活動報告



● 第76回セミナー(Java委員会主催)実施報告

 日 時:1998年7月22日(水)13時30分〜17時00分
 会 場:ロータス本社 1Fセミナールーム
 参加人員:24名
 テーマ:『ロータスのJava戦略』
 構 成:
   第1部 「eSuite DevPack」
        ロータス株式会社 戦略企画本部第1製品統括部
        第3PM課 課長 飯田 恵美子様
   第2部 「ロータス ビーンマシンR1.1」
        ロータス株式会社 戦略企画本部第1製品統括部
        第3PM課  松村 芳道様

今回は、「ロータスのJava戦略」のテーマで、西五反田のロータス本社セミナールームにて行われました。

セミナー会場

 第1部では、飯田講師からロータスが提唱する新しい企業情報システム「eSuite DevPack」について、@なぜ今Javaか、AeSuite概要、BeSuiteが提供するコア・アプレット群、CeSuite DevPackとは、の説明のあと、デモンストレーションが行われました。

飯田講師

 @ では、ITの進歩により利用される開発言語はさまざまに遷移してきたが、クライアントは複数のサーバーに接続されるようになった結果、高度なシステム管理とTCOの増大が問題となり、この中の必然の流れとして、Javaが登場してきた。Javaは言語としての優秀性を認められ、メーカーやSIでは新人教育にJavaの採用を始めている。市場の動向(S/C環境の混在、ネットワーク中心のコンピューティングパラダイム、複雑なシステム管理とTCOの削減、新テクノロジーの標準化)から見ても、いまJavaが最も要求されている。また、Javaを利用したアプリケーション開発計画では、Mission-Critical部門では97年4%に対し、99年は56%と飛躍的に増加している。

 A では、ロータスはこれまでもビジョンと共にソリューションを提供してきたが、イントラネット、エクストラネットのクロスプラットフォームとして「eSuite」を提供する。「eSuite」は、100%Pure Javaのアプレット群として提供する新しいビジネスツールであり、新しいネット型アプリケーションに必要な構成部品としてのアプレットである。「eSuite」製品ラインには、eSuite DevPacke(ネットアプリ開発者向け)とSuite WorkPlace(エンドユーザー向け)がある。

 B では、eSuiteアプレットには、アドレス帳、カレンダー、チャート、プレゼンテーション、表計算、ワープロ、電子メールおよびスケジュラーがある。また、InfoCenterは、すべてのeSuiteアプレットに共通のユーザーインターフェイスであり、直感的で使いやすい操作性を提供する。

 C では、eSuite DevPackの構成は、(1)データプレゼンテーションコンポーネント(オフイス製品の主要な機能を提供するJava Applet/Bean集)、(2)データアクセスコンポーネント(外部とのデータ及びアプリケーション連携を実現させるJava Applet/Bean集)、(3)開発ユーティリティ(DevPackによるアプリケーション開発を効率的に行うためのインフラストラクチャ)、(4)開発者用ドキュメント、(5)サンプル・アプリケーション、 となっている。これらについての詳しい説明がありました。(1)ではInfoBusによるデータ連携を行っている。InfoBusは、Webページ内の複数のJavaアプレット間のデータをHTMLだけで動的に共有するためのオープンな規格であり、データ交換を標準化するもので、eSuiteの全アプレットがInfoBus対応である。(2)ではSQL/JDBCアプレット(外部データベースとの連携)、CGIゲートウェイアプレット(外部アプリケーションとの連携) についての説明がありました。

 開発者にとっての利点は、(1)アプリケーション、コンテンツを全て中央管理できること(アプリケーション配布・メンテナンスが容易)、(2)ネットアプリケーション構築におけるコーディングの劇的な削減(入力・表示などは部品として使用、コーディングはビジネスロジックに注力できる)、(3)HTML/CGIテクノロジーを活用してダイナミックなネットアプリケーションを構築、(4)革新的なWebベースのユーザーインターフェイスを提供し、ネットアプリケーションを利用しやすくする、とのことです。
 また、DevPackトレーニングコースは、8月28日にあり、次期バージョンPreview版は、http://esuite.lotus.comからダウンロードして使うことが可能とのことです。


 第2部では、松村講師から“かんたんマルチメディアJavaアプレットビルダー”「ロータスビーンマシンR1.1」について、@製品概要(ポジショニング、ターゲット、開発の背景、製品特徴)、Aデモンストレーション、B各種製品情報、についての説明が行われました。

松村講師

 @ では、ポジショニングとしては、インタラクティブなホームページ素材作成ツールである。プログラミング無しで極めて簡単にマルチメディアJavaアプレットが作成可能であること、また、簡単な動画からデータベースアクセスなどの高度な機能まで提供する。ターゲットユーザーは、1ランク上のホームページを作成したい全てのホームページオーナーである。開発の背景としては、多くのホームページ(Webサイト)オーナーは、自分のホームページをより魅力的なものにしたいと考えているが、Javaスクリプト、Javaアプレット、CGIなどは難しいので、素材集と同じように使えるインタラクティブなマルチメディア部品を作成するツールを求めているため、これに応えるものとした。製品特徴としては、プログラミング不要(Javaプログラミングではなく、Javaオーサリングである)、豊富なインタラクティブなマルチメディア素材の提供、簡単パブリッシング(ワンステップでのパブリッシュ処理)である。

 A では、(1)アプレット作成(コンポーザーウインドウ:WYSIWYGなオーサリング環境、パレットウインドウ:22種のBeanを供給、詳細ウインドウ:Beanの属性、Bean間の連携を設定)、(2)プレビュー機能、(3)各Beanの紹介(22種のBean、Beanウイザード)、(4)サンプルアプレットの紹介(ノーツキャビネット、パラメータ表示、オーダー入力フォーム、データベースアクセス)、(5)さらに便利な機能(ギャラリーウインドウ、Javaウインドウ)、(6)ウイザードでのアプレット自動作成、(7)パブリッシュ、(8)ホームページへの追加(編集ツールを使用の場合、HTMLソースへ直接追加)と多岐に渡ったデモンストレーションが行われました。

 B では、競合製品(Java Studio1.0および Jamba2.0)との比較、雑誌などでの評価、稼働環境、販売形態、参考資料、についての説明が行われました。

出席の皆さまのアンケートからです。

 第1部では、「開発者としては非常に興味の持てるものである」、「サンプルが多く分かりやすかった」、「概要がよく分かったので機会があれば実際に使ってみたい」、「表やグラフなどはアプリケーションソフトと同じ外観を求めるユーザーの希望に応えるものとして有用であると思う」、「InfoBusよりどのようにSQL/JDBCを使用するのかが見たかった」、「製品の可能性は感じるが、完成度はまだだと思う」です。
  第2部では、「Beanについて各々の説明は大変分かりやすかった」、「デモにより各々のBeanの機能がよく把握できた」、「ウイザードもあり、初心者にも扱いやすい製品であるという印象を受けた」です。
 また、セミナー全体としては、「全体的にデモが多かったので非常によく理解できた」、「アプレットを使用した開発は非常に有効であり、即使用を考えた」、「1、2部とも大変参考になった」です。
 今後希望するセミナーとしては、「 Windows NT5.0を詳細に」、「Java関連について、全体の状況が把握できるようなセミナー」、「Bean Machineを使ったもっと具体的なアプリケーションの構築事例」、「Windowsデバイスドライバーに関する技術セミナー(VXD、NT、WDM)」、「Internet/WDMに関する内容を多く」のご要望がありました。
 その他のご意見・ご要望としましては、「講演時間を固定して考えず、適切と判断した場合は時間を変えるのもよい」、「テーマが決められたセミナーは参加する目的をはっきりさせてくれる」です。
 ご協力ありがとうございました。


Contents         Windows Consortium ホームページ