活動報告


● 第54回セミナー(セミナー企画委員会主催)実施報告

日 時:3月12日(水) 13時30分〜17時00分
会 場:テラホール/B1Fテラハウス(JR東中野駅前)
参加人員:35名
テーマ:「Windows NTビジネスソリューション」
構 成:
 第1部 『マイクロソフトの産業別マーケティング戦略』
     講師:マイクロソフト株式会社 ビジネスソリューション事業部
        インダストリーマーケティング部 部長 永久 茂 様
 第2部 『マイクロソフトの中小規模市場とWINEプロジェクトへの取組み』
     講師:マイクロソフト株式会社 ビジネスソリューション事業部
        市場開発部 部長 秋本 則政 様
        日本電信電話株式会社 マルチメディア推進本部
        マルチメディアビジネス開発部 担当課長 中野 直美 様

テラホール(セミナー会場 )
 

 第1部では、永久講師からは、94年9月からマイクロソフト株式会社の始めた日本におけるインダストリーマーケティング活動が、2年半経った現在、どのように展開されたか、またその戦略は今後どのように成長していくかについてのお話がありました。

 
 永久講師
 企業システムの構築のかなめとなるのがWindows NT ServerとBackOfficeであり、さらなる企業ニーズに応えてそれぞれ機能の追加・拡張を行っている。かってはシステム構築上でのアプリケーション開発はハードウェア技術者の不足が問題点であったが、ハード、ソフトのテクノロジーは飛躍的に向上した現在、技術者の絶対的な不足が深刻化している。また、2000年問題の対応などによる情報サービス技術者不足も深刻化している。ハード、ソフトの分離や、各技術要素の分化別進歩によるマルチベンダー化によりオープン環境が実現し、アプリケーションアーキテクチャの標準化の要請が強くなってきた。これらの標準化の要請に応えるために、マイクロソフトは、Windowsの2つの大きなアーキテクチャーである、Win32とOLE/COM/ActiveXのC/Sシステムキーテクノロジーによる、各業界での標準作りを提唱してきた。
 これらの基盤テクノロジーを前提として2年前にマイクロソフトが始めたのは、産業別の専用マシンのOSにWindowsを用いる標準的技術を準備することによって、各専用機をPC/Windowsベースのよりオープンで低価格なものに置換えることであった。
 昨年10月に日本OPC(OLE for Process Control)という団体ができて、次のような4業種6団体の産業別標準化がそろった。


 

 以降、産業別協議会設立の歴史、金融システム端末の標準化、市況情報提供システムの標準化、PCによる拡張漢字処理標準化、3次元データ処理の標準化、プロセス制御の標準化およびPOSシステムの標準化と各産業別のWindowsによる標準化の話がありました。特に流通システム共通の構造仕様を策定する“アクティブストア研究会”が3月に22社で発足し、4月からは新規募集をするのでインダストリーマーケティングのホームページの情報を見て欲しいとのことです。
 最後に、産業別マーケティングプログラムとして産業別ソリューションの製品/サービス紹介がMISD'97(Microsoft Industry Solutions Directory)およびMFSJ(Microsoft Financial System Journal)、産業別プロモーション活動(EB展、セミナー)について説明が行われました。セミナー会場で配布のMISD'97 CD-ROMには、Windows NT上で走る業種別の90数種の製品の紹介があるので、参照して欲しいとのことです。
 なお、マイクロソフトのインダストリーマーケティングのURLは、http://www.microsoft.co.jp/partners/industryです。

 第2部前半では秋本講師から、マイクロソフトの中小ビジネスマーケットに対する考え方とWINEプロジェクト概要の説明がありました。

 
 秋本講師
 マイクロソフトは中小マーケットに対してPCのC/Sシステムを使った業務処理を行っていただくために、いくつかの環境を整備しなければならない。その1つがBackOfficeに対応した業務アプリケーションソフトを幅広く品揃えることであり、マイクロソフトのプラットホームを使ったさまざまなアプリケーションソリューションを提供できる世界を作っていきたい。日本に675万ある事業所で従業員300人以上はわずか11000事業所すぎない、それ以外はほとんどが中小企業であり、我々のビジネスのネタは多分そこに潜んでいるのだろうということで調査を始めた。事業所の展開は全国に及び、業種別には圧倒的に流通サービス業が多い。マイクロソフトは中小企業に対し“業種・業務の色付けをするアプリケーションを作成いただく”と“それを全国展開する”この2つをキーワードにして色々仕事をしたいと思っている。その中で特に中小企業の事業者がシステムを購入していただくときに、購入のしやすさ、または見易さが大切になるのでそのための統合環境が提供できる仕組みを作っていきたいと考えている。


 

 統合環境提供のための強力なアライアンス関係を、NTTとは「WINEプロジェクト」を、SOFTBANkとは「SolutionBank」を、またASCIIとは「ASCII Network Technology」を作った。 WINEプロジェクトは、Windows & ISDN NEtworkingを意味し、ISDN + Windows NT + Exchangeを利用した中小事業所向けLAN/WANシステムの普及に関する関連ベンダー協業プロジェクトであり、96年7月にNTTとマイクロソフトが業務提携を発表、12月にWINEプロジェクトが正式発足した。システム・ソリューション・モデル「WINE135」は、ハード・ソフト・サービスのキット化、導入システム・導入方法の標準化、拡張性の確保、全国で相談・購入できる、価格の透明性を特長とした、1サーバー、3拠点、5クライアント構成システムである。

 第2部後半では中野講師から、WINE135の概要とNTTのWINEプロジェクトへの取組みについての説明がありました。

 
 中野講師
 WINEキット135のネットワーク構成概念図、構築費用・構成例、NTTにおけるWINEキット135の普及促進とWINEプロジェクト活動計画とWINEキット導入事例3社についての説明が行われました。NTTはこのプロジェクト推進のために全国から人材を募集し、現在マルチメディア推進本部には800人のマルチメディアビジネス担当が活躍している。この1年で10倍となり、電話屋からマルチメディア屋に大幅な変身を図っている。
 なお、WINE135プロジェクトのURLは、http://galleria.nttinfo.ntt.co.jp/wineです。

 ここで、出席者からいただきましたアンケートを紹介いたします。
 第1部では、「仕事上あまり私には必要でない内容でしたが、面白かった。MSはどんどん手を広げていっていることが実感できた」、「外部仕様書ができてくれば、実装のはずみがつくものだと思う」、「このような具体的な動き(産業別協議会)があるのを始めて知った。早速ホームページにアクセスしたい」。
 第2部では、「今後の活動に役立てたい」、「ビジネスの可能性として興味深いプロジェクトである。今後の動向に注目したい」、「非常に面白い内容でした。説明も非常に分かりやすく、テンポもよかった」、「WINEプロジェクトの実態がよく把握できた。サービス料金をどのようにして低価格に押さえるのか疑問(本格普及時に1000社参画で統制がとれるのか?)」。
 セミナー全体としては、「全般的に良かった、今後も参加したい」2件、「もっと技術的側面の話があってもよかったのではないか」。
 今後希望するセミナーには、「NTビジネスソリューション導入事例に関するセミナー」、「Active Platform中心のシステム構築ソリューション事例」、「DCOMとCORBAの比較」、 「NTTのOCN関連セミナー、もし開催済みなら資料をいただきたい」、「SOHO向け」、「イントラネットシステムの構築事例」、「Windows CEの商品戦略、普及戦略など」、「開発者向けのセミナー(開発言語、開発時のノウハウなど)」、「開発環境等の技術的なセミナー」、「Java、ネットワーク、リモートファイルアクセスなどの技術セミナー」などです。
 セミナーに対する要望としては、「WINEに関する発表の場があれば出席したい」、「最近新しいテクノロジーが多く出てきているが、その内容についてのフォローが欲しい」、Windowsコンソーシアムに対する要望としては、「今後とも内容のある楽しいセミナーを期待する」、「参加者との名刺交換の場が欲しい」です。

 なお、セミナー会場で配布のCD-ROM「Microsoft Industry Solutions Directory 97」をご希望の方は事務局にご連絡いただければお送りいたしいます。(3月度のWindowsキットによりお届けしてあります。)
 また、WINE135プロジェクト推進協議会から「WINE135」ワインボトルのプレゼントがあります。「事務局便り」を参照ください。


 
● 第55回セミナー(セミナー企画委員会主催)実施報告

日 時:3月26日(水) 13時30分〜17時00分
会 場:テラホール/B1Fテラハウス(JR東中野駅前)
参加人員:70名
テーマ:「Active Platform」
構 成:
 第1部 『Active Platform Overview』
      マイクロソフト株式会社 開発システム製品統括部
      テクニカル エバンジェリスト 寺田 雄治 様
 第2部(1)『Active Server Development』
       マイクロソフト株式会社 開発システム製品統括部
       テクニカル エバンジェリスト 野村 一行 様
    (2)『Microsoft Transaction Server』
       寺田 雄治 様

セミナー会場
 

 寺田、野村両講師には、昨年4月開催の第43回「ActiveXテクノロジー概要」セミナーに続いてお出でいただき、最新のマイクロソフトのActive Platform関連技術についてご説明いただきました。
 第1部では寺田講師から、(1)ActiveプラットホームがベースにしているOLE、COMなどのオブジェクトテクノロジーの流れ、(2)96年3月にOLEのインターネット対応で提唱されたActiveXについて、 (3)DCOM、(4)それらのテクノロジーをベースにしたActiveプラットホームと4テーマの概要説明が約30枚のスライドにより行われました。

 
 寺田講師
 (1)では、91年にOLE1.0がExcelのワークシートをいかにしてWordの文章の上に張りつけてアプリケーションの連携を行うかの技術として生まれ、93年にOLE2.0でCOMが導入され、96年にはOLE for InternetとしてActiveXが、96年8月(日本では12月)にNT4.0に組込まれて分散環境対応COMがDCOMとして出た。今は他のプラットホームに移植が進んでいる。また、ActiveXとDCOMをベースにしてC/Sテクノロジーを一歩進めたActive Platformを96年10月に発表。(2)では、オープンなプラットホームとしてのActiveXの機能、恩恵、ActiveXコントロール、動作についての説明があり、(3)ではオブジェクト技術の標準であるDCOMの説明があり、Windows 95対応版は近日リリースされるとのことです。(4)ではActive Platformとは既存の投資を守りつつ、多数の利用者に最適なアプリケーション、Webサイト、ソリューションを簡単かつ高いコストパフォーマンスで提供するものである。続いてActive Desktop、Active Server、カスタマーにとっての価値、Windows NT5.0の技術方向などの説明が行われました。


 第2部では前半に野村講師から、Active Server Pages(ASP)を中心としたActive Serverによるアプリケーション作成について約60枚のスライドにより行われました。

 
 野村講師
 ASPは現在ベータ版がマイクロソフトのWebサーバー (http://www.microsoft.co.jp/)に公開されており、製品の出荷も間もなくである。Active Serverの最大の特徴は、ActiveXからずっと出ていたコンポーネントによってアプリケーションを構築していくというイメージをサーバー側にも当てはめたことで、コンポーネントを複数作ってそれを連携させて1つのシステムやアプリケーションを作成することである。その使命は高性能で、拡張性に優れ、堅牢なエンタープライズ向けおよびインターネット向けアプリケーションの作成を容易にすることである。野村講師の説明はActive Serverによる問題解決事例、IIS拡張機能、ASPの主要な利点、アプリケーションフロー、ベースコンポーネント、ASPアプリケーション、ASPセッション、ASPアクセスコントロール、ActiveXサーバーコンポーネント、COMスレッディング概要、Web Design-timeコントロール、データアクセスと多岐に及びました。
 また、第2部後半では寺田講師から、BackOfficeファミリーに新しく登場したMicrosoft Transaction Server(MTS)について、トランザクション処理の概要、MTSの機能概要、MTSプログラミングモデルなどの説明がありました。トランザクション処理の概念はPC系にはないため、預金・振り替え処理のアプリケーションモデルを引き合いにした説明が行われました。MTSは、高性能でスケーラビリティのあるエンタープライズ向けアプリケーションの構築を容易し、さまざまな機能(Transactions、TP Monitor-scaling、ActiveX Components、Configuration, Management & Securityなど)を持ち、ソフトウエアベンダー、企業ユーザー、インターネット/イントラネットアプリケーションをターゲット市場としている。プログラミングのレベルでは他から干渉がない状態でプログラムが動くと仮定してよい、即ちコンポーネントをシングルユーザーと仮定して書いてよく、マルチスレッドを意識する必要はない。またトランザクションの成功、失敗を意識する必要もない。利点としては、開発・保守が容易、堅牢、スケーラブル、ハイパフォーマンス、コンポーネントの組合わせにより種々のソリューションを得られる。他にコンポーネントの構築、MTSとオブジェクト指向、Call to Actionなどの説明がありました。
 なお、Active Platformのサイトは、http://www.microsoft.com/activeplatform/default.aspですので参照ください。

 ここで出席の皆さまからのアンケートを紹介いたします。
 第1部では、「Active Platformで実現できることがよく理解できた」6件、「OLE等最初から説明いただいて感謝」、「知識の整理に役立った」、「ネットワークアプリケーションに大いに有効であると思う」、「セキュリティやブラウザの観点からすると、現時点ではイントラネット用との印象を受けた」、「NT5.0でのドライバー共通化という点を詳しく聞きたい」がありました。
 第2部前半からは、「非常に細かな解説をしていただいたので、分かりやすかった」3件、「以前よりずっと実用性を感じる内容でした」、「ASPの理解が深まった」2件、「非常に興味深く、社内外の開発に役立てていきたいと感じた」、「話の内容は大体分かったが、実際の製品を入手したときにヘルプやサンプルを見て勉強したい」。
 第2部後半では、「トランザクション処理のポイントが明確化でなく、機能等の説明となったのが残念」、「もう少し詳しく聞きたかった」がありました。
 セミナー全体としては、「分かり易い内容で、来てよかった」3件、「非常にタイミングがよかった。ASPなどのリリース直後だけによかった」、「ActiveXがイントラネットで有功と感じた」、「今回は内容の量に対して時間が少なかった」、「説明が早すぎた。もう少し例題が欲しい」、「もっと詳しく聞きたかった」、「今回は量が多すぎる」、「デモが少ない」がありました。
 今後希望するセミナーとしましては、「Active Server Platformを使用した具体的な構築方法、もしくは高度な技術講習」、「ActiveX、Java関連 2件、Memphis 2件」、「DB連携(JDBC、JDBC-ODBCブリッジ等)アプリケーション」、「システム構築テクニカルセミナー」、「DirectX」、「Active Directory」、「NT5.0の共通化ドライバーについて」、「BackOffice製品概要」、「NT5.0とMemphis」、「Merchant Server」、「DCOMの開発手法の事例」などです。
 また要望としましては、「今回のように実際の製品リリースとタイミングを合わせたテーマを今後ともお願いしたい」、「デモを中心にしたセミナー」2件、「PowerPointのファイルをWebなどにアップロードして欲しい」、「今後もインターネット技術を中心に」のご意見がありました。
 Windowsコンソーシアムに対する要望「Please make Seminars more easy to Understand.」、「このように新しいもののセッションを希望。CD-ROMも欲しい」、「デベロッパーどうし、技術者どうしの横の交流をもっと密にするような場を設けていただきたい」、「各セミナー使用資料の電子化を望む」等です。ありがとうございました。

*事務局より: セミナーで各講師が使用されましたスライドは、Windowsコンソーシアムのホームページ(http://www.wincons.or.jp/ )にアップロードするようにしております。また、開発技術者交流会が7月のセミナー後に予定されております。

テラハウス(JR東中野駅プラットホームより)

Contents         Windows Consortium ホームページ