活動報告


● 第56回セミナー(マルチメディア専門委員会主催)実施報告

日 時:4月16日(水) 13時30分〜17時00分
会 場:テラホール/B1Fテラハウス(JR東中野駅前)
参加人員:60名
テーマ:「Windows 9Xのマルチメディア技術」
構 成:
 第1部 『Microsoft Windows 9Xのマルチメディア技術 ― DirectX5、Active Movie 2.0の紹介』
     マイクロソフト株式会社 インターネット事業部
     ゲーム・テクノロジー・エバンジェリスト 森 栄樹 様
 第2部 『Apple社のWindowsにおけるマルチメディア技術と新しくなった
     QuickTime for Windowsの紹介』
     アップルコンピュータ株式会社 デベロッパ・リレーション本部
     デベロッパ・テクニカル・サービス
     課長 矢内 健治 様
 第3部 『MMX Technology for Business― ビジネス分野への展開』
     インテル株式会社 マーケティング本部
     アプリケーション開発支援部 シニアエンジニア
     菅原 清文 様

 第1部では、森講師から(1)「Windowsマルチメディアマーケット」、(2)「DirectXテクノロジー」、(3)「DirectX 5」、(4)「DirectX 6」、(5)「ActiveMovie 2」、(6)「Windows CE」およびに(7)「Windowsマルチメディアの将来」についてご説明いただきました。

 
 森 講師
 まず(1)では、家庭市場でのWindows PCの急速な普及(94年350万台、97年予測878万台)、マーケットの 国際化、PCの表現力の急速な進歩等により、マーケットの急速な成長が期待できる。(2)では、DirectXの 意味、メリット、コンポーネント、Foundation、Foundationサービス、メディアプリミティブ、Xファイル フォーマット、リリース状況(97/2にDirectX 3b SDKリリース)等について説明がありました。(3)では 、DirectX 5は次のDirectXのメジャーリリースであり、6月に正式リリース、MemphisとWindows NT5.0で完 全統合される。DirectX 5の目的は、使用感の改善、ISVの使いやすさの改善、パフォーマンスの向上およ び新しいハードウェア(マルチモニター、USB、ビデオポートエクステンション、AGP、HELのMMXオプティ マイズの拡張、3Dサウンドのハードウェアサポート、フォースフィードバック・ジョイスティックなど) の対応である。(4)では、予定として、Talisman(新しい3Dテクノロジーの呼称)の完全サポート、圧縮 テクスチャ、一つのポリゴンに複数テクスチャ、バンプマッピング、ExecuteBufferの最適化、MMX最適化の さらなる拡張、DirectMusic等の機能追加および拡張がある。(5)では、ActiveMovieとは、ストリーミン グメディアのための新しいアーキテクチャであり、DirectX Foundationによるハードウェアアクセラレー ションである。ActiveMovie1は、ビデオ再生にフォーカスしており、ソフトウェアMPEGであるが、Activ eMovie2は次のActiveMovieのメジャーリリースであり、Internet Explorer4.0に含まれて正式リリースさ れる。また、MemphisとWindows NT5.0では完全統合される。機能としては、開発のしやすさ・移植性の向 上、新しいハードウェア(リアルタイムビデオ入力)への対応、フィルタの充実、ツールの充実、また Javaクラスライブラリ、DVDの対応、VideoCD2の対応を行う。(6)では、CEのハード、ソフトとWindows情 報家電への展開についての説明が、また(7)では、Windowsマルチメディアの方向(PCマルチメディア の基本、ゲームプラットホームとしての成長、今後広範囲なマルチメディアサポート)、マーケットの 拡大、MSのソリューション(プラットホームの更なる改善、従来のDirectXをベースに拡張、ハイレベル メディア(DirectX Media)のサポート、DirectXの適用領域はインタラクティブ・コンテンツ(WWW、C D-ROM,DVD)、エンターテイメント(リアルタイムゲーム、マルチプレイヤーゲーム)、マルチメディア コミュニケーション(リアルタイムテレカンファレンス)、放送用機器(映画、ビデオ、メディアサー バー、ActiveDesktop)と非常に広範囲にわたる。
 また、コンタクトインフォメーションは、次のアドレスです。
・DirectXに関する最新情報の入手
 http://www.microsoft.com/directx
・Microsoftサポートネットワーク
 http://www.microsoft.co.jp/pss/oj_snet.htm
・DirectXベータテストのお申し込み
 (要NDA、レポート義務) kkdxinfo@microsoft.com
・ActiveMovieベータテストのお申し込み
 ambeta@microsoft.com(英語のみ)
・その他のご意見、ご要望、お問い合せ
 morih@microsoft.com

 
 矢内講師
 第2部の矢内講師から、「QuickTime 3.0 for Windows」の製品発表はしたが開発途中のため今日のセミナーでは、Macintosh版であるがlook and feelは極力Windowsインターフェイスに近づけて説明とデモを行いたい。QuickTime 3.0の製品版がでたときは、Windows/Macintosh版とも基本的にはAPIも同じでそのまま使えることができる、とのことわりがありました。
 QuickTimeはAppleが開発したデジタルメディアを統合的に扱うためのソフトウェア・アーキテクチャであり、QuickTimeを使うと特別なハードウェアを追加せずにソフトウェアだけでビデオ、アニメーション、サウンド等のダイナミックデータを容易に統合したり、変更を加えたりすることができる。従ってこれを使うことによりデジタルコンテンツのクリエーション、出版、ブラウザが非常に簡単にユーザーに提供できる。QuickTimeが扱うファイルフォーマットは標準フォーマットがQuickTime Movieと呼ばれ、この中にビデオ、サウンドなどのメディアを含める構成になっている。もう一つのQuickTimeの特長として、いろいろなメディアの同期処理(時間の管理)を行うことである。そういったデジタルメディアを扱うための一貫したユーザーインターフェイスを提供する機能がある。
 QuickTimeは、91年にMac版が1.0として発表され、それ以降6年以上にわたって機能強化がされている。つい先日3.0版を発表してこれによってQuickTimeはWindows/Macintosh両プラットフォームで全く同一の機能を提供することになった。3.0ではいろいろなデジタルメディアを追加して、あらゆるデジタルメディアを扱うことができるようになっている。
 以降QuickTime3.0のコンポーネントアーキテクチャ、ハードウェア、プラットホーム、メディアタイプ、デジタルキャプチャ・メディアタイプ、デジタルメディア・ファイルフォーマット、圧縮データフォーマット、エクスポートフォーマットなどについてデモを交えながらの説明が行われました。
 特に重要な用途としてのQuickTime Media Abstraction Layerは、ソフトウェアコンポーネントのかたまりで、アプリケーションが関数を呼び出すことによりQuickTimeが提供するいろいろなサービスを受けることができ、アプリケーション・レイヤーでは特にハードウェアの詳細を全く気にせずに基本的なメディアの扱うことができるとのことです。

 
 菅原講師
 第3部では、菅原講師から、(1)MMXテクノロジPentiumプロセッサ、(2)MMXテクノロジの特徴、(3)命令セット 、(4)データタイプ、(5)ソフトウェアモデルの説明が、またデモとして開発支援ツールであるVtuneについて 行われました。
 (1)では、PentiumとMMXテクノロジPentiumとのハードウェアの大きな違いについて(1次キャッシュ サイズ、書き込みバッファ、リターンスタックバッファ、パイプライン段数、プロセッサコア動作電圧な ど)、続いてMMXの特徴についての説明がありました。特に動作電圧では、3.3Vから2.8V<ノートブックス ペックでは2.45V>となり、消費電圧と発熱量が少なくなっているので、マザーボードが2.8V供給対応とな っていればお手持ちのシステムをMMXプロセッサに置換えられる。(2)では、SIMD(Single Instruction Multiple Data)命令群<1つの命令で複数の命令を処理するアーキテクチャ。従来の86系はSingle Inst ruction Single Data:SISDと呼ばれる>として57個の新命令を追加し、複数のデータを1命令で並行処理 する。また、飽和演算・比較演算命令では条件分岐の必要性を減少、8本の64ビットレジスタを追加して 、従来のソフトウェアと100%互換を持ち、性能比較ではマルチメディアアプリを1.4〜4倍高速化した。特 にイメージ処理では4倍と非常に性能が上がっているが、Pixcelとか16ビットの固定データで処理するこ とができるので、Packed Dataの概念に向いた処理である。(3)では、命令はある特定の処理向け用にパフ ォーマンスを上げる考え方は採用せず、なるべく広範囲の命令を使っていただけるように汎用的な命令が 選ばれて追加された。特長的な命令としての「積和演算」は、1つの命令で乗算とそれの累積を行う機能を 持つものである。(4)では、Packed Dataタイプは新たに追加されたものでり、64ビットの幅を4つのデー タ(Packed Byte、Packed Word、Packed Double Word、Quad Word)のタイプに分けて処理することがで きる。(5)ではMMX命令セットは新たなユーザーステートはないので、全ての動作モード、特権レベルから 使用可能である。タスクスイッチ時MMXはFP命令として扱われる、FP命令がペンディングされている場合、 MMX命令は例外16を発生する、ソフトウェアでMMXテクノロジの有無はCPUID命令で認識する。この命令に付 けるDLLはインテルのWebサイトのDeveloper ToolのCPUID項目にソースコードのDLLが公開されているので 、参照して欲しいとのことです。続いて命令(文法、加算、掛け算、積和演算、データ変換、シフト、比 較、MMXステートのクリアのためにに使うEMMS)について詳しい説明が行われました。MMXの命令セットを どのように有効に活用するかについては、アプリケーションの設計でパフォーマンスを上げる(大量の演 算を処理するためにサブルーチン、ライブラリ、DLLにするなど)、既にMMXに最適化されているライブラ リを利用する(Indeoビデオ、各ベンダーから提供されているMMX技術に最適化されたライブラリ、APIの利 用)、アプリケーションをMMXコードに書き換える(開発にはアセンブリ言語でプログラミングが必要、V tuneツールなどの利用)の3点からの説明がありました。
 最後に、コンピュータベースのトレーニングツール「Vtune」についての説明とデモがありました。 「Vtune」の英語版パッケージには4種類、 (1)MMXのテクノロジを紹介したもの、(2)Pentiumプロセッサのア ーキテクチャを紹介したもの、(3)Pentiumプロセッサの最適化を紹介したもの、(4)Pentium II への最適化 を紹介したもの、がサポートされ、既に全てが日本語版になっている。現在どのようにデリバリを するのかを検討しており、恐らく1つのCDに焼いて5〜6月にはお届けできる形式になると思われる。 「Vtune」非常に使いやすいツールであると、機能と操作法についての具体的なデモが行われました。 また、「Vtune 2.1日本語版」は、3月22日からエクセルソフト株式会社より発売されており、エクセ ルソフト社のWebサイト(www.Exelsoft.com)に2週間限定のお試し版がアップロードされているので (12MB)試用できるとのことです。
 なお、インテルジャパン株式会社から「MMXテクノロジー オフィシャルガイド」( SOFTBANK BOOK、菅原清文著)が抽選により出席の皆さんにプレゼントされました。

 ここで、出席の皆さまからのアンケートをご紹介します。
 第1部では、「DirectXが分かりよかった」2件、「全体の流れが理解できた」、「Direct Sound、Direct Musicなどに関する説明がもっと欲しかった」3件、「もっとデモを増やして欲しい」、「直接ビジネスには関係なかったが、今後の動向に注目したい」、「有用な新情報が多かったが、詰め込み過ぎ」、「PC内臓ゲームマシンはよかった。旧マシン(Memphisアップグレード)へのDirectX 5の提供は?」、「CEをエンターテインメント&マルチメディアに含みたいとのことでしたが、CEにはDirectXを含むのか?」、「テーマのマーケットとテクノロジーの展望については大体掴めた」。
 第2部では、「デモ主体でよく理解できた」3件、「すごいの一言、Windowsでも同様のパフォーマンスを実現していただきたい」、「非常に面白かった」、「今後の機能強化も期待」、「マルチメディアコンテンツ開発上、QT Movieは使用しているので興味深く聞けた」、「結構いろいろなメディアに使えるので、コンテンツの内容に広がりが期待できそう」、「QTW3.0の実状の内容が見たかった」、「Windows版のパフォーマンスが見たかった。ハードウエアとの関連も知りたい」。
 第3部では、「MMXの具体的な話が聞けて、有用だった」8件、「VTuneデモの紹介が興味深い」、「チップメーカーさんのプログラムはよい」、「MPEG2のデモのQualityスピードはあまり良くなかったと思う」、「単純そうではないのでチューニング工数がどの程度になるのか考えてから対応したい」、「コンパイラサポートが欲しい」、「MMX対応アプリ事例の紹介を増やして欲しかった」、「サブタイトル『ビジネス分野への展開〜』と若干内容が異なっていたのではないか?」。
 セミナー全体では、「デモが多く分かりやすく、とてもよかった」2件、「幅広い知識を得ることができた。それぞれの内容の深さに対して時間が少々短かったと思う」、「今回の内容は面白かった。メンバーがすごい。また、おまけの話がよかった」。
 今後希望するセミナーとしましては、「Direct3DやDirect Drawなどにターゲットを絞ったセミナー」2件、「DirectXのゲーム以外の応用事例」、「マルチメディアコンテンツ開発者向けのセミナー」、「Netshowなど画像関連やMIDI関連のセミナー」、「DCOM/ActiveX等のインターネット環境での利用について」、「NTサーバーの説明と今後の展開、NTを使ったシステム事例」、「Windows CE関連」2件。
 Windowsコンソーシアムに対する要望、意見としましては、「今後も新技術のビジョン等をお願いしたい」、「もう少し技術的に詳細なセミナーを希望」、「配布資料の電子化を望む」。


 
● 第57回セミナー(セミナー企画委員会主催)実施報告

日 時:4月25日(水)13時30分〜17時00分
会 場:テラホール/B1Fテラハウス(JR東中野駅前)
参加人員:110名
テーマ:「Adobe Acrobatとインターネットツール」
構 成:
 第1部 『AcrobatとPDF技術』
     講師:アドビ システムズ株式会社
        APGマーケティング マネージャー 鴨打 孝之 様
 第2部 『PDFの作成 〜Webへの配信(デモと解説)』
     講師:アドビ システムズ株式会社
        APGマーケティング マネージャー 鴨打 孝之 様
        APGセールス セールスレプレゼンタティブ 藤原 正三 様

セミナー会場
 

 本セミナーは会員会社の他にJEPA、NetPubの会員にも多数のご参加をいただきました。
第1部では、鴨内講師からAcrobatの基本的な機能について次のような紹介がありました。

 
 鴨打 講師
 タイミングよく昨日のプレスリリースでAcrobat 3.0Jの発売は5月9日と発表された。Acrobatはワープロのようにドキュメントを作るという明確なものでなく、環境を与えるソフトウェアである。Acrobatの利用により、各種ソフトウェアで作成したあらゆる種類の書類(ドキュメント)をオリジナルのレイアウトを維持した形で電子配信が可能となる。「電子配信」とは紙に印刷できるようなドキュメントを作った場合、イコール コンピュータの上でデジタルファイルとして保存が可能であり、このファイルをインターネット、電子メールに添付して、またMOに記憶して相手に送ることである。受け取った相手はそのファイルをもう一度アプリケーションを使って開いて表示してみて利用したり、印刷することができる。
 現実問題として不特定多数にファイルを配ることは現在皆が利用できる状況ではない。今までさまざまな環境(プラットホームの違い、ファイル形式の違い、フォントの違い)により、利用できない状況であったが、Acrobatではこれらの依存性(作成時に使用した機種、作成したアプリケーション、使用したフォント)を取り除くことができるようにした。AcrobatによりドキュメントをPDF (Portable Document Format)化、フォントの置き換え、埋め込みを行う。PDFは、アドビシステムズが提唱して一般に公開されたファイルフォーマットでPostScript技術を基本にしており、クロスプラットホームのファイル形式をとり、HTMLとともにインターネットの標準ファイルである。また、約1/10〜1/40の高圧縮率を持つ。PDFファイルの作成は、「プリント」コマンドでプリンタの代りにAcrobat Distillerを選択するだけでよい。実例サンプルがAcrobatカタログ、マニュアル、新聞により、事例として米国政府、インターネット電子新聞(ロスアンゼルスタイムズ紙、ニューヨークタイムズFax紙、PCWeek誌、読売新聞、大日本印刷、凸版印刷)、広告配信、電子出版、電子マニュアルCD-ROM等の紹介がありました。
 なお、本日のセミナー出席者にはアドビシステムズ株式会社より後ほど「Adobe Acrobat 3.0J」が送付されるとのことです。

 第2部では、Acrobatを支えているインターネット上のアプリケーションである「Frame Maker 5」、「PageMill 2.0J」の2製品について説明が行われました。
 先ず、藤原講師からFrame Makerソフトウェアの機能をPDFドキュメントを実際に作成しながらデモを中心に行われました。
 
 藤原講師
 Adobeは95年11月に米国フレームテクノロジー社を吸収して、FrameMakerというツールを製品ラインナップに加えた。AdobeはDTP分野では既にPage Makerを持っていたのにもかかわらず何故また新しいDTPツールを製品群に加えたかというと、ドキュメントパブリッシングの世界を大きく二つに分けて考えていたからである。
 PageMakerはGraphic Rich Document分野(デザイン要素が多く、文書のフォーマットが定かに決まっていないようなドキュメント)に有用な機能を豊富に提供しており、デザイナーやカタログ作成者がその分野で数多く利用している。
 一方、FrameMakerはStructured Long Document分野(文書が章立てされて、ボリュームがあり、かつ複雑な構造を持つドキュメント)に有用な機能を豊富に提供しており、欧米ではマニュアル作成者、テクニカルライターがその分野で数多く利用しており日本でも今年日本語版がマルチプラットホームでリリースされる。またFrameMakerは現在考えられる中でAcrobatのPDFと一番親和性の高いパブリッシングツールである。その理由して、Frame文書内の段落タグ(スタイル)をベースにPDFのブックマークを用意に作成したり、Frame文書で自動的に作成された目次やインデックス、クロスリファレンスのハイパーリンク情報はPDF化した際そのまま残すことができる。またアーティクルまで自動に作成してしまうことなどがあげられる。
 英語版を使ったデモでは、インライン入力のサポート、非常に軽いソフトであるというレスポンスの速さを強調するところから始まり、段落タグ(スタイル)の定義、文章の簡単なレイアウト、文章中への数式入力、長文編集でのクロスリファレンス、脚注、表作成の機能についてのデモが行われた。
 またユニークな機能として“コンディショナルテキスト”(条件タグ別に表示、非表示を切り替え一つのフィアルで複数のバージョンが作成できる)、“2文書間比較機能”、(差分を同時に色わけして表示する総合ファイルと2文書間の差分の概要を抽出するバージョン管理機能)、ブックビルディング(自動目次生成、章節等の自動番号連結等)について、そしてそのドキュメントを実際にPDF化させてブックマークやハイパーリンクがそのまま残るという説明がありました。また、「FrameMaker+SGML」につても説明が及び、これによりSGML、HTML、PDF、4色分版までサポートしているので紙ベースのドキュメントからオンラインドキュメントまで一つのソースで作り出すことができるとのことでした。
 続いて、鴨内講師から、Web作成ツールPageMillについて、実際に作成されたホームページを参照しながら説明がありました。使い慣れたドラッグ&ドロップ環境でテキストやグラフィックスファイルを取り込みレイアウトも柔軟に行え、他ページとのリンク設定が容易にできる。また、AcrobatのPDF、QuickTime、Shockwave、アニメーションGIFなどのファイルの埋め込み、プレビューが可能である。これらの作業で仕上げたPageMillのHTMLファイルは一般的なWebサーバーやブラウザに適合する。Windows版も間もなく出るとのことです。
 なお、関連URLは、次です。
  ・http://www.adobe.co.jp/product/acrobat/acrobat.html
  ・http://www.adobe.com/prodindex/acrobat/readstep.html
  ・http://www.adobe.co.jp/product/pagemill/pagemill.html

 ここで出席の皆さまからのアンケートを紹介します。
 第1部では、「非常にすばらしく、今後利用させていただきたい」、「実用に向けての具体的検討を進める必要を感じた。ドキュメント形態の一大変身が起こると思われる」、「基本的なPDF機能のみならずリンクを作成できる機能について大変感動した」、「業務で直ぐに反映できそうな感じがもてた」、「今までAcrobatに持っていた誤解が正しく認知された」、「Acrobatが今後のInternet上での配信に大きな役割を持っていることが分かった。今後は積極的にPDFを取り込み、Internetというメディアの活用を考えていきたい」、「具体的に事例を多く見せてくれたので分かりやすかった」、「今すぐにでも使いたいと思う。待つのは長かった」、「どうしても必要なので助かりました」、「Web Masterとして、PDFによるWeb Publishingのクオリティの向上については、非常に興味が持てた」、「社内で利用したいと考えている。よく理解でき参考になった」、「ホームページ作成の際に使用してみたい」、「とても分かりやすい説明で有意義でした」、「発売を楽しみにしている」、「すばらしい。当社のホームページでも活用してみたい」、「異なる環境が大きな壁だったが、それがこれでなくなるのであれば、これから出荷するハードにも最初からインストールされる可能性があるとすれば、発信側としても主流にせざるを得ないと思った」、「どのようなツールで、どのような時に使うと有用なのかはよく分かったが、実際の業務での利用方法は今後考えたい」との有用であったとのご意見が圧倒的でした。
 他には「セキュリティの具体的例が欲しかった」、「セキュリティ技術、PDFファイルのWeb上での配信におけるサーバー側のプログラミングにどの程度負荷がかかるかの説明が欲しかった」、「検索についての詳細な説明が欲しかった」、「フォントの持ち方がよく分からなかった」、「商用ドキュメントの効果は理解できた。しかし、技術ドキュメント、図面等での説明も欲しかった」、「英語版が広く使われているので日本語化が遅れたのが残念。同一のPDFを様々な環境のマシンに表示させて比較して欲しかった」とのご意見もありました。
 第2部では、「非常にすばらしく、今後利用させていただきたい」、「是非購入したい」、「現在Page Makerを使用しているがどちらかといえばグラフイックより文章の方が主体となっている。各種機能の中に有用なものが多いので導入検討したい」、「Frame Makerに関する認識がなかったので、参考になった」、「Win、SGML版の発売を待つ」 2件、「Frame Makerは興味深かった。日本の様式の対応を望む」、「PageMill 1.0を使っていたが、2.0になってさらにずっと使いやすくなった。是非使いたいと思う」、「開発設計資料の作成に使用してみたい」、「htmlを書かずにできるツールの中では一番直感的に使えると思う」、「使いやすいツールだと思う」の他に、「単なるWebオーサリングツールという印象が強く、PDFとの連動の特徴が今一つ掴めなかった」「Frame Makerのデモは面白く便利だと思ったけれど、機能が多いため、使いこなせるようになるまでが大変そうだ」、「Page Millについては単に『HTMLエディタをドラッグ&ドロップで作成できる』という感が強かった。Frame Maker + SGMLは大変興味を持った。SGMLでマニュアルを一元管理するのに有益であると思う」、「Frame Maker +SGMLには注目している。PageMillはとても使いやすいが、ソースが非常に汚らしい書き方になるのは何とかしていただきたい」、「PageMaker → Acrobatへのデモがみたかった」とのご意見がありました。
 セミナー全体については、「Adobe社に限った製品説明であったが、各パッケージが有機的に結びついており、有益であった」、「PDFファイルの有用性はよく知られているがハイパーリンクがAcrobat Exchangeを使うと簡単にできることを、自分でうまく利用していきたいと思った」、「会社の要望とタイミングが合い有用」、「安い参加費で有益な情報の整理ができた」、「もう少しじっくり説明を聞きたかった」等です。
 今後希望するセミナーとしては、「オブジェクト指向プログラミングに関するもの」、「Webサーバーの運用」、「JavaやVBに関するセミナー(特にプログラミングのデモが多く含まれるような内容)」、「PDFのフォーマットに関するもの、マルチリンクに関してAdobeの取組み」、「ボーランドの Delphi等のTool」、「Java、VB5」等です。
 セミナーへの要望としましては、「技術紹介に対してセミナー内で紹介できない部分に関して、公開先などのヘッダーの紹介」、「セミナーはややベンダーサイドの一方的説明が主体となる。年に1回は種々のセクションに分かれて各社の情報交換の場となるような催しはできないものか。Workshopレベルのコミュニケーションの場が欲しい」、「言語総合開発環境の開発コンセプト等のセミナーよりも、実際の言語開発ソフトそのものに重点を置いたセミナーを増やして欲しい」、「セミナーの内容に関するレジメが欲しい」、「Adobeカラーマップ、画像ファイルフォーマットのセミナー」等です。
 セミナーに対するご意見としましては、「Windowsセミナー参加は始めてだが大変参考になった。インタネットメディアという仕事柄、通信技術や画像系の技術知識が不可欠であり、今後とも積極的に参加したい」、「具体例を含めた形で良いものであった」、「市場動向をみてHOTな話題を今後も期待する」、「クロスプラットホームが今後ますます必要になると思う」等です。
 また、Windowsコンソーシアムに対しては、「コンソーシアム自体はソフト系であるが、年に1〜2回は最新ハード動向についてセミナーの開催を検討して欲しい。新しい刺激が得られる可能性があるのでは」、「大変役立つ情報が多く、勉強になった。継続して欲しい」、「新製品、新技術情報提供のセミナーをコンソーシアムでやって欲しい」、「Macユーザー故、初心者向けWindowsセミナーがあれば紹介して欲しい」のご要望がありました。
 なお、受付および機器の調整でご迷惑をおかけしましたことを、お詫びいたします。


Contents         Windows Consortium ホームページ