最新Windowsソフトウェア事情(第14回)
Windowsコンソーシアム顧問 高橋 三雄
WWWページ作成への初挑戦
前回はインターネットへの初挑戦を興奮しながら紹介させてもらった。いまさらインタ
ーネットでもあるまいという声も聞こえそうであるが、話のついでに今回もまたインター
ネットがらみの話にしたい。それは前回の最後にも書いたように本欄を媒体として結果的
に自分自身のページをもたせてもらった以上、自分でも直接、WWWページ作成に挑戦す
る義務を感じたからである。また、事務局にWindows95用のWWWページ作成支援ツール
(デービーソフト社のHOTALL95)が届けられたからでもある。
![](../old/data/p1.gif)
図1
さて、周知のようにWWWページはHTML(Hyper Text Markup Language)を使って記述
される。その基本は各種機能に対応したタグである。タグにはタイトル、見出し、パラグ
ラフ、リンク、リスト、イメージなどがある。タグの実際は具体例を見た方が早い。図1
は前回の記事を掲載したWWWページとそのもとになっているHTMLファイルの内容であ
る。これはエクスプローア(ブラウザー)の表示メニューから「ソース表示」を選択する
ことで表示される。タグはタグ名を<と>の間に書いてあらわす。<HTML>から始まり、
</HTML>で終わる。<HEAD>はヘッダにあたる部分であり、タイトルなどを書く。文
書の本文は<BODY>と</BODY>の間に書く。といったようにタグとその使い方の説明
をしていくと私自身がページ作成のベテランのように思えてくる。もちろんそんなことは
ないのであって、タグの詳細な解説書を読んだりしていると頭が痛くなってきたり、タグ
など二度と見たくもない心境になってしまう。
![](../old/data/p2.gif)
図2
ページの内容とHTMLのソース文書を比較して見れば、それぞれのタグがおおよそどん
な機能を持っていそうか想像できる。<H2>はタイプ2の見出しであって特定の文字サイ
ズが対応している。<CENTER>はセンタリング機能、<HR>は下線のようである。とこ
ろでページにはところどころ、図版が貼ってある。これはHTMLではどのタグで表してい
るのだろうか。WWWは写真や音声あるいは将来はビデオなどのマルチメディア素材がふ
んだんに含まれた方が面白い(通信速度が問題になるが)。図2は図版を含んだあたりのペ
ージとHTMLソースを見比べてみたところである。ページの中程に図版が見える。そして
それに対応したタグは<IMG SRC="data/20-21-1.gif">のようである。たしかに、<IMG SRC>
はイメージソースをあらわしている。「.gif」はグラフィックファイルの種類(CompuServe
で使われている)であり、HTMLではこのタイプのイメージを使う。しかし、グラフィッ
クソフトは主要なグラフィックの種類に対応しており、元のファイルがJPEGやBitmapな
どであってもそれをgif形式に変換すればよい。
![](../old/data/p3.gif)
図3
たとえば図3はわたしが愛用しているHiJaak95を使ってJPEGファイルをgifファイルに
変換している様子を示している。
![](../old/data/p4.gif)
図4
HTMLソースの最後はどのようなタグで終わっているのだろうか。WWWページの最後
をめくってソース文書を対比してみると図4のようになった。最後は</HTML>で終わって
おり、その前は本文の最後を示す</BODY>タグがつけられている。また、ページの最下
段には「Contents」の表示が見える。下線が引かれており、ポインタをこの位置にもってく
ると指の記号にかわり、マウスをクリックするとWindows Viewの目次のページに戻る。こ
れはソース文書に示されているように、<A HREF>タグを使って別のHTML文書にリン
クされているからである。リンク構造をもたせることで関連したWWWページへ自由に飛
ぶことができるのがWWWの魅力である。
![](../old/data/p5.gif)
図5
このように、Windows Viewのページとソース文書を参考にしながら基本的なタグの実際
を見てみた。次は当然のことながら自分で適当なHTML文書を作ってブラウザーに表示し
てみることである。さっそくためすことにして図5のようなソース文書を作ってみた。画面
右側がソース文書、そして左側がエクスプローアで実際に表示させてみた結果である。な
んとかうまくいったようである。しかも「ナイアガラ」の文字列にリンクまで張ってあり、
勉強したばかりとはいえ、かなりのものである。ソースはアクセサリーソフトに含まれて
いるワードパッドを使って作成した。適当な構成の文書を作成し、あとからタグを挿入し
ただけである。文書ができたところで「.html」の拡張子をつけて保存し、ブラウザーで開
いてみた結果が図の左側である。しかし、タグをつけたり、リンク先のHTMLファイル名
を挿入したり、テキスト通りの操作をするのは面倒であるし、「なんでこんなことをしな
ければならないの?」とつい、ぐちも出てしまう。
![](../old/data/p6.gif)
図6
文書にリンクを張ったので、リンク先の文書を作っておかなければならない。それが図6
である。ここではナイアガラ滝の写真まで含めてある。しかも、ページの最後には「前ペ
ージに戻る」として、この部分をクリックすると前のページに戻るようにリンクを張った。
これら二つのページを行き来して「よしうまくいった!」というのが今回の悪戦苦闘の成
果である。
それに対して、HTML文書作成支援ツールであるHOTALL95を使うと、上の苦労が何だ
ったのかと思わせるほど、あっけなく、HTML文書ができてしまった。一度、そうしたツ
ールを使うと二度と自分でタグを書いたりする気にならなくなってしまう。せっかく5、6
冊のHTML参考書を買い込んだのに、無駄になってしまうかもしれない。それはともかく、
HOTALL95を見てみよう。
![](../old/data/p7.gif)
図7
図7はHOTALL95を起動し、新規作成を選択して表示された編集画面上に適当な文書を
書いた結果である。上段には見出しにあたる行を入力し、画面右上のリストから「タイト
ル」を選択するとサイズの大きな太字に変換された。ついでその下にカナダ旅行の思い出
をつづった文書を入力した(実際にはさきほどのワードパッドの文章をコピーしただけ)。
ついで「ナイアガラ」の文字列をドラッグして選択し、画面上段の設定メニューから「ハ
イパリンクの設定」を選択しようとしている。これは選択した文字列に対して他の文書へ
のリンクを張るための機能である。それによって図8のようにリンク先のファイルを選択す
るウィンドウが表示されるのでそこから選択すればよい。また、リンク先はファイルの先
頭だけでなく、文中(ページ)の任意の箇所にラベルを定義しておき、そこへリンクさせ
ることもできる。これはタグでいえばアンカータグとよばれるタグを使って指定する操作
手順である。
![](../old/data/p8.gif)
図8
![](../old/data/p9.gif)
図9
今度は先ほどと同様、リンク先の文書を作成しなければならない。そこではナイアガラ
滝の写真を貼り込みたい。それはただ、挿入したい箇所を選択し、編集メニューから「フ
ァイルから貼りつけ」を選択するだけである。それによって図9のようにファイル選択のウ
ィンドウが表示され、目的のグラフィックファイルを選択すればよい。これまでの操作は
タグをまったく意識せずに行うことができる。しかもHOTALL95の画面そのものが図10の
ようにブラウザーと同様に操作できる。もちろん、リンクなども操作できる。エクスプロ
ーアなどのブラウザーを起動しなくともWWWページとしての動作を直接、しかも即座に
確認できる。これは大変に便利である。なお、タグをまったく意識せずに作成したいまの
ページが実際にはどのようなHTMLソースになっているかを調べておく必要があるだろう。
それは図11の右側の通りである。たしかに、これまでに見たタグが自動的に付されたりっ
ぱなHTMLソースファイルになっていることがたしかめられる。このようにして
HOTALL95の基本的な操作を見てみた。この種のソフトの支援を得ることによって誰でも
がインターネットを通じて世界に発信できるようになるのだろう。この程度の記事でイン
ターネットのホームページを作ったなどと自慢はできないが、少なくとも、私程度のユー
ザーでも何とか情報発信できることはわかった。これからも海外のパソコンソフトを探訪
してその情報のリンクを含めたページを作成してみようと考えている。乞うご期待!
(筑波大学大学院 経営システム科学 教授)
![](../old/data/p10.gif)
図10
![](../old/data/p11.gif)
図11
(筑波大学大学院 経営システム科学 教授)
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