Windows95 US 1周年記念レポート

Windowsコンソーシアム会長 松倉 哲


 昨年、1995年8月24日シアトルにあるマイクロソフト本社でWindows95 Launch95の発売イベントが開催されてから1年が経過した。 発表当時はWindows95の勢いを目の当りに見てマイクロソフト帝国を意識した記憶がある。 しかしこの1年でマイクロソフトの戦略も大きく転換し、 製品系列もインターネット/イントラネット戦略が前面に押し出した格好に変化させた。 私がシアトルでのWindows95発表に参加した当時は、今日の流れになるとは全く予想できなかった。 当初の目論見よりは少ないとはいえ、この1年で4,000万ユーザーになったWindows95である。 発表があれだけ盛大に行われたので1年経過後の1周年記念には興味があった。
 

 

 マイクロソフトでは、この機会に自社のホームページ上(http://www.microsoft.com/windows/)で8月22日からバーチャルバース デイパーテイを開催した。この様子を紙面で紹介しよう。 このイベントは、サードパーテイや企業を含めて80社近くが参加している。

 

図1 Windows95 Anniversary Home Page

 

 図1にAnniversaryホームページを載せているがいろいろなイベントを開催しているので少し紹介したい。 オンライン・パーテイ・イベントとして業界の有名人による “Interview of the Day”と称したオンライン・インタビューコーナーがある(図2)。 8月23日がマイクロソトの会長ビル・ゲイツ氏、8月26日アドビシステムの会長兼CEOのジョン・ワーノック氏、 8月27日がデルコンピュータの社長兼CEOのマイケル・デル氏、8月28日がゲーウエイ2000の会長兼CEOの テッド・ワッツ氏、8月29日がシマンテックの社長兼CEOのゴードン・エバンクス氏である。

 

図2 オンライン・インタビューコーナー

 

 このパーテイには誰でも出席ができ、出席名簿に記帳することもできるように工夫されている。 出席のお礼としてスペシャル編集の“Organic Art Microsoft Edition” 1周年記念スクリーン・セーバーがダウンロードできる。ロンドンのコンピュータ・アート・ワークス社、 コンピュータ・アートにWilliam Latham氏とMark Atkinson氏による3D作品である。この1周年記念でサポートをした PC業界の面々は、Advanced Logic Research ,AST,Compaq,Comtex Micro systems,Dell,DEC,Epson,Gateway2000,Government Micro Resources,HP, Hitachi,Intel,Magitech,MicronElectronics,MidWest,Micro,Mitsubishi,NEC,Opal Tech,Packerd Bell, Sanyo,Sharp,Nixdorf,Sony,Texas Instruments,Toshiba,Win Laboratories等が名を連ねている。

 32ビットオペレーテイングシステムのWindows95は,日本も含めて全世界に産業の勢いをもたらし20,000種類のPCや3,000種類のプラグ・アンド・プレイデバイスを産んだ。ローリング・ストーンズの“Start Me Up”の曲で始まったWindows95が1周年を迎えてどのような痕跡を残したのでしょうか。
・ Windows95のユーザー数は4,000万人以上に達した。データによるとWindowsが8,111万本その内Windows95が4,573万本、WindowsNTが400万本とか。
・ IDCの調査によると1996年度中にWindows95は6,200万本のインストール・ベースになると予想している。
・ 世界のPC産業400社にライセンスしWindows95を出荷しており、20,000種類以上のPCにアセンブルし、3,000種類のプラグ・アンド・プレイデバイスが可能になっている。また1996年度中のPC出荷の67%がWindows95と予想している。
・ Computer Select社によるとWindows95上のアプリケーションが4,406本ある。インターネット上にもこの情報が詳細に載せられている。Windows Shoppingの次版でこの情報も一緒になればすばらしい物になると考える。
・ 教育ソフト出版の95%はWindowsベースのアプリケーションを開発しているし、最近のゲーム市場のベスト20の中にWindows95上でのゲームが11本もノミネートされている。
・ Windows95は昨年いくつかの賞を受賞している。日本の関係でも昨年いくつかの賞を受賞しているが、ここでは米国の賞を2、3紹介する。
・ PCコンピューテイングマガジン:1995年年間最優秀製品受賞
・ インフォメーションウイークマガジン:1995年最優秀重要製品受賞
・ PCマガジン:OS部門1995年ベスト賞受賞
・ Windowsマガジン:年間100ソフトウエアの製品受賞

 一言で4,000万という数字の大きさはどのくらいか、最近話題の数字でも日本では3週間でCDアルバム300万枚を販売(歌手安室のCDアルバム)がせいぜいなのでこの数字の規模が見えないけれど、こんなデータが紹介されている。
・ “レ・ミレザブル”の世界で公演した総切符枚数
・ “スノーホワイト”、“ジュラシックパーク”、“バットマン”、“バンビ”を合わせた総ビデオ販売数
・ 25年間に米国で販売した日本車の総台数
・ マイケル・ジャクソンのアルバム“スリラー”の世界で販売枚数。知る人は知る20年間で販売したムーデイブルースのレコード数(サテンの夜を知ってますか)
・ テトリスの全世界で販売した数

面白いデータですが、皆さんも身近に聞いた4,000万という数字をお知らせください。
ビルゲイツ会長が、“Windows To The Future”と題した短い文章を載せていたりする。

 Windows95の登場によりソフトウエア産業がメジャーになった。 新しい世代の32ビットアプリケーションやプラグ・アンド・プレイによるPCハードウエア産業の進歩および メイン・ストリーム・マシン上への強力32ビットOSの導入などが一般化した。
 Windowsのインターネットに関しては、Widows95とWindows NT Workstation4.0によりインターネットの接続がたいへん 簡単にできるようになった。32ビットTCP/IPスタック、Windowsソケットのサポートやリモート・ネット・ワーキングを 利用可能とした。また、次世代のブラウザとしてMicrosoft Internet Explorer3.0をリリースした。 ActiveX、Java、メールやニュース機能をサポートした。またインターネット/イントラネット上での リアルタイムによるコミニュケーション手段としてのNetMeetingを提供した。来年にはハードデイスク上の ファイルやホルダーがWebブラウザページを扱うのと同じなインターネット・フレンドリーなWindowsが登場するでしょう。
 来年の早い時期にInternet Explorer4.0をリリースするでしょう。来年の後半にはWindows95やWIndowsNTの次のバージョンに Internet Explorer4.0もインテグレートされたWindowsがリリースされるでしょう。
 PCプラットホームの拡張として今年4月に開催したWinHECカンファレンスでアナウンスしたSIPC (Simply Interactive Personal Computer)を来年出現するでしょう。 一例として“On Now”テクノロジーとしてPCのシステム立ち上げを数秒でできるようにする。 PCのマルチメデイアでは、DirectXテクノロジーによりハイパフォーマンスな2Dや3Dグラフィックス、 サウンド編集、再生やインターネットマルチプレイヤーをサポートする。来年にはリアルタイムなオーデオ、 ビデオメヂアや3Dサウンドやシンセサイズミュージック等を追加するでしょう。
 マイクロソフトは絶えずPCを使い易くすることを考えている。 今日のPCはWindows95やWindows NT Workstation4.0が動作しているが、 まだ真の使い易い環境にはなっていない。将来プラグ・アンド・プレイのようなユーザー・プロファイル、 セットアップなどもっとより易しく多くの人が利用できるようになるでしょう。来年には新しいUSB(Universal Serial Bus) やIEEE1394アーキテクチャーが導入され、WindowsはPCを使い易くするマイクロソフト戦略の中核です。 来年はWindows95やWindows NT Workstation4.0の登場と同じくらい改良されたオペレーテイングシステムを提供するでしょう。

 まだまだソフトウエア/ハードウエアのアクセサリーやWindows95の書籍の紹介コーナーと探れば泥沼に入っていきます。 時間のある方は、探検してはいかがですか。
日本も1周年は年末です秋葉原のフィーバを体験した人は期待しているかもしれません。
まだ、情報がないので日本のことは分かりませんが何かが起きるかも知れません…。

(富士ソフト株式会社 常務取締役)


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