活動報告



■Windowsテクニカルセミナー

●第40回テクニカルセミナー実施報告
日 時:    1996年1月24日(水)13時30分〜17時00分
会 場:    すみだリバーサイドホール
参加人員:   206名
テーマ/講師: 『Visual C++4.0によるWindows 95アプリケーション開発』
構 成:
 第1部 「Visual C++4.0紹介」
    マイクロソフト株式会社 ビジネスシステム事業部
    デベロッパー製品部 主任 豊田 祐司 様
 第2部 「OLEコントロールの開発 」
    富士ソフト株式会社
    技術調査室 室長 山本 淳 様

  

豊田講師          山本講師

セミナー会場

 「4.0」シリーズ、第2弾として今回は発売直前の「Visual C++4.0」。
 第1部の豊田講師からは、次のようなVC++4.0の新機能と特徴について、デモを交えながらの 説明がありました。「C++による開発環境の進化」、「VC++再利用アーキテクチャー」、「カス タムAppWizard」、「コンポーネントギャラリー」、「OLE Controls」、「Component Objects 」、「C++ Class」、「再利用コンポーネントの配布」、「Developer Studio」、「MFC 4.0」、 「最新のC++処理系」、「生産性の向上」、「高速なDBアクセス」、「既存アプリケーションの 移植性の確保、クロスプラットホームへの対応」。まとめとして、「再利用がかなり現実化し たこと」、「現在の開発事情に最も求められるテクノロジーの提供が行われること」および「開 発期間の短縮が図れること」の3つであると結ばれました。
 第2部の山本講師からは、OCXの開発手順をphase1〜8までそれぞれのソースをビルドからテス トまでの工程を実演しながらの説明がありました。何故かデモマシンとVisual C++4.0との相性 が悪く、コンパイルの前後に1分位のアイドルタイムが生じて、参加者の皆さまにご迷惑をおか けしてしまいました。山本講師もリキを入れて、423ステップ、コピー10枚にわたるソースコー ドを準備したのですが、報われずに嘆いた次第です。その後、マシンに原因があることが判明 しました。参加の皆さまおよび講師の方々に対し、前準備の不手際について深くお詫び申し上 げ、今後このようなことのないようにいたします。
 ここで、皆さまからいただきました137枚のアンケートの中からいくつかのご意見を紹介しま す。
 第1部では、有用であったとの意見の中から幾つかを「結局は自分で使い込まないと細部まで 分からないものだから、製品紹介としては良かった思う」、「VC++4.0の新機能の中でも操作的 に分かりにくいと感じていた部分が解説され、その部分が有用であった」、「ヘルプが日本語 になったのがいい、うれしい」2件、「一番の目的であったオンラインドキュメントの日本語化 がVC2.0よりも大幅に進んでいることが分かっただけでも十分な成果である」、「開発環境の全 体のアウトラインがよく説明されていてイメージが分かりやすかった」、「VB4.0の時は何か製 品紹介だけのように感じたが、今回はかなり使用面での説明や方法などが含まれ有効だった」、 「コンポーネントギャラリーは便利、分かってよかった 、機能は大きいと思った」5件、「再 利用、カスタムApp Wizardはとても便利な機能だと思う。プロジェクトの生産性向上に役立つ でしょう。ただし、使いこなせる開発者の育成が大変だが・・・」等既にVC++の経験者からのもの が目立ちました。
 また「一般の製品紹介とあまり変わらず、がっかりした。この内容であればカタログを見た ほうがよい。デモ中心で行って欲しい」、「当社はC/Sプログラムの開発が中心になっていま す。MFCにはサービスに関するものやメモリーマップドファイル、ネームドパイプなどのクラ スが無いのは残念だと思う」、「かなり使えそうなツール関係が増えているので、まず触って みて理解しようと思う」、「確かに進化したように感じた。ただ初級者プログラマにとっての 垣根が一段と高くなったのも事実である。マニア向きの言語にならないで欲しい」、「新たに VC++4.0で何ができるのか紹介が理解できた。もう少し、時間をかけて詳細に説明していただ きたかったが、後は自分でやらないと分からないでしょう」、「前回のVB4.0の時には出席し ていないので“今なぜVCか”という点を添えていただきたかった」、「β版を使った感じでは 大変良い感触だった。その時使いこなせなかった機能の紹介もあり、試そうという気になる」、 「前バージョン(1.0、2.0等)を十分に理解できていないとVer.4.0のよさが見えてこない」、 「VC++4.0についての基本的な機能については理解できた。カスタムApp Wizardやコンポーネン トギャラリーについてもっと説明して欲しかった」、「VC++4.0(英語版)を使っているので 目新しいことは特になかったが、コンポーネントギャラリーなど利用したことのない機能はよ かった。カスタムApp WizardやVisual Testの実例が見れたらよかった」、「サブスクリプシ ョンエディションに関する情報の説明が行われなかったのは残念」等のより一層の知識・技術 を求めるご意見も多く見られました。他に「Visual Testのデモは是非見たかった、残念」7件、 予定されていたVisual Test 4.0の紹介がマシン不調により実現できなかったためです。また、 「質問と回答のポイントがかみ合ってなかったと思う。質問の内容が分からなければ確認して から回答すべきだ」、「Q&AがQにも問題はあったが、全然的を得ていない」、「質問に対する 回答が少しなげやりではないでしょうか」とのご指摘や、「MSの人ではなく、実際にVC++での 開発経験者を講師にして欲しかった。内容が実践的というよりも広告的だったのが残念」とい うご意見も。
 第2部では、「VC++1.0では(私は2.0を使っていない)複雑であったOCXの扱いについて、VC ++4.0でどのようにサポートされたかが理解できた。Wizardに慣れた人ならOLEについての知識が なくても扱えそうである」、「OCX作成の手軽さ、重要性を理解することができてよかった」、 「OLEのプログラムが非常に簡単になったのが理解できた」、「実際のOCX開発の局面では色々 な問題にぶつかるだろうが、開発の流れ、雰囲気をつかめただけでもよかった」、「具体的な サンプルプログラムが用意されていて、OCX作成の全体的な流れを理解することができた」、 「開発実務のアウトラインが分かった」、「今まで理解しにくかったOCX開発の手法を実感でき たのでよかった。今後の開発のヒントになった」、「とても具体的で分かりやすかった。OLEは はじめてだったが大分、分かった(気になった)」、「サンプルコードのコピー配布はよかっ た」、「実際にOCXを作成するデモはとても参考になった」、「ソフトの部品化に取り組むの に大変有効になった」、「OCXを作っている会社ではないので直接関係することはないが、OCX の作り方が思ったより簡単だった」等の有用であったとの意見の他、「VC++2.0との相違点に は言及していない。4.0のパフォーマンスチェックのようであった」、「VCのヘルプを読んだ 方が早い」、「コンポーネントギャラリーなど4.0の新機能を実際使って欲しかった」、「こ れからOCXを作成しようという人には、OCX作成のガイドラインとして有効だろうが、実際に 作っている身としてはもう少し先の内容について聞きたかった」、「OCXの開発を行っている ので参考になった。OCXを通してDLLを呼び出す内容を行って欲しい」、「既に自分で試したチ ュートリアルサンプルであった。このチュートリアルをベースとした更に発展した技法の紹介 が欲しかった」、「開発手順を1フェーズずつ説明する必要はないのではないか。もっとOLE とVC++4.0の使い方(プログラミング次第でこれだけのことができる等)を説明して欲しい」、 「マシンの不調により、分かりにくい部分もあったが、実際のサンプルを使った進行はおもし ろいと思う」、「具体例がもっと意味あるものを選択して欲しい」、「ソースコードに自分 で追加する部分にマークが付いているのでとても見やすく、理解しやすい。ビルドができなく なってしまったのが残念でした」、「ビルドしながらやるのでなく、予めできているものを持 ってきてやった方がよかったと思う」、「OCXを作ったことのない人、これから作ってみようか という人には非常に有効でしょう。(サンプルソースもついているし・・・)」、「以前VC2.0で 同様の説明を聞いたので内容については理解できたが、一連の手順についての詳しい資料が欲 しかった」、「OCXコントロール作成自体は前のVC2.0のOCXのテクニカルセミナーで聞いていた ので、あまり新しいものには感じなかった。できれば、コンポーネントオブジェクトの活用に 触れたものを扱って欲しかった」、「VisualC++2.0と違った部分を強調して欲しかった。便利 になった部分など」、「マシンの都合でビルドができなかったのは残念であるが、割りと分か った。資料配布があったのがよかった」、「フェーズ毎のソースをNIFTYにアップしてくださ い」等参加者のレベルによりさまざまなご意見が見受けられますが、隠れ山本ファン?からは 「最近静かですね。前のようにMSを批判してください」とのこと。また、「確かに物足りない が、限られた時間、マシン、あいまいなビジター層の中でよくやってくださったと思う」とい う意見に出会って事務局担当としてもホットします。
 セミナー全体としては、「マシンの調子が悪く、デモがあまり有効ではなかった。マシン等 は前もって動作確認しておいて欲しい」10件、「VC++4.0は確かにすごい機能を持っているよう ですが、第2部のデモを見ている限り簡単にアプリケーションが開発できるとは言いがたいよう に思えた」、「全体的に進行がスムーズでなく、時間の使い方がまずい。特にOCXの方ではコン パイルしながらの実演だけに、修正ミス等でリビルドというのは注意して欲しい」、「前回は クレームをつけたが、今回は技術指向の強いものだったと思う。今後もこのような内容を期待 する」。
 セミナーおよびコンソーシアムへの要望としては、「インターネット関連(ツール、技術動 向)のセミナー」12件、「WinNT&95のネットワーク管理」、「DirectX関連セミナー 3件」、 「各種ドライバーの開発方法」5件、「Visual Test4.0関連」4件、「前回パスした御代さんの Windows95最新情報は?」、「BackOffice製品の情報があまりにも少なく、現実的に十分なサ ポートを受けられない。是が非でもSQL Server、SMS、WNT等に関するセミナーを」、「MFCの 解説を」3件、「MFCを使わないWin32のセミナー」、「VB、VC++などを1つのアプリケーショ ンについて、新規作成からビルド、実行とやって欲しい。途中を省かれると辛い」、「VC++4.0 についてのプログラミングを今後も定期的に取り上げて欲しい」、「SDKの使用方法のセミナ ー」、「標準的なAPL、DLL、OCX作成する方法を解説するセミナー」、「MSの方を講師に、テ ーマ限定(例えばOCXやアプリ開発)のQ&A形式のセミナー」、「午後だけでなく長時間かけた セミナーの開催、分野別(VB、VCなど)に細かく絞り、実際にマシン操作できる環境で」、 「質疑応答は止めた方がよいと思う。講義をぎりぎりまでやってそこでエンドに」、「プレゼ ン資料が凝りすぎてて、見難い。シンプルなものほどよい」、「テーマを一つにして時間をか けてやる 5件」、「質疑応答の時間を十分に 5件」、「プレゼンに使ったPowerPointファイ ルをWebでの公開を望む」、「いつも何かトラブルが多いので、事前の準備を。特にマシン関 係は慎重に、参加して有意義なものになるようにして欲しい」、「会員への技術支援の場をN IFTY、インターネット上に開設して欲しい」、「大阪でのセミナー開催を」、「質問表を作り、 後日回答していただけるようにして欲しい」、「コンソーシアム会員同士によるインターネッ トのホームページを作る」、「NIFTYのFWINAPの一会議室でなく、独立したフォーラムあるい はステーションにより会員同士の技術情報交換の場を大きく設けて欲しい」。

すみだリバーサイドホール


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