活動報告


●第58回セミナー (ビジネス・インターネット委員会主催)実施報告

日 時:平成9年5月15日(木) 13時00分〜18時00分
会 場:工学院大学(東京西新宿) 11F第5会議室
参加人員:92名
テーマ:『Developer Days In Wincons』
構 成:
 ご挨拶  Windowsコンソーシアム会長  松倉 哲
      (マイクロソフト公認Regional Director)
 第1部 『キーノート/Visual Studio 97の紹介』
      マイクロソフト株式会社
        ソリューションデベロッパー事業部副事業部長
        デベロッパー製品部部長
        三ヶ野原 敏郎 様
        マイクロソフト株式会社
        ソリューションデベロッパー事業部
        デベロッパー製品部
        Visual J++、Visual Studioプロダクトマネージャー
        鈴木 裕巳 様
 第2部 『Visual Basic 5.0』
      富士ソフトABC株式会社
        教育センター  青木 友恵 様
 第3部 『Visual J++ 1.1』
      富士ソフトABC株式会社
        技術調査室 室長  山本  淳 様
        教育センター    青木 友恵 様
 第4部 『Visual InterDev』
      富士ソフトABC株式会社
        技術調査室 室長  山本  淳 様

 

 
 松倉会長
 まず、松倉会長からの挨拶。

本セミナーはこの4月15〜16日に実施された「Microsoft Developer Days 1997 Tokyo」の内容から開発者が特に興味を持つセクションを厳選した形で開催するものである。セミナー内容は、Visual Studio 97の環境下においてVisual Basic5.0とVisual J++1.1を開発ツールとし、ダイナミックなWebアプリケーション構築のための統合Webサイト開発システムVisual InterDevによってイントラネットを構築するという点に焦点をあてデモを交えて説明させていただく。最新技術情報習得の場として、今後の製品開発に大いに役立てていただきたい。


 
 
 三ヶ野原講師
 第1部では、三ヶ野原講師からMicrosoft開発環境戦略とVisual Studioのコンセプトについての講演が行われました。

Developer Daysは、米国Microsoft本社で3月19日から始めたイベントであり、Microsoftの新しい技術情報をデベロッパーの皆さまにお伝えすることにより、一番基となるプラットホーム作りをしていただくためのものである。開発環境戦略については、一昨年12月のMicrosoftのインターネット対応製品の発表からその取り組み方、ActiveXテクノロジー、Activeプラットホームの提唱していることなどについての説明がありました。Visual Studio 97は統合開発ツールであり、Professional Edition(Visual Basic 5.0、Visual C++ 5.0、Visual InterDev 1.0、Visual J++ 1.1、MSDN Library CD VS 97 Editionの製品群から構成される)とEnterprise Edition(Professional Edition+Design time、Run time)がある。Visualシリーズはただ箱を1つに集めてパッケージしたのではなく、その開発環境を統一して組合わせて有効に使うところがVisual Studioの1つのポイントになっている。特にRun timeにはSQLサーバー、Transactionサーバーの開発者向けのEditionが入っているので、このパッケージ1つで通常想定されるWindows環境でイントラネットを構築するようなシステムは全て網羅されているという形で製品構成を考えている。


 
 Visual Studioにある∞のような図は、ある意味でイントラネットとインターネットがうまく有機的につながっているというような位置づけ、またインターネットプラットホームと個人や企業内で使うWindowsプラットホームを幅広くサポートしている意味で使っている。
 Visual Studioのゴールとするところは、(1)クライアントサーバーとインターネットの統合、(2)オブジェクトモデルの確立(COM)、(3)完全なツールとソリューションの提供、である。Visual Studioは、コンポーネント、ソリューションおよび企業システム開発に不可欠な環境であるとの説明後、コンポーネント開発ではクライアント群、サーバー群について、企業システムツールではデータベース・トランザクション、チームデベロップメントについての事例が示されました。

 
 鈴木講師
 続いて、鈴木講師からVisual Studioの中に含まれるコンポーネント、Visual C++、Visual J++、InterDevがどう統合されているかについての説明がデモを交えて行われました。


 
 
 青木講師
 第2部 では、青木講師からVisual Basic 5.0新バージョンの全貌を「Visual Basic 5.0製品概要」、「VB5.0のポイントはここだ!」、「VBで簡単なプログラミング」、「今度のVBは速いぞ!」、「さあ、ActiveXコントロールに挑戦!」、「あっという間にActiveXドキュメント」、「VBでインターネット気分」、「なんてすばらしいウィザード」、「言語仕様、何が変わった?何が便利なの?」と分け、簡単なデモを交えながらの流れるような講義には、女性らしさの細やかさと専任講師でならではのポイントの突っ込みがあり、今までのコンソーシアムセミナーとは一色違うところがってあって大変好評でした。


 
 
 山本講師
 第3部では、山本講師からVisual J++1.1とJavaを取り巻く環境について次の項目の説明がありました。 「Javaとは?」、「MicrosoftのJava戦略」(Javaに最適なランタイムの作成、最良のクラスライブラリの提供、開発者へ選択肢の提供、最高の開発ツールの作成。JavaはMicrosoftにとって全てではなく、多数の言語・スクリプトの中の一つの選択肢としてJavaコンポーネントスクリプトを提供している)、「Microsoftの仮想マシン」、「開発者の選択レンジ」、「Visual J++1.1に対する顧客の要求」、「Visual J++1.1設計の目的」、「Visual J++1.1の機能」(100% Java互換、開発環境、拡張性)。続いて青木講師から、アプレットのビルド、再利用可能なコンポーネント作成のデモとトレーニングとリソースについて紹介がありました。

 第4部では、山本講師から統合化Webアプリケーション開発システム「Visual InterDev」 についての説明がデモを中心として行われました。「5年以内に企業情報とアプリケーションの ほとんどがWebクライアントを通してアクセスされる」という報告があるが、Webアプリケーション 作成は今までのツールでは簡単でなく、開発者はツール不足で絶望状態であった。開発者からは、 高度なプロダクティビティのための統合化されたツールがオープンアーキテクチャなもの、スケー ラブルソリューションなものとして要求されていた。 それに対してMicrosoftが出した答えが統合化Webアプリケーション開発システム「Visual InterDev」 であり、その設計目標は、(1)HTML/HTTPベースのアプリケーション開発のためのビジュアルな開発、 (2)Active Server Pages(ASP)構築の最良の方法、 (4)包括的なデータベースツール、 (5)マルチユーザー、チーム単位の開発、 (6)拡張性 である。以降ASPの迅速な開発、データベース開発、クライアント側の開発およびパブリッシングのサポートなどさまざまな機能が用意された9本のデモによって具体的に示されました。

 ここで、受講の方からいただきましたアンケートをご紹介いたします。
 第1部『キーノート/Visual Studio 97紹介』では、「Visual Studio97の機能概要についてよく理解できた」4件、「よりシステム構築を行いやすいStudioだということが分かった」の他、「宣伝が多い」、「もっとデモの時間を長くして欲しかった」、「デモ版でも配布した方が分かりやすいのではないか」、「VCやVBを統合する目的、意味があまり理解できなかった」のご意見がありました。
 第2部『Visual Basic 5.0』では、「新しい機能についての内容がデモを交えて非常に分かりやすい説明で聞けたので、とてもよく理解できた」8件、「VB5の良さが十分理解できた」、「VBでの製品作りの可能性が大きくなったと感じる」、「開発経験がないが、今後の開発に非常に有効であると感じた」、「VBを使ったことはないが、よく理解できる内容だった。デモを見て今後使ってみようと思う」、「開発環境は自分でやる前に、デモを見て感じをつかむのが有効だと思った」、「VB4を少しやろうと考えていたが、VB5のアップグレードに感心した。インターネットでも有効なので是非使ってみたい」、「VB5を使用することによる有効性や機能及びVB4からの変更点などが理解できた」、「より開発者にとって使いやすくなっている。ユーザーの必要な仕様部分に力を入れて改良している」、「本当に高機能なのでびっくりした。VCユーザーとしては複雑な気持ちです」、「デモも楽しく、分かりやすい説明であった」との有用とのご意見が大変多く見られました。他には、「幅広い情報を得るために、もっとデモに時間をとって欲しかった」、「処理速度が非常に速くなったことには驚いた。今回のデモではVCとの処理時間の差があまりなかったが、これがユーザーアプリケーションになった場合にこの時間差がどう変化するかを見ていきたいと思う」のご意見がありました。
 第3部『VisualJ++1.1』では、「デモが分かりやすくよかった」2件、「MSのJavaへの取組み方(戦略や機能)が理解できてよかった」4件、「デモによりJavaの開発環境がVCと同じであることが理解できた」、「今まで少し目をそむけ気味だったJavaだが、思ったより受け入れやすいことに気がついた」、「ActiveXコントロール+Javaは面白い」、「ActiveXとの親和性等にMSらしさを感じる。VC++に慣れている開発者には非常に有効であろう」の他、「デモをもっと多く取り入れて欲しかった」2件、「Javaを使用する優位性について聞きたかった」のご意見がありました。
 第4部『Visual InterDev』では、「実例をまじえた説明で大まかな点は理解できた」、「現在やこれからの業界やMSの動向を聞くことができてよかった」、「今後の社内での構築の参考になった」、「Visual InterDevを使用することでWebアプリケーションの開発が容易になるなど、機能や有効性がよく理解できた」、「初めてInterDevについて詳しく聞いたがとても便利だということが分かった」、「イントラネット構築で今までのツールと違い、使いやすそうに思う」の有用との他、「時間が不足。中味の時間配分を考慮して欲しい」、「ASPについての話が少なかったので非常に残念」、「最も新しいツールなので時間をもっと取って、準備を十分にして説明して欲しかった」、「デモ時間が短い。1日くらい必要なのではないでしょうか」、「非常に面白い。この項目+ASPで1日分のセミナーをやって欲しい」のご意見がありました。
 セミナー全体としては、「内容的に非常に充実しており、参考になった」、「デモが多く取り入れられていたので、よく分かった」7件、「今回のテーマは主に開発者プラットホームであったため、とても参考になった」、「MSの最新情報が得られ役立った」2件、「実際の使用にそった形での説明が多かったので、非常に有用だった」、「今回説明があった製品の使用による開発者の作業の軽減や各機能について理解できた」、「どの言語も同じ開発環境で作成しているのでとても受け入れられやすいと感じた」の有用との他、「全体として時間が短い」、「それぞれのツールの説明にもっと時間をさいて欲しかった」、「セミナー内容が少し多すぎる」、「話より実際のデモを多くした方が理解しやすいと思う」、「今回のセミナーはとても有功であったが、各プログラムの時間が不足」2件、「1つの分野でのセミナーを開いて欲しい」と多くのご意見をいただきました。
 また、セミナーに対する要望としましては、「初めて参加したが有意義であった」 2件、「とても良いセミナーであった。また参加したい」3件、「中立的な立場でこれからもやって欲しい」、「今後も活動の活性化を望む」2件、「今後もタイムリーなテーマのセミナーを希望」、「月2回くらいの開催を」のご意見がありました。
ありがとうございました。


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