活動報告



● 第71回セミナー(セミナー企画委員会主催)実施報告

 日 時:1998年4月15日(水)13.30〜17.00
 場 所:テラハウス/ICA B1Fテラホール
 参加人員: 98名
 テーマ:「Windows 98製品概要およびマーケティング、PCおよび周辺機器技術の今後の展開」
 構 成:
  第1部 『Windows 98製品概要およびマーケティング』
      マイクロソフト株式会社 ビジネスシステム製品統括部
      第一製品部デスクトップOSプロダクトマネジャー
      佐藤 秀一 様
  第2部 『PCおよび周辺機器技術の今後の展開』
      同上 佐藤 秀一 様

 今回のセミナーはまもなく発売が予定されるWindows 98がテーマということで多数の方が出席され、第1部、第2部と3時間にわたる長丁場を佐藤講師お一人で担当していただきました。

セミナー会場

 第1部では、Windows 98のマーケティング基本方針ということで、@Windows 98の位置付け、キーメッセージ、Aユーザーカテゴリー、Bマーケティング活動方針、C製品紹介、デモンストレーション、と大きく4つに分けて説明が行われました。 まず、ポイントは「Windows 98のターゲットユーザーはホームユーザーである」、「『新規PCユーザーの開拓』と『既存Windows 98ユーザーからのアップグレード促進』の2つの目的の切り分けが重要である」、「Windows 98は、新しいPC、新しい周辺機器とともに紹介することで魅力が引き出される」である、との前置きで始まりました。


佐藤講師


 @ では、Windows 98の開発コンセプトは、「Windows 95からのスムーズなアップグレード」、「より使いやすく」、「パフォーマンスの向上」、「信頼性の向上とサポート負荷の軽減」および「次世代PCの新しい可能性を創出しうるプラットフォーム」である。Windowsファミリーの位置付けとしては、「Windows 98はホームユーザーに最適なデスクトップOS」、「Windows NT Workstationは、ビジネスユーザーに最適なデスクトップOS」である。続いてWindows 98の機能と特徴をそれぞれ仕事、ゲームの観点からの説明、Windows 98システム要件、Windows 98の魅力を引き出す新しいハードウェア(USB対応、DVD、ACPIなど)の説明がありました。

 A では、「新規PC購入ユーザー」、「PC買い替えユーザー&2台目ユーザー」、「周辺機器購入を伴うアップグレードユーザー」および「OSのみをアップグレードするユーザー」と4つのカテゴリーに分けられると、それぞれについてのユーザープロフイール、メッセージ方針の説明が行われました。

 B では、ホーム市場をメインターゲットとしたマーケティング活動の展開、パートナーとの共同マーケティング体制の確立、出荷に向けてのマーケット形成についての説明があり、6月中旬から製品出荷まではWindows Strategy Day、Windows World Expoなどを通じて期待感、盛り上がりを最高潮にもっていきたいとのことでした。

 Cでは、Windows 98の新しい機能のデモがり、特にHot Plug and Playの新機能をマウス、ジョイスティックによる実演があり注目を引きました。


 第2部では、Microsoft Windows 98 Win32 Driver Model(WDM)について、@WDM概要、AWDMオーディオ、BWDM DVDサポート、と大きく3つに分けた説明が行われました。

 @ では、Windows 98アーキテクチャ概念図の説明があり、WDMはシンプルかつ、高機能な次世代PCを生み出すための基盤テクノロジーということで、「Windows 98とWindows NT5.0間でのソース/(x86)バイナリコンパチブルドライバである」、「Windows NT I/Oサブシステムをベースに拡張」、「シンプルなドライバ体系による開発効率の向上」、「新しいバス、デバイスクラスへの拡張(USSB,IEEE1394)」の説明、WDMデバイスクラス、WDMの実装、WDM HIDキーボードサポート例の説明が行われました。

 A では、PCにおけるオーディオ利用について、WDMオーディオ機能、WDMオーディオアーキテクチャの説明がありました。

 B では、Windows 98のDVDサポート(DVDムービープレイバック、ストレージメディアとしてのDVDサポート)、DVDコンポーネント(DVD-ROMクラスドライバ、UDFファイルシステム、WDMストリームクラスドライバ、DirectShow、VPEサポート、Copyright Protection、Regionalizationへのソフトウェア対応)およびDVDアーキテクチャについての説明がありました。

 最後に「Windows 98は、さまざまな分野「インターネットテクノロジー、パフォーマンス向上のためのテクノロジー、信頼性向上のためのテクノロジー、よりシンプルで高性能なPCを実現するためのハードウェアテクノロジーなど、これらの組み合わせにより現在よりも一段高いレベル、クオリティのPC環境を実現するためのオペレーティングシステムである」と結ばれました。
 また、説明の合間にソフトウェアDVDのデモがランドコンピュータにより行われました。

 出席の皆さまのアンケートからいくつかのご意見を紹介いたします。

 第1部では、「Windows 98の製品概要およびMS社のマーケティングの考え方が良く分かった」3件、「実際に動作の確認ができて参考になった」、「Windows 98の機能について再確認することができた」、「Windows 98の内容が一般的に変化がないといわれているが、マーケティング側からの違いが分かった」、「デモは分かりやすかった」、「Hot Plug&Playには感動した」、「Windows 98の最新の情報が聞けてよかった」、「開発者ですが非常に為になった」、「マーケティング関連の話よりももっと技術的な話を聞きたかった」2件、「Windows 98はホームユースに重点を置いているとのことだが、現実的には企業にWindows 95を導入している事例も多いので、そのようなユーザーに対するセールスポイントが欲しかった」、「Windows 95から変えないユーザーへの対策がないのは何故?」、「製品概要についてもう少し具体的な方向性等についての内容が欲しかった」です。

 第2部では、「Windows 98はマルチメディア系が充実しているのが良く分かった」、「WDMの概念は理解できた。今後、機能を理解して製品開発に役立てたい」、「WDMを用いたデバイスの内容が具体例により理解できた」、「WDMのもっと詳しい話を聞きたかった」5件、「Windows 98全体のアーキテクチャ、モデルの全体像の中でのWDMを説明して欲しかった」、「機構の解説はよいが、『具体的な開発環境・情報などはWebを参照』ではとても不満である」です。
 今回のセミナーに対しては、「プレゼンテーションだけでなくデモを交え、非常に良かった」、「全体的に大変分かりやすい内容だった」4件、「MSのWindows 98の考え方を理解できた」、「全体的に概要のような話が多かったが、もう少し詳しい話を聞きたかった」5件
 今後のセミナーに対する要望としましては、「もっと技術的に突っ込んだセミナーを希望」2件、「セミナー参加対象者をある程度指定したほうがより有用性が高まるのではないか?」2件、です。ありがとうございました。


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