活動報告


Windowsテクニカルセミナー

第45回テクニカルセミナー実施報告

日 時:    6月28日(金) 13時10分〜14時15分
会 場:    幕張メッセ (日本コンベンションセンター)
        国際会議場3F  Workshop A-13
参加人員:   102名
テーマ:    『Microsoft(R) Windows(R)ファミリー ロードマップ’97』
講 師:    マイクロソフト株式会社
        代表取締役社長 成毛 真 様

成毛社長

 恒例となりました、WWE会場でのマイクロソフト成毛社長によるセミナーが、開催3日目、会場の雰囲気も最高に盛り上がった28日に行われました。
 「Windows ファミリー ロードマップ’97」と題し、各製品についての詳細な説明がありました。先ず、製品リリース計画の説明では、現在のWindowsNT Server、WindowsNT Workstation及びWindows95の各製品は1997年以降、 Cairo、Menphisという新しいOSに置き換わり、キーテクノロジー、アーキテクチャーの統一を行う。これにより、デスクトップ戦略の統一(同一のAPI、オブジェクトモデル、ユーザーインターフェイス。開発者向けのドライバモデルが同一になる。将来的には、NTカーネルへ移行する。Windows95の機能拡張による)ができる。  次に、Windows95の市場動向(出荷後7ヶ月で日本で恐らく500万人以上のユーザーに使われている。新規出荷PCへの80%以上の搭載率。3000種類以上のPlug and Play対応機器とPCMCIAカードが出ている。主要ビジネスアプリケーションのWin32対応が完了している。DirectX対応ゲーム200タイトルが開発済み、200タイトルを開発中。90%の購入ユーザーが製品に満足など)と、96年度の機能拡張について(最新ハードウェアアーキテクチャーへの対応。インターネット機能の統合。最新ソフトウェアテクノロジーの提供)の具体的なお話があり、パソコンを楽しくするために、周辺機器の拡張を大いにするとのことでした。
 続いて、WindowsNTのお話では、94年から95年には80%以上の成長があり、日本では米国より売れている月もある。高成長の続くPCサーバー市場において、96年度には台数でUNIXサーバーを上まわる見込み(UNIXサーバー 10万台強、PCサーバー 13万台以上)であるが、その理由としてコスト的に優位であること、PentiumやPentium Proが出て性能が向上したこと、クライアントOSがネットワーク機能を標準装備していることなどがあげられる。このようにNT Serverの本格的導入が始まった結果、 NT ServerはPCサーバーOSの過半数を占めている(95年度53%、96年度見込み68% 出展:データクエスト)。 NT Workstation 4.0及びNT Server4.0に追加する新機能についての詳細な説明のあと、 NT Workstation 4.0とWindows95の位置づけでは、Windows95は、低いハードウエア資源、高い互換性そして容易なインストールを提供するもっとも導入しやすい32ビットOSである(486/Pentium、メモリ16MB以下のPC、モーバイルコンピューティング、ホームユース向け)。 NT Workstation 4.0は、高いパフォーマンス、業界屈指の信頼性とセキュリティを提供するもっともパワフルな32ビットOSである(Pentium Pro/Pentium、メモリ16MB以上のPC、企業のデスクトップPCの主流に)。このように32ビットWindowsファミリーの適材適所での利用が可能になっている。大企業ではまだ3.1を使っているユーザーさんが多く見られるが、NT4.0を契機に急速に減っていくであろうことが予想される。経験的にOSは新しいバージョンが出たときには、前の前のバージョンのユーザーさんは急激に減っていく傾向にある。

セミナー会場

 ある意味で今日の最大のテーマであると言われたSIPC(The Simply Interactive PC)のお話では、PCの利用形態を情報の能動型利用(情報の処理:電子メール、ワープロ、表計算)、対話型利用(インターネット、ゲーム、カンファレンス)および受動型利用(情報の消費:TVを見る、映画を見る、音楽を聞く)に分けて説明がありました。まだまだパソコンの主要用途は今後ますます増えてくると確信しており、逆にいうと今の所、MSがOSでうまくいっている最大の理由は、パソコン上で新しいアプリケーションをどんどん見つけて、それを開発して出荷しているが故に、そのOSもしくはパソコンそのものに価値がつき続けている所にあると確信している。先日、任天堂さんと野村総研さんと一緒に衛星放送を使ったインターネットを利用する形でのデジタルデータ放送の開始を発表したが、これもまた通信手段というパソコンの新しい用途である。パソコンの利用形態はこれからどんどん増えてくることは確実で、今予測していないものまでここ3〜4年の間に更に増えてくる。従ってそれを考える上でどういうパソコンが必要かというビジョンが必要で、これをSIPCと呼んでいる。そのビジョンはPCを完全な「家電製品」にすること、シンプル・対話型で魅力あふれる(エンターテイメントでの利用<これが一番重いスペックとなっている>、コミュニケーションのための利用、プロダクティビティのための利用)PCにすることである。今、PC97と呼ばれるものがSIPCのビジョンに基づきスペックとしてまとめ上がっている。SIPCのベーステクノロジーとしては、電源投入後すぐに使用可能(きっかり5秒以内にキーボード可能となること、OnNowイニシアティブ)、簡単な外部機器接続(WDMベース)、ベスト インターネット プラットホーム(豊富な開発環境ActiveX、最新のInternet Explorer、多様な接続方法のサポート)、テレフォニー機能の標準装備(電子会議システム、音声コミュニケーション、FAX etc.)であること。またSIPCベーステクノロジーの高機能マルチメディアプラットホーム面からは、消費者向けベスト2D/3Dグラフイックス プラットホーム(DirectDraw Direct3D、ActiveVRML)にすること、高品質オーディオのサポート、フルモーションビデオ(MPEG、DirectMPEG )、リアルタイム データ ストリーム(ActiveMovieストリーミング アーキテクチャ)の機能が装備されていることなどである。コンピュータそのものは、単純にインターネットを楽しむだけの装置では決してなくて、ゲームであり、衛星放送を楽しむことであり、自分で3Dの映画を作ることであり、色々な使われ方がホームにおいてはできてくる。
 今や時代の流れはインターネットにあるから、 Internet Explorer(IE)についてMSのポジショニングを最後にはっきりさせたい。MSの基本スタンスは“既存の標準 & 更なる拡張”であること。つまり、“今動いているものは全て動かし、これから動くものは全て動かす”という至極当たり前のことである。考えられ限りのことをやっていき、考えられる限りのマーケッティングを展開する。産業そのもののピークは近いうちにくると思われたが、インターネットの出現により全く違った展開を見せ始めている。MSが20年前に会社を作ったのとほぼ同じ熱意をもってインターネットに取り組む決意をしている。PCやインターネットの変革により、それぞれの世界の統合(インタラクティブな分散アプリケーション、PCを用いたインタラクティブなマルチメディアコミュニケーション)を図る。IE設計時の原則は、既存の標準のサポートと拡張、オープンで拡張性のあるアーキテクチャ、クロスプラットホーム、アプリケーションや言語に依存しないことである。IE3.0は広く使われるブラウザを目指し、ActiveXテクノロジーによって、全てのMSアプリケーションをインターネットに対応させる。 IE3.0からロゴが今までのWindowsの旗から“e”マークに変わり、見栄えがかなり変わってすぐに分かるデザインとなった。 IE3.0の特徴として、自分なりのアクセス環境を持てること、インターネットでのコミュニケーションができること、インタラクティブで面白いページが作れること(Javaをサポートしている)、オープンでセキュリティを保証していること、である。 IE4.0(Nashville)では、ブラウザとWindowsシェルの統合を図り、HTMLもドキュメントの1形態とする、「Webページを見る」作業の一般化、SiteMapテクノロジーを持つ、と結ばれました。

 あっという間の1時間でしたが、「先週、原宿のあるインターネットカフェで、こっそりとIE3.0にアップデートしてきたが見事立ち上がってよかった」など自ら頑張っているエピソードもありました。貴重な講演ありがとうございました。


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