション開発に対する姿勢がよく見えないと思う。なんとかならないか」、「製品に特化しない形でのセミナー。製品に特化する場合は、体験板等があれば後ほど再確認できる」がありました。貴重なご意見ありがとうございました。


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