書籍『ゼロから学べるパソコン入門』シリーズについて

Windowsコンソーシアム特別顧問 石田 晴久


 職場に、学校に、家庭に、いま爆発的な勢いでパソコンの普及が進んでいます。一年間に出荷されるパソコンの台数が1000万を超える日が来るのも遠くはないでしょう。まさに一家に一台、一人一台の時代がすぐそこに来ているのです。
 こうなった背景には、パソコンが安くなって個人でも買えるようになったことと、パソコンがきわめて使いやすくなったことがあります。あなたもきっと最近お買いになったか、そろそろ買ってみようかと思っておられるのではないでしょうか。
 たしかに、テレビのCMがいうように、パソコンは簡単になりました。誰でも使うことができるようになったというのは、本当です。でもちょっと待ってください。誰でも使えるからといって、何も勉強しなくていいというわけではありません。
 パソコンは小型でもれっきとしたコンピュータです。ソフト次第で何でもできる夢のあるマシンですが、それだけにとても複雑なマシンなのです。これを使いこなすのに、何も勉強しなくていいというわけがありません。例えば車を運転するにも、実習と並んで、構造や法規の勉強が必要です。パソコンも同様です。使いこなすには、実際に触ってみるとともに、基礎知識を身につけることが必要なのです。
 ところで、本屋さんに行くと、おびただしい数のパソコン関連の雑誌が所狭しと並んでいます。しかしこれらの雑誌にには、新製品情報は豊富ですが、しっかりした基礎知識を系統立てて分かり易く教えてくれる記事はあまり見当たりません。一冊でパソコンの全てが分かると銘打った単行本も沢山出ていますが、易しさを強調するあまり、基礎知識としてはちょっと不十分になっているものが多いようです。
 この度、岩波書店から発刊される『ゼロから学べるパソコン入門』シリーズは、このような実状を考慮して、あなたにパソコンの運転免許をとっていただくために企画しました。
 これからパソコンを買ってみようと思っている人、すでに使い始めたが十分に使いこなせていない人、いずれの方々にもきっとお役に立てると思っています。予備知識は不要ですから、恐れる必要は全くありません。楽しみながら読んでください。
このシリーズは次の5冊からなっています。

1 パソコンへの招待
2 文書作成の技術
3 データの分析と情報の整理
4 マルチメディアを楽しむ
5 パソコン通信とインターネット

 タイトルをご覧になれば各巻の内容は想像がつくと思いますが、第1巻がパソコン全般の入門で、第2巻から第5巻がテーマ別の内容になっています。そこで、このシリーズの使い方としては、まず第1巻を読み、そしてそのあとは、自分のやってみたいと思うテーマの巻を自由に選んでください。パソコンの世界がみるみる開けてくるでしょう。
 このシリーズにはWindowsコンソーシアムの顧問である高橋三雄氏、脇英世氏および私が著者として参加しております。この関係もありまして、発刊元である岩波書店のご好意により各10冊ずつ寄贈していただけることになりました。会員各位で有効に活用していただければ幸いです。
 それでは、このシリーズを活用して、あなたがパソコンの素晴らしい力を思う存分に引き出されることを願っています。

(東京大学大型計算機センター教授)

<事務局より>
第1巻「パソコンへの招待」が9月初めに発刊され、岩波書店のご好意により会員の皆様にプレゼントできることになりました。「事務局便り」をご覧ください。


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