活動報告
● 第63回セミナー (ビジネス・インターネット委員会主催)実施報告 |
日 時: 平成9年9月17日(水) 13時30分〜17時00分
会 場: テラハウス/テラホールB1F(JR東中野駅前)
参加人員:40名
テーマ:『インターネット関連技術とビジネス事例の紹介』
構 成:
第1部 凸版印刷のマルチメディア技術紹介
(1)MUSETRACK
凸版印刷株式会社 マルチメディア事業部 皿井 秀治 様
(2)メタプラザ
凸版印刷株式会社 マルチメディア事業部 大尾嘉 宏人 様
(3)Mapion
凸版印刷株式会社 情報・出版事業本部 企画開発本部
サイバーマップ部 課長 平田 章 様
(4)出版コンテンツモール Book Park
凸版印刷株式会社 情報・出版事業本部 企画開発本部
サイバーマップ部 主任 多良 敬 様
第2部 製品情報「COM-PATH」
ソフトバンク株式会社 情報システム部 課長 長坂 秀樹 様
第3部 インーネット電子決済「QQQ」
富士ソフトABC株式会社 ネットワーク部 課長 岡部 純二 様
今回は、『インターネット関連技術とビジネス事例の紹介』のテーマで、凸版印刷、ソフトバンクおよび富士ソフトABCの3社から各社の代表的な製品事例を、実際に各サイトの例を示しながらお話いただきました。
第1部(1)のMUSETRACKでは皿井講師から、インディーズやアマチュアのミュージシャンの楽曲を、RealAudioを使い配信する有料会員制サービス、試聴可CD販売、音楽情報等の内容と今後の展開についてのお話がありました。
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MUSETRACKは、あらゆるジャンルの音楽の発信を行うミュージック・オン・デマンド・サイトであり、次のようなメニューがある。
- ・ 音の試聴をはじめ、CDの購入ができる。
- ・ アーチストやレーベルに関する情報。
- ・全国のライブハウスに関する情報と、ミューズトラックに登録されているアーチストに関するライブ情報。
- ・リハーサルスタジオについての情報。
- ・各ページへのアクセス数や曲の試聴回数、売り上げなどによるデータを集計したミューズトラックオリジナル総合ランキング。
- ・このサイトで購入できるCDの情報、購入方法など。
- ・ ミューズトラックオリジナルレーベルに関する情報。音楽活動家にはデビューのチャンスがある。
- ・毎月更新されるオンラインマガジンでは、レコ評からイベント情報、ファッションやスポット情報など、独自の視点で情報を収集。
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http://musetrack.topica.ne.jp |
出席者からのご意見は、「興味の世界で使うには非常に有用だと思う」2件、「クラシック関係は充実しているのでしょうか」、「店でCDを購入するよりも何割か安いとか、発売日より前に聞くことができるなどのメリットが必要では」です。
第1部 (2)メタプラザでは、大尾嘉講師からインターネット上の3次元仮想空間街を提供。各人がアバター(化身)となって街に参加。他のアバターとの会話、ショッピング、イベント等も実施している現状と今後の展開についてのお話がありました。
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http://www.globewarp.or.jp |
インターネットの一つの新しいサービスとして3次元仮想空間の中をウオークスルーし、チャット(文字によるおしゃべり)を楽しむといった二つの物を融合したインターネット上のサイバーのビジネスの展開を図っている。
メタプラザ(MEETA PLAZA)とは、インターネット上の街〜3次元仮想空間〜を提供するサービスであり、ユーザーはアバターとなってこの街に参加し、そこで他のユーザーとの会話、空間の探索、各種イベント、バーチャルショッピング、ゲーム等を楽しむことができる。
青い空のもと、明るい地上の都市空間が3次元グラフィックス (3D Virtual Environment)で展開されている。公園や商店街で散歩やショッピングを楽しんだり、競技場ではサッカーボールで遊ぶことができる。飛行場では飛行機に乗って島へみんなで旅行に行くことがでる。また、同時に参加している他のユーザーに出会い、キーボードで話をする(チャット)ことができる。仮想世界での共通体験を実現するシェアドステート機能を実現しているので、一人のユーザーに起こったことが、他のユーザーに伝わる。例えば、あるユーザーがサッカーボールを蹴ると、他のユーザーにもそのボールの動きが伝わったり、また、みんなで飛行機に乗って旅行することもできる。
メタプラザによるソフトウェアのダウンロード、使用、ユーザー登録、サーバーへの接続など、すべて無料サービスである。
出席者からのご意見は、「会社PRとしては非常に効果は高いと思う。また、PR以外にも利用価値があるのではないか」、「空間での移動が早いのには驚いた」、「見た目は面白そうだが、テナントがもっと増えないと活用できないのではないか」、「ユーザーの立場で趣味の世界で使うには有用と思う」です。
第1部(3) Mapionでは、平田講師から、地図データベースシステムMapionの概要と潟Tイバーマップ・ジャパンにおける共同トライアルの位置付け及び、モバイル環境への対応、今後の展開についてのお話がありました。
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Mapionとは
- ・ 500メートル四方が1画面の地図を中心とした全国地図ディレクトリサービスである。
日本全国47都道府県の県庁所在地を中心に詳細地図(約28,000枚)を用意している。
- ・ 地図や検索条件から登録されているさまざまな情報にアクセスできる。
- ・ 発信したい情報を場所を示す地図付きで掲載できる。
- ・ ユーザーのホームページから地図や情報にリンクを張ることも可能である。
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(株)サイバーマップ・ジャパンとは
- ・ NTTと凸版印刷が共同設立したマルチメディアネットワークサービスにより新しいカタチの地域情報コミュニケーションを提供する会社である。
- ・ 中心となるのは、独自に開発したディジタル地図「サーバーマップ」とそのマップ上に情報を掲載できる仕組みの「マピオンサービス」である。
- ・ マルチメディア広告媒体として店舗や会社の最新情報を楽しく、詳しく発信できるため、幅広いターゲットから沢山のアクセスが期待できる。6月末現在で1日につき、約2万人、43万ヒット(約14万ページビュー)、月間延べ60万人が訪れる日本を代表する情報地図サイトである。
- ・ サイバーマップは、市内を1万分の1(500X500m)、市外を2.5万分の1(2.5X2.5Km)、全国を10万分の1(8X8Km)で表示している。地図上には文字だけでなく、店内や商品などの写真・イラストを同時に掲載でき、利用者は地理情報をさまざまな検索条件からアクセスできる。
- ・ サイバーマップは利用者に詳しい情報(電話番号、営業時間、休業日、雰囲気、サービス内容)や場所を伝えることができ、集客効果や利用者からの素早い反応が得られので、常に最新の情報発信ができる。
出席者からのご意見は、「面白そうなコンテンツである。サーチエンジンを地図と連動させたようなイメージである」、「さまざまな検索条件からアクセス可能であるので使い勝手がよさそうである」、「自社の財産(強み)を生かすビジネス展開に感心した」です。
第1部(4)出版コンテンツモール「Book Park」では、多良講師からBook Parkの目的、概要、課金システム(Bit Cash, NET-U)について及び、参加出版社のコンテンツ紹介、今後の展開のお話がありました。
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http://bookpark.topica.ne.jp |
Book Parkは、ネット上の出版コンテンツとネットワーク読者との出会いを創造するナビゲーターである。次の2つの課題を検証するトライアルを実施することを目的とする。(1)インターネットを媒体とした新たな出版形態の実験(出版コンテンツのネットワーク展開とビジネス化 ―小額課金システムの採用(Bit Cash、NET-U)―のお手伝い、既存出版物以外の新たなコンテンツ収入源の開発、既存出版物に対する有効な販売促進策としてのンターネットの活用)、(2)携帯情報端末/モバイルコンピューティングの普及を前提にした新たなコンテンツニーズの創出(出版コンテンツの新たな情報提供先としての携帯情報端末、携帯情報端末/モバイルコンピューティング用の新たなコンテンツをお客様とともに開発・提供、携帯情報端末向けデータ加工技術の開発)。
現在「Book Park」では2つのコンテンツコーナー(Publishers Contents、Contents Factory)から構成される。
Publishers Contentsは、出版社のコンテンツ提供コーナー、課金を前提に情報提供(一部無料)、課金システムはBit CashシステムとNET-Uシステムを採用、総合モールの運営によるスケールメリットを生かした展開が可能などである。
Contents Factoryは、現在準備中であり、デジタルコンテンツの新たなる提供事業を実験予定、出版コンテンツ以外の情報についても紹介予定である。
- Bit Cashシステムは、インターネット上で安全かつ簡単に使える小額決済システムであり、次の特徴がある。
- ・ 専用ソフトや読み取り機が不要(ひらがな16文字のカード情報の入力のみ)
- ・ ユーザー登録や会員申し込みが不要(書店やコンビニで1000円、2000円の2種類のBit Cashカードの購入により即利用可能)
- ・ 安全(匿名なので個人情報の送信が一切ない)
- ・ 即時決済(電子メールなどによる購入時の本人の確認が不要なので、即座にコンテンツが入手できる)
- ・ 低コスト(加盟店契約料および月額使用料等がない)
<情報とお金の流れ>
Book Parkへの参加のメリットとしては、参加費が無料、出版コンテンツの情報課金システムの開発、モール展開によるスケールメリット、大手情報家電メーカー各社とのマルチメディア共同実験、既存出版物との相乗効果による販売促進などがある。
<参加のイメージ>
また、デモとして「釣り情報」(辰巳出版/つり情報社)と「F1速報On The Web」(ニューズ出版)がありました。
出席者からのご意見は、「当社での利用価値がありそう。早速検討したい」、「セキュリティはどのように対策されているのでしうか」、「出版物には週刊誌〜百科辞典まで店開きすべきではないでしょうか」、「Bit Cashのシステムは面白い。ただ小額送金なのがネックだと思う」、「出版の形が変化していく方向を探る実験としての興味は大きい」です。
第2部 「COM-PATH」では、から、ソフトウェア、ハードウェア、周辺機器などの製品情報を提供するCOM-PATHの概要と、コンソーシアム会員会社への製品情報提供依頼がありました。
「COM-PATH」は、IPAのEC推進事業による「仮想展示会を中心としたECの大規模実証実験」プロジェクトにNTTデータ通信とソフトバンクの2社が参加して開発したものである。当プロジェクトの仮想展示会は、「COM-PATH」という名称で出展社およびユーザーにサービスを実施するもので、ソフトバンクが運営するパソコン関連製品とサービスのプロモーション・サイトである。
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http://com-path.virtualexpo.or.jp |
プロジェクトの目的は、インターネット上でのコンピュータ関連製品展示会の開催を通し、種々の情報検索方式や負荷検索方式や負荷分散方式の有効性を明らかにするための実証実験を行うことであり、その内容は、(1)真に利用者が求める情報を過不足なく提示すること、(2)情報へのアクセスが快適に行えること、(3)コンテンツの自動登録、である。
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COM-PATHはパソコン専門の常設仮想展示会であり、インターネットの利点を生かして、タイムリーで効果的なエンドユーザープロモーションが展開できる。COM-PATHならローコスト&タイムリーで効果絶大である。
- ・ 手間暇かけずに商品告知・・・情報をユーザーにタイムラグ無く、ダイレクトに届ける効果、広告や営業に携わる方の「手間」を肩代わりできる効果、が得られる。
- ・ 告知による効果は絶大・・・各方面から興味と称賛を頂いているサイトで、目立ちやすさは抜群である。閲覧者全員がPCユーザーのため製品情報に興味を持たないユーザーは皆無である。製品別の「Power Search」なら、固定ユーザー以外に各社商品の紹介が可能である。従って広告効果、潜在的ユーザーの発掘が容易である。
- ・ その他営業戦略に利用・・・プレゼント希望のユーザーをホームページへの招待など、利用方法は企画次第である。
出席者からのご意見は、「PC Week WIREのデータベース拡張版と思える。インターネットサーフインができなくなりそうで(情報が集中するので)個人的には抵抗がある」、「紙によるタイムログをなくし、新鮮な情報が手軽に見られる点がいい」、「登録料無料時期をもう1年延長して欲しい。(メンバーの数が課題)」です。
第3部インターネット電子決済「QQQ」では、岡部講師からクレジット課金処理を代行してくれる便利な電子決済システムQQQと契約することにより、リアルタイム決済が可能となるとのお話がありました。
QQQシステムとは、小口決済を中心としたインターネット電子コマースシステムであり、会員制による管理システムを採用している。その決済はQQQカード (1)QQQデジタル商品券(プリペイド方式、略称QQQ商品券)、 (2)クレジットカード、(3)FSIデジタル商品券(The FSI Network会員)を利用する。
QQQカード会員は、口座を開設により会員IDとパスワードの支給があり、バーチャル口座利用(金融機関に事前に入金によりQQQ商品券利用)とクレジットカード利用(事前登録)ができる。
加盟店は、QQQカード会員の利用できる店舗であり、デジタルコンテンツ販売と物品販売を行う加盟店が参加している。加盟店では、デジタルコンテンツ販売(ニュース配信サービスと情報ダウンロードサービス)と物品販売を行っている。
今後の展開として、会員2万人、加盟店500店舗を目指す(98年3月末)。
出席者からのご意見は、「非常に興味深かった」、「個人・法人としても興味がある」、「とても有用なサービスだと思う。是非利用したい」、「公開鍵」以外のセキュリティはどのようにしているのか知りたい」です。
セミナー全体へのご意見としましては、「内容が非常に興味のある分野であったので有益だった」、「もう少し時間を取って欲しい」、「現状の課題についての説明が欲しい」2件、「事例だけの話ではなく、実際にこういった所に苦労したとか、こういった事をやって作ってきた等をもっと沢山入れ込んでもらいたかった」です。
Windowsコンソーシアムに対する要望、意見としては、「会員同士のフリーディスカッションの場をセッティングして欲しい」、「このようなセミナーをどんどん催して欲しい」、「最近は"インターネット"の話題に押されて。"Windows"に関する話題が少なくなったような気がする」です。
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