活動報告


● 第61回セミナー(Active Platformコンソーシアム主催) 実施報告

日 時:平成9年8月22日(金) 13時30分〜17時00分
会 場:笹塚NAビルディングB1Fコンファレンスルーム
参加人員:78名
テーマ:Active Platform入門』
構 成:
 第1部 「Active Platformトレンド」
      株式会社エーエスピー
      代表取締役 鵜澤 幹夫 様
 第2部 「Windows NT Server 4.0/Enterprise Edition概要」
      マイクロソフト株式会社
      ビジネスシステム製品統括部
      サーバーOS プロダクトマネージャー
      山口 竜司 様
 第3部 「Active Platform情報」
      Windowsコンソーシアム会長 松倉 哲

 
 第1部の鵜澤講師には、95年5月(33回セミナー)、7月(35回セミナー)の「OLE2」以来久しぶりに、ActiveXをベースにした色々なテクノロジー ―クライアント側、サーバー側を含めて― の最近の動向についてお話をいただきました。

 
 鵜澤講師
 「ActiveX以前のOLEの頃からObjectのテクノロジーを追いかけていた95年秋位、丁度VC++4.0、VB++4.0の出揃った時期でようやくWin32でしかもOLEの技術を使ってプロダクトが作れると思った矢先の12月にマイクロソフトがインターネットへの大転向を図ったため大分ビジネス的に空振りがあった。」との出だしで始まり、以降MSネットワーク戦略のシフト、Web出現の以前と以後のクライアント/サーバーの違い、Active Platformの全体像、ActiveX開発環境、Active Client、Active Serverと最近の動向についてOLE、ActiveXに精通する鵜澤講師独特の分析をまじえたお話がありました。
 Active Clientでは、Javaの環境にとっても同じことだが従来のスタティックWebクライアントとの一番の違いは、プログラムをクライアント側にダウンロードして、そこで走らせていく、そのためのスクリプトエンジンがクライアント側(ブラウザーの中)に実装される点が一番重要な定義ではないかと考える、とのことです。
 以降、Dynamic HTML、Document Object、Active Document、IE Browser Object、DOM Access、OLEアーキテクチャーによるコンポーネント化、Active Server Pages、ActiveX Database Object、Active Server Scripting、Commerce Server、MS Java VM、AFC(Application Foundation Class)関連と、ActiveXをベースにしたさまざまな最新テクノロジーのトレンドをお話されました。
 「OLEアーキテクチャーによるコンポーネント化」のお話では、これからのアプリケーションをデザインする際には、オブジェクト化、コンポーネント化することによって初めてダイナミックHTMLのような別のオブジェクトテクノロジーとの融合がスムースに行き、可能になる所だと思う。よくJavaだActiveXだと言われ、Beansを見てもそうだが、これからは異なるオブジェクトモデル同士のラッピング(包み込み)とかオブジェクト同士のインターラクションといった所にフォーカスすべきテクノロジーは移っていくのではないかと考えている、とのことです。
 最後に、「今までのパッケージビジネスは、もう様変わりせざるを得ない状況になってきていると思う。PCだけの話ではなく、メインフレームを含めて技術とマーケティング、ビジネスが絡み合ってずーっとマーケットを作り出して来たわけであるが、継ぎ足し、継ぎ足しで来たのが今までであって、恐らくこの大きな変革期というのはそういったものを根底からもう一度デザインし直して、きれいに整理しようという含みがある。マイクロソフトだけでなくJavaの考えもそういった所を目指していると思うが、非常にビジネス自体は大きく変革していくことになり、新しいソフトビジネスが一体どこにあるのか、今までの固定概念にとらわれずにもう一度考え直す時期に来ているのではないかとエーエスピーは思っている」と結ばれました。

 出席者からは、「MSの展望も含めて技術的な戦略に特に興味を持った」、「今までの切り口と変わっていて分かりやすかった」、「内容が基本的であった。次回に期待」2件、「もっと詳細な技術的な内容を期待していた」、「最初に予定されたテーマ(ActiveXとCOM)をとても期待していたので残念であった」2件、他に「話が雲を掴むようなイメージで具体性に欠け、つまらなかった」とのご意見がありました。

 
 山口講師
 第2部の山口講師からは、Windows NT Server 4.0/Enterprise Editionに含まれる技術的内容のお話がありました。なお、発売時期、価格については未定とのことです。

 OSそのものについては現在あるスタンダード版とそれほど大きく変わらないが、カーネルに若干手が加えられている。(1)SMPが今までの4CPUから拡大されて8CPUサーバーまでサポートされる、(2)ユーザーが使えるメモリの領域が増える、これを4GB RAM Tuningと称する、(3)Enterprise Editionの一番の主要な機能となるのがMicrosoft Cluster Server(開発コードWolfpack)である、(4)現在提供されているMicrosoft Transaction Server(MTS)が含まれる、(5)新しい機能として Microsoft Message Queue Serverが含まれて出荷される。Enterprise Editionには、3つの大きな機能(Transaction Server、Message Queue Server、Cluster Server)が含まれることになるが、この意味は、(1)NTの信頼性を上げること、(2)ミッションクリティカルなアプリケーションを構築するために最低限必要な機能がEnterprise Editionにすべて含まれること、である。
 Enterprise Editionにより業務で使われるファンクションのほぼ90%位は提供できると考えている。信頼性を向上するためにはCluster Server、非同期メッセージの通信の部分にMessage Queue Server、トランザクションの部分にTransaction Server、その他にもBackOfficeが一体となって企業情報システム向けのインフラを提供する。
 以降、Enterprise EditionのコンポーネントであるMicrosoft Transaction Server、Microsoft Message Queue ServerおよびMicrosoft Cluster Serverについて、何故必要か、アーキテクチャーなどについての詳細な説明が行われました。特に、Cluster Serverの説明において、クラスターシステム構築の比較では、UNIXでは、(標準化された手法なし、技術的に複雑、シェルスクリプトの開発が必要、専門家のサポートが必要、サブシステムの対応はほとんどない)「高コスト」になるが、Windowsでは、(標準化された手法、容易な設定、シェルスクリプトの開発の必要なし、ユーザーにて設定可能、サブシステムとしてBackOfficeおよび数多くの3rdパーティの製品が対応している)「低コスト」となり、生産管理システムへの適用例では、低価格で信頼性が上げられるとの解説がありました。

 出席者からは、「Enterprise版に含まれる機能についての情報を得られたのが本当によかった。今後の検証に役立つ」、「強化された機能などがよく理解できた。今後自分の業界でも使われていくのだろうと思った」、「分かりやすい図が大変よかった。できればデモを作って欲しかった」の他、「もっと深く技術的な内容に触れて欲しかった」、「専門的な単語が不明のため説明が欲しかった」のご意見がありました。

 
 松倉会長
 第3部の松倉会長からは、Active Platformについて各種情報の掲載されているURLの紹介がありました。Windowsコンソーシアムのホームページhttp://www.wincons.or.jp/の「Active Platform Consortium」から容易に参照できるので、是非活用して欲しいとのことです。


 
● 基礎編
・Active Platform解説
  http://www.microsoft.com/japan/developer/actvplat/platform.htm
・ Active Platformとは
  http://www.microsoft.com/japan/developer/actvplat/apwhat.htm
・誰がActivePlatformをサポートするのか
  http://www.microsoft.com/japan/developer/actvplat/apwho.htm
・Active Platformを選ぶ理由は
  http://www.microsoft.com/japan/developer/actvplat/apwhy.htm
・Active Platformの使用方法
  http://www.microsoft.com/japan/developer/actvplat/aphow.htm
・Active Platformに関するFQA
  http://www.microsoft.com/japan/developer/actvplat/apfaq.htm

● イベント情報
・1997年2月東京Active Platform Developers Conference
  http://www.microsoft.com/japan/developer/events/apdc/
・1996年11月東京 Exchange Developers Seminar'96
  http://www.microsoft.com/japan/developer/events/eds/

● 実験室
・ActiveX実験室
  http://www.lint.or.jp/~tomo/actxlabo/activex.html
・ASP利用報告
  http://www.nse.co.jp/ASP/2.html

● 情報
・BackOffice通信
  http://www.computerwave.co.jp/bo/no5/bo1.htm
・Interactive Developer日本語版
  http://www.microsoft.com/japan/winds/mins/mins.htm
・PC Developer Network
  http://www.int21.co.jp/pcdn/vb/noriolib/vbmag/10/ntvb/

● 無償ダウンロードサービス
・Microsoft
  http://www.microsoft.com/japan/download.htm

 出席者から、「勉強や参照すべきWebページの紹介は今後に活かさせてもらう」、「初心者にうれしい情報だった」のご意見がありました。

 セミナー全般については、「Transaction Server、Site Serverなどのデモを含めたセミナー」、「DCOMに関するセミナー」、「ActiveXを使ったアプリケーション開発の技術情報に関するセミナー」、「Active DirectoryやNDS for NTを中心としたディレクトリサービス関連セミナー」、「Windows NT5.0/Windows 98のアーキテクチャーについて」のセミナーの開催希望、「講師が熱心に説明してくれたので非常に有益だった。主要な話が自分の業務に直結していたのでポイントを押さえることができた」、「分かりやすく非常に役に立った。今後もDeveloper向けのセミナーには参加したい」、「ビジネスで利用できる(品質面、保証面)COMの紹介やそのような開発を行っている会社との交流ができる場所を提供していただきたい」、「いち早く最新情報について分かりやすい解説が欲しい」のご意見をいただきました。


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