最新Windowsソフトウェア事情 (第12回)

Windowsコンソーシアム顧問 高橋 三雄

今年の干支は「ねずみ」
  −−マウス小屋から「タジマハール」へ−−

 今年は「ねずみ」年である。何の関係もないが、ちなみに私は「ひつじ年」生まれである。パソコンユーザーにとって昨年までの干支は関心外であったが今年はそうはいかない。昨年末の最大の話題ともなったWindows 95も今年はいよいよ本番を迎える。せっかくWindows 95を購入したけれども(話に聞くとパソコンを所有していなくとも、ついつられてパッケージだけ購入した人もいるという)、95用ソフトがOffice 95だけではWindows 95もなげく。今年は本格的な32ビット用ソフトが次々に登場することになる。そうなるとますます「ねずみ(マウス)」さまにお世話になる。「ねずみ」の干支はパソコンユーザーにとって縁起のよい年として祝う必要がありそうである。
 さて、問題はマウスをどのように「うやまったらよいか!」である。原稿執筆中の現在は年も押し詰まった12月23日であり、とりあえずはマウスのボールをはずして清掃した。また、ディスプレィ脇に貼り付けてあるマウスポケットも掃除した。しかしこれだけではネズミ年を迎えるには少々、物足りない。そこで先日、COMDEXの帰途、サンフランシスコの書店(Stacy)で購入した「Mouse House」をひもどくことにした。ちなみにStacyの2階のサービスカウンターで申し込むとその場でメンバーカードを作ってもらうことができ、カードを見せると5%割引になる。会員のみなさんもぜひ作ってみてください。このStacyの地下はパソコン関連の書籍であふれている。

 写真1 書籍「Mouse House」

 「Mouse House」にはねずみ様にお住まいいただく世界の著名な建造物が収録されている(写真1)。ちなみにこの5大建造物とはホワイトハウス、タジマハール、パルテノン神殿、金閣寺そしてChartres Cathedral(どこでしたっけ?)である。それぞれ本の各章に型が印刷されており、この厚紙の型を切り取って組み立てればマウスの新居が完成することになる。といっても不器用な私にとってペーパークラフトは大の苦手。娘に頼んですべての建造物を組み立ててもらった。写真2はその一つ、タジマハールである。マウスも「うさぎ(もとい!ねずみ)小屋」から壮麗なタジマハールへと引っ越すことができたのである。これでパソコンパワーユーザー(!)の私にとって今年は幸運の年になるはずである。

 写真2 タジマハールの建造物

 図1 EasyPhotoによる写真の取り込み

 本欄もこうした雑文で完了してしまったのでは連載も今回かぎりになることはみえみえである。もちろん、何かパソコン関連のソフト、ハードを紹介しなければならない。著者としてはその辺は当然に考えているのであり、早速、図1のような画面を取り出すことになる。「これは何だろう?」 これはCOMDEXの帰りにCompuUSAで購入したハンディなカラースキャナーに添付されていたEasyPhoto(STORM社)を使って写真を取り込んでいるところである。写真はまさにタジマハールそのものである。実は4年前、アジア各国の生産性向上運動を支援するための国際機関であるAPO(アジア生産性機構)から派遣されてインド各地で3週間のセミナーを行う機会があった。その折りに立ち寄ったアゴラ市(ここにタジマハールがある)で私が撮影した写真である。このセミナーは私の仲間の藤森洋志氏(Lotus1-2-3やNotes関連著書で知られるローカス社の取締役)とともに現在ではインドのシリコンバレーとして有名なバンガロール市をはじめ、ニューデリー、ボンベイ、カルカッタの各地を回ってすべて英語で行ったセミナーである。なお、その後パキスタンそして昨年はフィリッピンで同様のセミナーを行ってきた。今年も3月には再度、フィリッピンへ行くことになっている。

 写真3 ノートパソコンに接続したハンディスキャナー

 図2 写真取り込みのウィンドウ

 さて、ハンディスキャナーはプリンターポートに接続して利用するタイプであり、ノートブック パソコンでも利用できる。写真3のようにペーパーフィードがついているので取り込みに失敗する ことはない。画面上段の左から三つ目のボタンをクリックすると図2のように写真取り込みのウィ ンドウが開かれる。図のようにスキャナー、PhotoCDそしてファイルから写真をアルバムに追加で きる。画面左側にはまだ2枚だけであるが、スライド風にアルバムが表示されている(実際の写真 はPhotoCDに収録されていたり、ファイルに保存されている)。このソフトには画像編集ソフトも ついている。編集したい写真をダブルクリックすると図3のように編集ウィンドウが表示され、こ の上で赤目を修正したり、明るさやコントラストを調整したり、さまざまな編集ができる。たとえ ば明るさやコントラストを調整してみると図4のように調整前と調整後の結果を見ながら調整の度 合いをきめることができる。

 図3 編集ウィンドウの表示

 図4 結果を見ながら調整の度合いを決める

 図5 EasyPhotoに用意されているさまざまなメニュー

 さて、EasyPhotoには図5のようにさまざまなメニューが用意されている。その一つはスライド ショウ機能である。これを実行するとアルバムに含まれる写真が画面一杯に順次、表示されてい く。さっそくためしてみると図6のようにタジマハールの全景が表示された。画面右下にはスラ イドショウ用のコントロールボタンが用意されている。なお、図2の写真はタジマハールと同じく アゴラ市にあるアゴラ城の前で撮影したものである。私はこの種のアルバムソフトを数種類もって いるが、それらの中にはバックグランド音楽を流しながらスライドショウを楽しむことができるも のもある。

 図6 スライドショウで表示されたタジマハールの全景

 このようにして今回は一般庶民にとってのマルチメディア応用の出発点ともなるデジタルアルバ ムソフトおよびハードについて紹介した。会員のみなさんには今年もよろしくお願いします。なお 、評価用ソフトを事務局まで送っていただければ、美味しいところをかじって本誌および他の雑誌 に紹介することにします。

(筑波大学大学院 経営システム科学 教授)


Contents         Windows Consortium ホームページ