活動報告
■ マルチメディア専門委員会セミナー



● 第3回マルチメディアセミナー実施報告

日 時: 2月14日(水)    13時30分〜17時10分
会 場: 大手町KDDホール
参加人員:   62名
テーマ:『マルチメディアにおける知的所有権について』
構 成:

 第1部「マルチメディアにおける知的所有権について(1)」
        13時30分〜15時00分
        講師:Windowsコンソーシアム顧問、弁護士・弁理士
        マックス法律事務所 松田 政行 様
 第2部 「マルチメディアにおける知的所有権について(2)」及び「質疑応答」
        15時15分〜17時10分
        講師: 松田 政行 様

松田講師

セミナー会場

 第2回に続く松田先生のセミナーであり、今回は終日を松田先生にお願いして、受講の 方にはじっくりと聞いていただきました。松田先生のセミナーは今回を含めて、計3回を 予定するため、講演テーマ「マルチメディアソフト作成に係る著作権問題」を3区分して お話になります。今回はその“T”として、@著作権の経済的権利(複製権、ディスプレ イに関する権利) A実演家・レコード製作者の経済的権利(翻案権) B人格権(同一性 保護権)について具体的な事例をまじえながらお話いただきました。「光栄と技術評論社 事件」、「米国におけるベータマックス事件」、「カラオケの事件」などの事例は大変興 味のあるお話で、あっという間に定刻の時間になってしまいました。前もっていくつかの 質問をお受けしていたのですが、その中から一つ、(Q)「インターネットでデータを発信で きるようになったとき、どう著作権を勉強したらいいのか」には、(A)「日本と米国のベル ヌイ条約を勉べばよい」とのことです。
 次にアンケートからいくつかを記載します。有用のご意見からは「非常に分かりやすく、 要点を押さえた内容で大変有用だった」(5件)、「事例をあげての説明のため、非常によ く理解できた」(4件)、「次回も期待します、今後も参加したい」(3件)、「当社にと ってタイムリーな内容でした」、「とても面白かった。多少抽象的なのが困るが、よく分 かった」、「大学時代の知的財産権法(北大 田村助教授)を思い出した。各論にまで触れ つつ、難しい条文をあまり引き出していないので、分かりやすかった。ただ、初心者には 難しい用語が若干あったかもしれない」、「とても分かりやすくて有用なセミナーだった。 特に第2部は実際の判例も多く、大変理解しやすかった。欲をいえば、判例の資料がある とよかった」、「著作権はVOD等のマルチメディアシステムを編集する上で避けて通れな い問題であり、このようなテーマのセミナーを受講できたのは有意義」、「法的な考え方 は分かりにくいが、判例をまじえた講演は非常に面白い」等がありました。
 ちょっと不満やご希望等としては、「時間が足りなくて、残念です。他の講演テーマ についても聞きたかった」、「特に著作物を利用し、一般に公開する場合の注意点につ いてもっと知りたい」、「今後素材を収集していく上で参考になる。初参加だったので、 もっと低レベルでの知的所有権に関する内容を期待していた」、「判例も含め具体的で 理解しやすかった。ただ、講演テーマのうち、触れられなかった項目があり残念」、「も う少し例題が欲しかった」、「現時点において直接的に影響を受ける立場にないため、 分からないが、今後理解する必要があると思う」等、更に上を求める多くのご意見が見 られました。
 また、今後希望するセミナーとしては、「ソフトウェア貿易に関するセミナー」、「実 際マルチメディア作成時の素材収集について、素材の著作権に対する実務面の手続きなど について」、「実際のマルチメディア系ソフト(コンテンツ)作成時の著作権問題のクリ アの実体を製作者サイドから聞きたいと思う」、「ソフトウェアおよびその利用にブレー クダウンした内容での開催を検討して欲しい」、「マルチメディアソフト制作における“素 材のデジタル化”で今まで問題になった事例など」、「マルチメディアの先進事例(アメ リカにおける)紹介」です。アメリカでの判例は、次回(4月)に企画しております。 本セミナーへの要望としては、「是非今後も著作権など法務関係のセミナー開催を希望。 今回のような概要だけではなく、プロダクトを制作するにあたってのガイドライン、チェ ックポイントなどの紹介などもやっていただきたい。現状では技術や時代の進歩に比べ、 法律の対応が非常に遅れているため、当コンソーシアムが主体となって提言をしていって 欲しい」、「著作権問題について今後も定期的な開催を希望」、「この著作権シリーズを 月1回の定例として、開催して欲しい。変化が激しい割には一般の人には分かりにくいの で」等です。
 最後に、コンソーシアムに対する要望、意見としては、「インターネット(メールや ML、WWWなど)を利用したオンラインサービス&オンラインコミュニケーションなど による活動の活性化を行って欲しい。現在のMSの対応から考えるにMSへの期待はない! 当コンソーシアムのようなユーザーズ・グループの存在がもっと意義あるものになるよう に望む」、「NIFTYのフォーラムをもっとアクティブなものにして欲しい。(たまには、 オフラインミーティングの企画もよいと思うが)」、「久々に出席した。以前は机もなけ れば資料もなく、ただデモを見ているということが多かったが、今回のセミナーのような 構成なら出席する価値が大いにあるように思う。今後の企画に期待」。
 沢山のご意見・ご要望をいただいております。少しでもこれからのセミナーに反映でき るよう「マルチメディア専門委員会」で検討いたします。ありがとうございました。

※ マルチメディアセミナーは、今後3回(4月、6月及び8月)を予定します。次回(4 月)はマックス法律事務所 弁護士 斎藤浩貴様による「米国におけるマルチメディア著作 権、知的所有権の諸問題」を予定しております。


    Contents         Windows Consortium ホームページ