活動報告


●第104回セミナー報告(XML委員会主催)
日 時:2000年3月9日(木)13:30〜16:50
場 所:東京工科専門学校 ICA/テラハウス・B1テラホール
参加人員: 82名
テーマ:『よくわかるXML 〜XMLの全体像と最新情報〜』
構 成:
 第1部 「産業界でのXMLソリューションの取り組み」
     〜XMLでビジネス革命を起こす〜
     株式会社大塚商会 マーケティング本部
     Nビジネス推進室室長 岡部 惠造 様
 第2部 「XML to Action」〜マイクロソフトにおけるXMLへの取り組み〜
     マイクロソフト株式会社 ビジネスソリューションズ事業部
     デベロッパーマーケティング統括部 テクニカルエバンジェリスト
     西谷 亮 様
 第3部 「BizTalkの概要」 〜XMLによるビジネス連携のフレームワーク〜
     マイクロソフト株式会社 ビジネスソリューションズ事業部
     インダストリーソリューション部 シニアアカウントエクゼクティブ
     河本 吉夫 様

 本年度から新設されたXML委員会主催第1回のセミナーであり、講師としてXML委員会委員長の大塚商会岡部様とマイクロソフトから西谷様、河本様の3氏が務められました。

第104回セミナー会場

 第1部では、岡部講師から「産業界でのXMLソリューションの取り組み」と題し、“最新のWeb技術の中で最も取り組みが盛んなXML(eXtensible Markup Language)について、そのビジネス分野での活用の仕組みと各産業界での具体的な取り組みを理解し、ますます進化するWebデジタル経済時代のビジネス革命にチャレンジするための基礎知識を学ぶ!”を本日のお話の目論見として、XMLソリューションの種類とその目指す方向、W3C以外の標準化、そして各産業界の具体的な取り組みについてお話がありました。

岡部講師

 お話は、@Webの社会インパクト(電子化、標準化、グローバル化、パーソナル化、バーチャル化、ポータル化、ボータル化)、AなぜXMLか?(XMLはメタ言語である、HTML++ではなくSGML---+である、電子文書である、情報交換メッセージである、Programmableである、Webサービスの要である)、BWeb3大ソリューション動向(B2B XML-ECの取り組みに拍車、B2B Trading Hub Businessの展開、Webサービスベースのアプリケーション構築の取り組み)、CXMLソリューションの形態(XMLを使用した業界ソリューションとして、XML-EDI、オンライン・トレーディング、XMLデータべース、Webメタデータベース、KMの舞台裏としての索引付けサーバー、アプリケーション連携、がある)DXML推進組織(GCA、OASIS Open 、BizTalk Framework、 ebXML)、Eソリューションを支えるXML標準(XHTML、メタデータ標準、ディレクトリ管理、アプリケーション連携、アプリケーション言語、ビジネス文書とXML、PGML+VML=SVG)、Fビジネス文書とXML、G産業界の具体的な取り組み(金融関連、流通業、不動産関連、製造業関連、教育関連、マルチメディア関連、印刷・出版・ドキュメント関連、科学関連、医療関連、コミュニケーション関連、法律関連、システム開発関連、オフィスアプリケーション、EC/EDI)と行われ、最後にアレン・グルーンスパン米国中央銀行(FRB)議長の述べた“我々が情報技術と呼ぶ最新のイノベーションによって、これまでのビジネス作法や価値創造の方法が大きく変わり始めた。そして、多くの場合、5年前には全く予見できなかったような新しい方法が必要となるのだ。”を引用がありました。

 第2部では、西谷講師から「XML to Action」と題し、インターネットにおける基盤技術として発達を続けている XML に関し、マイクロソフトがどのように取り組み、Internet Explorer や BizTalk をはじめとした XML技術を今後どのように提供するのかのお話がありました。

西谷講師

 お話は、@Web Servicesへの挑戦(MSの方向性)としてTCP/IP、HTML、XMLと技術が進歩するにつれXMLではWeb ServicesとしてWebをプログラムできるようになった、AWindows DNAはWebアプリケーションの構築に有用である、BWindows DNA 2000におけるインターオペラビリティとXML(BizTalk.Org、BizTalk Server、SNA Server and “Babylon”<レガシーシステムとの間でメッセージを用いたデータ交換>)、CIEにおけるXMLのサポート、DXMLサポートの今後、E将来の展望、F今からできること(XMLテクノロジーのテストと利用、Microsoft XML Parserのインストール、既存データのXML化、中間層におけるXMLとXSLの利用、XMLを利用したアプリケーションの構築、XMLテクノロジーの習得)、について行われました。最後に、是非みようみまねでも良いからXMLアプリケーションを作ってみてビジネスに結びつけてもらいたい、また、Visual Basicマガジン(翔泳社発行)5月からXMLについて西谷講師による連載があるので参照して欲しいとのことです。

 第3部では、河本講師から「BizTalkフレームワークの概要」と題し、XMLベースのビジネスドキュメント仕様とそのメッセージ交換の仕組みについて、マイクロソフトの提唱するBizTalkフレームワークの概要の解説がありました。また、「BizTalkフレームワーク標準ドキュメント」資料の配布がありました。

河本講師

 お話は、@XMLとBizTalk、ABizTalkワークフレームの展開、BBizTalk.Org、CBizTalk JumpStart Kitと適用例、DBizTalkドキュメントの構造、EBizTalkフレームワークガイドライン、FBizTalkフレームワーク仕様、GBizTalk適用モデル(サプライチェーン、製造業、流通業)、HBizTalkフレームワークサポート事例、IMicrosoftのBizTalk活動(米国、日本)、JBizTalk対応アプリケーションのリソース、について行われました。
 また4月13日には京王ブラザホテルにおいて、BizTalkのイベントがあるとのことです。

 出席の皆様のアンケートからのご意見です。
 第1部では、「XMLの全体像と今後の方向性について理解、整理することができた」、「短い時間の中で良くまとまっていた。網羅している範囲が広いのが良い」、「現状の情報をつかむ上で有用だった」、「もう少し具体的な業界事例が聞きたかった」。
 第2部では、「とても分かりやすい説明で良く理解できた」、「XMLを実装する上でのマイクロソフト製品の関連付けの概要が理解できたが、多少時間的に不足気味だった」。
 第3部では、「MSのXMLソリューションとしてのBizTalkのフレームは分かったが、その実体(実際の使い方)を理解できるには至らなかった」、「Windows CE用のXML BizTakl Perserなどがあれば面白い」、「BizTalk Serverのように一つの製品(仕組み)として、ソリューションが提供されることは重要に感じられた」、「デバッグ環境およびデバッグ自体恐ろしく大変な気がする」。
 セミナー全体意見では、「全体的にレベルが高く基礎知識がないと厳しい」。
 希望セミナーとしては、「XMLの実際の活用事例やそれを実現するソフトウエア製品の紹介など(MS製品に限らず)」、「XMLの実務的内容のセミナー」、「BizTalk Serverがリリース後の関連セミナー」、「Active Directoryに限定したセミナー、運用・開発方法など」、「Windows 2000 Serverを使ったソリューションをテーマとしたもの」、「ASPについての技術情報」、「ASPに関するWebアプリケーションシステムの構築技術、特にメッセージキューイング、トランザクション処理など大量アクセスへの対応技法など」、「Security、暗号化など」です。
 ありがとうございました。