活動報告



● 第70回セミナー(セミナー企画委員会主催)実施報告

 日 時:1998年3月18日(水)13.30〜17.00
 場 所:テラハウス/ICA B1Fテラホール
 参加人員: 61名
 テーマ:「Windows NT5.0の新技術」
 構 成:
  第1部 『Active Directory』
      マイクロソフト株式会社 ソリューションデベロッパー事業部
      デベロッパー製品部 テクニカル・エバンジェリスト
      熊谷 恒治 様
  第2部 『Windows NT5.0分散コンピューティング アーキテクチャ』
      マイクロソフト株式会社 ソリューションデベロッパー事業部
      デベロッパー製品部 テクニカル・エバンジェリスト
      熊谷 恒治 様
  技術紹介 『文字ピタッ! For Excel』
     株式会社ライオス・システム
      パーソナル・ビジネス商品室 室長  大山 哲 様

 前回のセミナとは1週間と間をおかない開催にもかかわらず多数の方が出席され「Windows NT5.0の新技術」を聴講されました。今回のセミナーは、熊谷講師お一人で第1部『Active Directory』および第2部『NT5.0 Distributed System』と3時間にわたる長丁場を担当していただきました。
 また、今回から「技術紹介コーナー」を設け、会員会社からの技術紹介を行っており、第1回目はライオス・システムの大山様から同社の製品『文字ピタッ! For Excel』 の紹介と部品提供についての説明がありました。

セミナー会場

 第1部では、熊谷講師からWindows NT5.0で実装されるディレクトリサービスであるActive Directoryについて、(1)ディレクトリサービス概要、(2)ADSI(Active Directory Service Interface)の説明がデモを交えて行われました。

熊谷講師

 (1)では、Active Directoryは、「ネットワークリソースマネジメントプラットフォーム」と「アプリケーションプラットフォーム」の二つの機能を持ち、「リソースを管理するデータベース及びアクセスプロトコルの総称」、「階層化されたリソース管理体系」、「アプリケーションに開放されたインターフェイスとスキーマーの拡張」であると、各々の機能を掘り下げた説明が「アクセスプロトコル」、「階層化されたリソース管理」、「リソース情報の統合化」、「スキーマーの拡張」、「大規模ネットワーク対応」、「ディレクトリの利用」などについてありました。(2)では、ADSIとは「Active Directoryへアクセスするためマイクロソフトが提供する戦略的なAPI」、「さまざまなディレクトリーサービスへのアクセスを抽象化したインターフェイスの提供」、「Replacement for multiple SDKs:COMオブジェクト、インターフェイスのスイートなど」、「クロスランゲージ開発環境を提供」との説明の後、ADSIアーキテクチャ、スキーマーオブジェクト、Microsoft And LDAP などについてお話されました。デモとしてはVBスクリプトを使ってExcelからユーザー登録するプログラムについてのソース解説が行われました。

 第2部では、引き続いて熊谷講師から『Windows NT5.0で実現される分散コンピューティングのテクノロジー』について、(1)概要、(2)分散ストレージ、(3)セキュリティ、(4)ネットワーキング、と大きく4つに分けた説明が行われました。
 (1) ではWindows DNAのベーステクノロジーを提供するものである、(2)ではActive Directoryと分散ファイルシステムについて、(3)ではNTセキュリティのゴールは「Single enterprise logon」、「Active Directoryとの統合」、「管理権限の分散化」、「Kerberosによる包括的な認証システム」、と4つある。特に、Kerberosについてセキュリティモデル、プロトコルの利点と認証、ネットワークサーバーと接続した場合の承認システムの現行と拡張、承認方式のベーステクノロジーについてデモを交えたお話がありました。(4)では、大きく変ったNT5.0 NetworkingはIntegrated Multimedia Networkであり、その機能や特徴についてSimplified networking(Ease of use、管理コストの低減、Plug and Playのサポート)、Programmable network infrastructure(Virtual Private Networks、Routing)、Communications enhancements(Network quality of service:QoS、マルチメディアサポート)などについて言及されました。TAPI3.0では、テレフォニーシステムのマルチメディアネットワーク対応への拡張が図られ、Active Directoryとの統合がなされて複数の電話管理が容易になる、とのことです。

 出席の皆さんのアンケートからのご意見です。
 第1部では、「Active Directoryは今後非常に注目される機能だと思う」、「新しい情報が入手できてよかった」、「漠然としていたが今回のセミナーでかなり理解できた」、「Active Directoryの仕様についてもっと踏み込んで欲しかった」、「リソースの共有/階層化は非常に有用だと思う。これを全社的に取り込めれば、どんなに管理がしやすくなるか早く実現したい」、「このように理想的に稼動できれば有用だと思う」です。

 第2部では、「一番重要視されるセキュリティの部分がよく理解できた」、「製品の発表が楽しみである」、「DFS、Kerberosについては見当がついたが、まだ情報が乏しい」、「現状の資源からの実現は難しいものがあると思われる」、「セキュリティ対策が進んだように思う。ユーザーのセキュリティ意識の向上が必要になるであろう」です。
 セミナー全体では、「内容が充実しておりよかった、役立つと思う」、「実作業での実現はかなり先になりそう」、「タイムリーなセミナー内容で大変よかった」、「もう少し実演があってもよい」、「新しい情報を随時セミナーで提供して欲しい」2件、「資料のPPTファイルをWebで公開して欲しい」のご意見が、またWindowsコンソーシアムに対する要望、意見としましては、「広範囲な活動に好感が持てる」、「プレスリリースをマメに提供して欲しい」、「定期的に先端技術の情報をいち早く提供して欲しい」、「セミナー開催通知を直接メールで欲しい」、「Windowsコンソーシアム対応のQ&Aの問い合せ窓口を作って欲しい」のご意見がありました。

 事務局からです。「資料のPPTファイルをWebで公開」については、講師からご了解いただいた資料は、ホームページに掲載しております。「セミナー開催通知を直接メールで」については、メールアドレスを登録された方(アンケートにメールアドレスをご記入された方、事務局に連絡いただいた方)は、メーリングアドレスに登録して直接メールでご連絡しております。「Windowsコンソーシアム対応のQ&Aの問い合せ窓口」については、本誌ホームページのQ&Aコーナーや本誌巻頭で紹介の「ADSPディスカッション会議室」のご利用をお願いします。

 「技術紹介コーナー」では、ライオス・システム『文字ピタッ! For Excel』 の紹介と部品提供について同社パーソナル・ビジネス商品室大山室長から説明がありました。

大山室長

 文字ピタッ! For Excelの主な特徴としては、「Excelから直接指定伝票への印字が可能」、「一括連続印刷をサポート」、「2つの印刷モードをサポート」、「200種以上の市販帳票・宅配伝票のフォームイメージデータ集を添付」、「Windowsアプリケーションの印刷出力をイメージファイルに変換するユーティリティソフトRIOS TIFF Writerを添付」、「従来製品『文字ピタッ! 97』の機能を包括」がある。これらの機能をコンポーネントとしても提供しているので、同社へ問い合わせください。

(株)ライオス・システム ユーザーサポート窓口
 Tel.045-825-9026、 Fax.045- 825-9965
 URL http://www.rios-systems.co.jp/

※「技術紹介コーナー」で技術紹介ご希望の会員会社は、事務局までお問い合わせください。


Contents         Windows Consortium ホームページ