活動報告


● 第5回マルチメディアセミナー実施報告

日  時:9月25日(水)13時30分〜17時15分
会  場:アサヒビール吾妻橋ビル3F会議室
参加人員:30名
テーマ:『マルチメディアにおける知的所有権』
構  成:
 第1部「インテル対AMD訴訟に見るアメリカ知的財産権訴訟の実際」
    マックス法律事務所 弁護士・ニューヨーク州弁護士
    齋藤 浩貴 様
 第2部「著作権の改正の国際動向」
    Windowsコンソーシアム顧問、
    マックス法律事務所 弁護士・弁理士
    松田 政行 様

齋藤講師

松田講師

セミナー会場

 

 今回はいつもの大手町KDDホールから会場を吾妻橋のアサヒビール本社ビル会議室に移しての開催でした。出席者からは、「手頃な広さで静かでとても良い会場だ」と好評をいただく反面、「浅草は遠いのでやはり大手町がいい」とのご意見も。また、「内容が良いのに参加者が少ないのは残念!」とのご意見をいただいております。
 今回のセミナーで齋藤講師には2度目、松田講師には3度目のお願いです。

 齋藤講師からは、「インテル対AMD訴訟の概要」、「インテル・AMD間の主な訴訟」、「アメリカ知的財産権について その訴訟の特色及び概要」、「1982年のセカンドソーシング契約」、「仲裁手続の進行」、「仲裁判断の内容」、「仲裁判断に関 する裁判所の判決」、「仲裁手続の理想と現実」、「著作権訴訟の進行」、「和解の内容」と一連の訴訟から判決・仲裁にいたる流れの説明がありました。また、PentiumとはPentagon(5角形)からの由来とのことです。資料として、本誌Vol.22(96/4)〜 Vol.26(96/8)に掲載の齋藤講師による「アメリカのマルチメディア著作権判例」抜き刷り分の配布がありました。
 松田講師からは、3種類の資料、 (1)「文学的及び美術的著作物の保護に係る特定の課題に関する条約草案(仮訳)」13ページ、(2)「実演家及びレコード製作者の権利の保護に関する条約草案(仮訳)」39ページ、Bデータベースに係る知的財産に関する条約草案(仮訳)」13ページ が配布され、これらに基づいて説明が行われました。(1)からは、ベルヌ条約によるものであること、その発行の概念及び場所、データの編集物、複製権の範囲、頒布権及び輸入権について、(2)からは、ローマ条約によるものであること、実演家の人格権について、また(3)からは、範囲と定義について、それぞれ説明がありました。

 セミナー受講の感想をアンケートから紹介いたします。
 第1部では、「有名な争いだったのでその内容を知ることができて良かった。Pentiumの由来も分かった」、「資料及び説明も簡潔であり、しかも実例を取り上げていたため理解しやすい」、「米国の裁判システムが非常によく分かった。取り上げたケースも適していたと思う」、「米国の状況が少し理解できた気がする。今後注意していきたいと思う」。他には「裁判制度の話としては面白かったのですが・・・・。もう一歩踏み込んだ話を聞きたかった」、「インテルとAMDのこと以外の部分にもふれて欲しかった。資料はきちんとまとまって分かりやすいが、年表のような形で表現してくれると、もっと分かりやすかったと思う」、「仲裁条項の是非について改めて考え直させられた。この点については、非常に有用な講演でしたが、もう少し時間をかけて細部を掘り下げた内容の話をして頂けたら、よりベターと感じた」、「歴史の理解には役立った。結果として、今どういう法的争いのあり方がベストなのかが知りたかった」。

 第2部では、「非常に分かりやすく説明していただき感謝、大変有用だった。内容的に豊富で時間が足りないくらい」3件、「非常に興味深い話でした。これらの 法案が世に出る時の準備として有用だった」、「輸入権、頒布権については実際に現実に即しているため非常に有用である」、「大変興味深い内容であった。再度読み砕いて理解を深めようと思う」、「非常に考えることの多い問題が次々出てきて勉強になった。話の内容をまとめた資料が欲しい」、「条約草案の影響力等について具体的に説明していただけので、草案内容がよく分かった」、「大変な問題が目前にあるということを認識できた意味で、非常に有意義」、「ポイントを押さえていただいたプレゼンは非常によかった」、「ポイントを絞って現在の動向を適確に説明していただいたのがよかった」。

 セミナー全体としましては、「説明が大変分かりやすかった。参考資料も豊富でとてもよく理解できたと思う」、「実際的な問題のセミナーとして捉えたい」、「配布資料のボリュームは大ですが、セミナー後にも内容確認等を含めて活用できるものであり、大変有り難く思う」、「知的財産/著作権は一つの産業となる可能性を感じた。逆に怖さも。まだまだ法的な勉強が足らないことを思い知った」、「興味のある内容を具体的にお話しいただき、大変参考になった。さらに、詳しい多岐に渡るお話を今後ともお聞かせ願いたい」、「内容が良いのに参加者が少ないのは残念!」です。

 今後希望するセミナーとしては、「エンジニアリングと著作権との関係 : パソ協で問題になったJWCADの問題等、ユーザー競合がコピーやリエンジニアリングしたソフトウエアに対してどう対処すれば良いのか、どういう防御対策を取ればいいのか、法律的な立場での解説を望む」、「電子商取引き上での法律的な問題点」、「日本と諸外国との間で実際に起こった、または起きている訴訟についてのセミナー。その際に、日本におけるソフトウエアの法律的な問題点なども挙げて欲しい」、「TV会社と映画会社等の合併が盛んに行われているが、その辺りの状況などを色々な観点で説明していただきたい。今後のソフトウエアのメインとなるジャンルのマーケティングの参考になるので」、「ソフトウエア、マルチメディア等の契約書レベルの条項の必要性を具体的な文面や事例で説明するセミナー」、「DVD/CD ROMに関する技術セミナー」。この中の「DVD/CD ROM技術セミナー要望」に関しましては、12月18日の第51回セミナー <マルチメディア専門委員会主催>にて『マルチメディアCDの動向( DVDも含めて)』が予定されていますので、ご参加をお願いします。

 ご要望やご意見としましては、「権利問題は地味で集客率が低いかもしれないが、大切なことなので今後も継続を望む」、「有料でもいいから、参考資料の充実化を図って欲しい」、「他にもインターネットやLANなどの通信における複製や著作権の問題点についての話を詳しく知りたかった。第1部と第2部を別の日程にして、内容を深く理解でき、もっと多くのことが勉強できるだけの時間が欲しかった」、「知的財産業務を担当している者として、今回初めてセミナーに参加した。講演自体、非常にタイムリーな内容であり大いに参考になった」、「著作権等、現在非常に流動的な状態にあり、今後もタイムリーに同様の講演等を企画していただければ大変有り難く思う。今後も同様の企画があれば是非参加したい」、「今回初めて参加したが、今後も注目していきたい」、「今回初めて参加したが、論点が非常に面白かった」、「大変有意義なセミナーであり、大変参考になった。マルチメディア時代に対応するための世界動向を継続してウオッチして頂き、当該するセミナーを開催して欲しい」。

※ 配布資料の残りが約10部ございますので、ご希望の方は事務局までご連絡ください。


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